cigar store Indianとは、かつてアメリカの煙草屋に飾ってあった、木彫りのインディアン人形のことです。映画SMOKEのHarvey Keitelの店にも置いてあります。今では珍しくなってきているそうですが、以前にCaliforniaで見かけたことがあります。
突然、私ごとですが、甥がイギリスの日系幼稚園に行っていまして、幼稚園生活の写真を見せてもらったのですが、ヘアバンドに葉っぱをくっつけて、クラスメートと「インディアンごっこ」をしている写真があるではありませんか?日本の幼稚園でも、かつてはインディアンごっこのお遊戯などが行われたものですが、今はどうなのかな?腰みのをつけて踊るお遊戯などもしなくなったと聞いたことがあるけど。(昔は盛んにやってた…ってのも、ある意味すごい)海外在住経験も豊富な妹に「今どき、こんなことを授業に取り入れて大丈夫なの?」と訊ねてみると「イギリスではアメリカほど、うわべだけの差別撤廃にこだわってないよ~」とアッケラカンとしたものでした。
Elaineとちょっとした口げんかをしてしまったJerry、たまたまアンティーク・ショップで見かけたcigar store Indianをプレゼントしようと思いつきます。Peace offeringにこれ以上ぴったりのものはない。おまけに(というか、ここが重要だった)今夜は、Elaineの部屋にはエキゾチックな美女Winonaが遊びに来ているはず。

優しいところを見せてWinonaにも好印象を与え、ポイントを稼いでおかなきゃ。
大きな人形を抱えてElaineの部屋に乗り込んだJerry。一同、木彫りのインディアンを見て固まっているのに、まったく空気が読めてないJerry.
JERRY: We had a little fight this afternoon. (reading from card) Let's bury the hatchet. We smoke um peace pipe.
(今日の午後、ちょっとけんかをしちゃってね。{ギフト・カードを読む}
※戦いをやめよう。仲直りをしよう。)
※直訳:手斧を埋める。 peace pipeを焚く。
どちらもアメリカ先住民の風習から来た表現。
WINONA: Hey, you know, it's late. I really should go.
(あっ、もう遅いから帰らなきゃ。)
ELAINE: I, uh, I don't blame you Winona. I, uh...
(あ、、あの、そんなつもりじゃなくて、ちょっと…)
{Winona気を悪くした表情で帰ってしまう。}
JERRY: Hey-yah, ho-ah, hey-yah, ho-ah.←空気が読めてない
ELAINE: Are you out of your mind?!(ちょっと!どうかしてるんじゃない?)
JERRY: ...ho-ah. It's, it's, it's kitschy.(キッチュでしょ、これ。)
ELAINE: Winona is a Native American.(ウィノナはネイティブ・アメリカンなの!)
JERRY: She is?(えっ?)
英語には、アメリカ先住民の風習からきた表現がたくさんあるのですね。
懲りずに、まだまだ出てきます…
数日後、Winonaと仲直りしようと、食事に誘うJerry。
JERRY: You like Chinese food, 'cos I once went to a great Szechwan restaurant in this neighborhood. I don't remember the exact address... (he spots a mailman crouched emptying a box) Uh, excuse me, you must know where the Chinese restaurant is around here.
(中華料理はどう?一度、このあたりにある四川料理点に入ったことがあるんだ。ただ、どこだったか覚えてなくてねぇ。{収集に来ている郵便局員を見つけて}あっ、すいません。この辺にある中華料理店、ご存知ですよね。)
MAILMAN: Why must I know? Because I'm Chinese? You think I know where all the
Chinese restaurants are? Oh, ask honolable Chinaman for rocation of lestaulant.
{郵便局員は中国系だった}

