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And This Is Not Elf Land

Negative

※SEINFELD(となりのサインフェルド)’The Pilot’(夢のパイロット版)の筋書きが書かれています。

The Pilotというタイトルは、wowow放送時は「成功はビョーキの元」とされていました。そちらの方がぴったりな感じです。wowowの放送は、日本語台本はボロボロでしたが、エピソード・タイトルはどれもイケていて良かったと思います。

さて、第4シーズンの最終エピソードでは、NBCに取り上げられたJerryとGeorgeの企画が、いよいよパイロット版制作へとこぎつけました。

「永遠のloser(負け組)」、われらがGeorge君は絶望的な人生から脱出できるのでしょうか?

Jerryの「名」stand-upシーンから始まります。

JERRY: To me, the whole concept of fear of success is proof that we are definitely scraping the bottom of the fear barrel. Are we gonna have to have AA-type meetings for these people? They'll go: "Hi, my name is Bill, and the one thing I'm worried about is to have a stereo and a cream-colored couch." According to most studies, people's number-one fear is public speaking. Number two is death. *Death* is number two! Now, this means to the average person, if you have to go to a funeral, you're better off in the casket than doing the eulogy.
(僕にとって「成功の恐怖」っていうのは、恐怖の残り物を必死でかき集めているようなものだと思う。心配性の人たちの集まりってそうでしょう?あの人たちは「こんにちは。ビルです。今悩んでいるのはステレオとクリーム色のカウチが欲しいってコトなんです。」なんてやってる。
いろんな調査によれば、人々が一番恐れているものは「人前で話す事」なんですって。二番目が「死」。「死」が二番目!これって、普通の人にとっては、葬式に行って弔辞を読むくらいなら、棺に入っていた方がマシだってコト?!)



Jerryの部屋にGeorgeが訪ねてきます。NBCからの連絡をやきもきしながら待っているのです。

JERRY: Again with the sweat pants?
(またスウェット・パンツをはいてるわけ?)

GEORGE: What? I'm comfortable.
(えっ?だって楽だし)

JERRY: You know the message you're sending out to the world with these sweat pants? You're telling the world: "I give up. I can't compete in normal society. I'm miserable, so I might as well be comfortable."
(スウェット・パンツをはいてるって、世の中にあるメッセージを送っているコトだってわかってる?つまり「僕は人生を諦めてます。普通の社会で競い合うことは無理なんです。僕ってミジメなの。だからせめて楽にしていてもいいでしょ」ってね。)

しかし、この会話の直後、NBCからパイロット版制作が決定したとの連絡が入ります。

しかし、そうすんなりとはpositiveになれないGeorge。「例の」一件(the contest)以来、カウンセラーのところへ通っている彼でしたが。

カウンセラー、Danaのofficeにて

GEORGE: What if the pilot gets picked up and it becomes a series?
(パイロット版が採用されてシリーズ化されたらどうなるんでしょう?)

DANA: That'd be wonderful George, you'll be rich and successful.
(凄いことじゃないの、George。お金も名声も手に入るわ。)

GEORGE: Yeah, that's exactly what I'm worried about. God would never let me be successful. He'd kill me first. He'd never let me be happy.
(ええ、それがまさに僕の心配している事なんです。神様は僕を成功者にはしてくださらない。そうするくらいなら死なせるでしょうね。神様は決して僕を幸せになんてしてくれない。)

DANA: I thought you didn't believe in God?
(あなた、神様を信じていないの?)

GEORGE: I do for the bad things.
(僕は悪いことの方を、まず考えるんです。)

DANA: Do you hear what you're saying? God isn't out to get you George. What... What is that on your lip?
(自分の言ってることがわかってるの?神様はあなたをお召しにはならないわよ。
ところで…唇の上、どうしたの?)

GEORGE: What?(えっ?)

DANA: It's like a discoloration. It's white.
(なんか、皮膚が変色しているみたい。白くなってる。)

GEORGE: Yes. Yes, it's white. Why it's white.
({鏡を見て}あっ、ホントに!白くなってる!)

DANA: You'd better get that checked out.
(検査した方がいいわ)

GEORGE: Better get that checked out?
(検査した方がいいだって?!)

