まちるだ File

JAZZライブ、映画、お酒を愛し、そしてなぜかキャラではない”あみあみ”にはまっている私の気楽で呑気な日々の記録。

「地の果て 至上の時」中上健次

2006年04月13日 | 読書メモ
4/12 現代日本文学を専攻した私世代にとって、
ゼッタイに避けては通れない作家、中上健次
(とは言っても会社の後輩が中上ファンだと知った時は驚いたけど)
彼が亡くなった時は、本気でお墓参りに行こうと思うほど
やはり私も彼が好きでした。

和歌山県の熊野・新宮を舞台に、
路地と言われる被差別と
そこに脈々と流れる血や運命をテーマにした重厚な作品群。
多層的で時間も超えさせる神話的世界観は、
小さなの出来事なのに、
宇宙とか、生命の神秘とかそんなことすら感じてしまう。

・・・のですが、どん欲な学生時代はまだしも
社会人になってしまうと、この重厚感、なかなか手が出せず。
買い置きしていたこの本、やっとのことで手をつけました。



数年振りの中上健次。

いや、もう。素晴らしい。です。
この文章の重力感って一体何だろう?
長いし独特な世界観なので、たまにストーリーを
追えなくなる時もあるんだけど、
それでもこの文章に引きずりこまれてしまう、
まるでブラックホールみたいな文体。
なんていうのか、磁場が違う世界っていうか。。。

最近ずっと無為に消費される本ばかり読んでいたような気すらしてくる。
やっぱり本物は違う。本当の文学は違う。
例えれば、耳障りはいいけど消費されていくハヤリ音楽と
本当に残る音楽って違うみたいに。。。
小さくて手軽な感動をたくさんするのもいいけれど、
もういい大人なんだし、心揺さぶられる本物がもたらす感動も、
ちゃんと差し挟んでいかなければ。
本でも、音楽でも。

中上健次熱、再燃させます。
どん欲さを、取り戻します。

hip jointメモ/
プール歩行45分。筋トレ1回。
なんか膝の調子が悪い感じ。雨のせい?


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うううう (Miyau)
2006-04-13 17:49:18
>>もういい大人なんだし、

心揺さぶられる本物がもたらす感動も、

ちゃんと差し挟んでいかなければ。

本でも、音楽でも



耳が痛いですぅ~~~~汗



でも、本当に

消費されていくばかりの音楽や本

巷に溢れすぎで、

それに乗ってる自分も

なんだかなあ~って気がします。



私にとっての本物は

音楽はJAZZ

本は・・・

未だ出会えてないかもしれません。



三国志買おうかな・・・(^-^;
返信する
私も (MVB)
2006-04-14 07:20:36
昔はしょっちゅう井上ひさしの本なんかを読んでいたもの

ですが、今はさっぱり・・・。本はやはり読むべきだとは

思っているのですがなかなか(苦笑)



Miyauさんへ。三国志ならば北方謙三のやつがオススメ

です。
返信する
MVBさんへ (Miyau)
2006-04-14 15:46:29
情報、有難うございます!!

"φ(・ェ・o)~メモメモ〆(._.)メモメモ
返信する
お返事 (matilda)
2006-04-15 19:16:28
Miyauさんへ

Miyauさんは本もたくさん読んでるし、

本物志向の方だと思いますよ。

三国志かあ。私もいつか読みたいと思いつつ、

そういえば手を出していませんでした。

検討します!



MVBさんへ

いやいや~、仕事しながら本を読むのって結構大変ですよ。

電車通勤ならまだしも、MVBさんは自転車ですしね!

三国志、いつか手にとってみます!
返信する