「岬」中上健次

6/7　中上健次再燃、なんて言いつつ、
仕事がバタバタして読書から遠ざかっていた。
この本もだいぶまえに読み始めたのに、やっと今日読了。
といいつつ、学生時代に一度読んだのを引っぱり出しての再読です。

芥川賞受賞の表題作を含む短編集。
秋幸を主人公とした後の長編の源となる作品です。
「ただのドロドロした人間模様」
と言われてしまえばそれまでですが（いや、本当は違うけど）。

同じテーマでいくつもの作品を書き上げた中上氏。

それを何度も別の作品として読むことで、
小さな路地の話しがまるで神話のように思えて来る。

ある時突然、自分が、繰り返す生命を見守る、
神の視点をもったような気分にさせられてしまう。

あぶくのように浮かんでは消え、を繰り返す生命を
実はただ繰り返してるだけの人間という生物の営みを
見ているような気にさせられるのです。

なんていうのか、時空を超えた世界観、宇宙のよう。
本当は小さな路地でひしめく人間の話しなのに。

やっぱり好き。たまらない。中上健次。
でもこの感覚を理解してくれる人って、
あんまりいないんだよなぁ。
どうしても文学好きのマニアな作家という印象が拭いきれないのか？
良さをうまく伝えられない自分もふがいないですが。

hip jointメモ／
プール歩行45分、水中筋トレ１回、クロール125m、筋トレ１回。
久々のクロール、なんだか疲れた。