DANA: I would.(私ならそうするわ。)

GEORGE: What kind of a therapist are you? I'm telling I'm scared that something terrible is gonna happen to me, right away you start looking for tumors?
(あなた、それでもセラピストなの?何か恐ろしいことが起きたらどうしようと相談している僕に、即座に腫瘍を発見するなんて!)

DANA: I'm trying to help you.
(力になってあげようとしているのよ。)

GEORGE: What are you like a sadist? No matter how bad somebody feels, you can make 'em feel worse. I bet you're rooting for a tumor.
(はぁ!あなたってサディストなの?人がどんなに落ち込んでいても、さらに落ち込ませてしまう。あなたはいつも、人の腫瘍を真剣に探しているんだ。)

DANA: I think you'd better go.
(今日はこれっきりにした方がよさそうね。)

その後、Georgeは病院へ行き、医師の勧めで生検を受けるのでした。

ますます落ち込むGeorge.

GEORGE: A biopsy!(生検だぜ!)

JERRY: What did he say?(お医者さんは何て?)

GEORGE: He said he didn't know what it was.
(何か分からないってよ!)

JERRY: Alright. So?(ん、それで?)

GEORGE: When I asked him if it was cancer, he didn't give me a "get outta here". That's what I wanted to hear: "Cancer? Get outta here?"
(癌ですか?って訊いたのに、彼は「バッカじゃないの!」って言わなかったんだぜ。僕は「癌だって?バッカじゃないの!」って言って欲しかったのに。)

JERRY: Well, maybe he doesn't have a "get outta here" kind of personality.
(医者ともあろうお方が「バッカじゃないの」なんて言わないよ。)

GEORGE: How could you be a doctor and not say "get outta here"? It should be part of the training at medical school: "Cancer? Get outta here!" "Go home! What are you crazy? It's a little test. It's nothing. You're a real nut. You know that?" I told you that God would never let me be successful. I never should've written that pilot. Now the show will be a big hit, we'll make millions of dollars, and I'll be dead. Dead Jerry. Because of this. (showing his lip)
(何で、医者は「バッカじゃないの!」って言わないんだ?それって医学部で教わらなきゃいけないことだろ?「癌だって?バッカじゃないの?」「どうかしてるんじゃない?家へ帰れよ!」「これって、どうってことのないただの検査でしょ。」「君って心配性だね。わかってんの?」
神様は僕を成功者にしてくださらないんだ。パイロット版なんて作るんじゃなかった。番組は大ヒットして、何百万ドルも稼いで…それで僕は死ぬ!死ぬんだよJerry、この皮膚の変色のせいで)

Georgeには心臓発作騒動の前科もありますし、もうJerryは付き合いきれないのです。

JERRY: Can't you at least die with a little dignity?
(それって、少なくとも威厳のある死に方じゃないの?)

GEORGE: No I can't. I can't die with dignity. I have no dignity. I want to be the one person who doesn't die with dignity. I live my whole life in shame. Why should I die with dignity?
(それも無理だ。威厳のある死に方なんてできないよ。僕に威厳なんて全然ないし。威厳のある死に方ができない唯一の人になりたいくらいだ。僕の人生はずっと「恥」だった。威厳のある死に方なんて、できるわけないだろ?)

この一連のGeorge (Jason Alexander)の演技も最高なのです。

後日、NBCのスタジオから病院へ電話をして検査結果を訊くのですが…
GEORGE: This is George Costanza, I'm calling for my test results. Negative? Oh, my God. WHY! WHY! WHY? What? What? Negative is good? Oh, yes of course! How stupid of me. Thank you. Thank you very much.
(ジョージ・コスタンザです。検査結果を知りたいのですが。Negative?そんな!どうしてまた!えっ?何?Negativeはナンともないってこと?あ、はい、もちろん。バカでした。ありがとうございます!)

ここ、結構笑えます。
Negativeは「悲観的な」「否定の」「反対の」等のマイナス・イメージの意味が主ですが、医学的に使われる場合は「陰性」の意味。むしろ、Positiveだと大変なんですね。
ネイティヴでも混乱することがあるんでしょうか(笑
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