(なんで俺が知ってなきゃいけないんだ?中国人だからか?俺が全部の中華料理店を知ってるってか?ハイハイ、チューゴクジン、レストラン、ドコデモ シッテルヨ)
JERRY: I asked because you were the mailman, you would know the neighborhood.
(だって、おたくは郵便局員だからこのあたりの地理には詳しいと思ったから…)
MAILMAN: Oh, hello American Joe. Which way to hamburger, hotdog stand?
(ほう!じゃあ訊くけどアメリカさんよ!ハンバーガー・ホットドッグ屋さんどこ~?!)
{怒って去る}
こんな時に「人種ネタ」で窮地に陥るJerry。そして、またまた追い討ちをかけるように、Elaineから例の人形をもらっておおはしゃぎのKramerが、タクシーから顔を出して、インディアンの真似をして通り過ぎていくのでした。

修復不可能。
後日、Georgeに思わず愚痴をこぼすJerry。
JERRY: You know, I don't get it. Not allowed to ask a Chinese person where the Chinese restaurant is! I mean, aren't we all getting a little too sensitive? I mean, someone asks me which way's Israel, I don't fly off the handle.
(ねぇ、理解に苦しむよ。中国人に中華料理店の場所を尋ねるのも許されないわけ?な~んか、みんな神経質になりすぎてない。僕ならイスラエルの場所を尋ねられても、ぶちきれたりしないのに。)
でも、何とか気を取り直して、Winonaをデートに誘ってみるのでした。
もう後がありません。どんな失敗も許されません。
WINONA: So, where are we gonna go eat?
(どこで食事をする?)
JERRY: I thought we'd eat at the Gentle Harvest.
(Gentle Harvestなんてどうかな?)
WINONA: Ooh, I love that place, but it's usually so crowded. Can we get a table?
(うわぁ、ステキ。でもあそこはいつも混んでるわ。テーブルが空いてるかしら?)
JERRY: Ah, don't worry. I made a reser...
(大丈夫、だってリザ…)
WINONA: You made what? (えっ?)
JERRY: I uh, I uh, I arranged for the appropriate accommodation. And then, Knick
tickets, floor seats.
(つ、、つまり食事の便宜を図ったってわけさ。{冷や汗}ところで、ニックスのチケット!フロア席だよ。)
WINONA: How did you get these?(よく手に入ったわね!)
JERRY: Got 'em on the street, from a scal... (catches himself again) A uh, one
of those guys.
(ストリートでね、スカ…あ、、ああいう類の人たちからさ。)
WINONA: What guys?(どういう人たち?)
JERRY: You know, the guys, that uh, they sell the tickets for the sold-out events.
(つまりさ、あの…ソールド・アウトになってるイベントのチケット売ってる人いるでしょ{冷や汗})
Jerryが言おうとしたのは
I made a reservation. (予約をした。)
reservationには「予約」の他に「アメリカ先住民のための政府指定保留地」の意味があります。しかし、このケースで後者を考える人はいないってば!
…from a scalper(ダフ屋さんから)
scalperは「ダフ屋」と「頭皮を剥ぐ人(暗にアメリカ先住民)」を意味します。
なんとかデートを切り抜け、アパートでくつろいでいる時、Winonaが急に
「先日あげた雑誌、返して!」と言い出す。
WINONA: Well, I'm doing a report on minorities in the media, and I wanted to use that interview with Al Roker.
(今、マイノリティーとメディアについてのレポート書いてるの。あの中のAl Rokerのインタビュー記事使いたいのよ。)
JERRY: Well, it's too late. I gave it to Elaine, and she's already on her way to give it to George's father.
(今さらそんな事言われても。あれはElaineにあげて、で、彼女は今頃、Georgeのお父さんの所に持って行ってるよ。)
WINONA: Jerry, I really need it back. It, it is mine.
(Jerry、本当にあれが要るの。あれは私の本なの。)
JERRY: You can't give something and then take it back. I mean, what are you...
(一度、人にあげたものを、また返してなんて。そんな、君…){冷や汗}
WINONA: What?(何よ!)
JERRY: A uh, a person that uh...(だ、だってそんな人いないよ)
WINONA: A person that what?(どんな人?)
JERRY: Well, a person that gives something and then they're dissatisfied and they wish they had, had never uh...
(つまり、いちどあげたものを、また何だかんだと返してくれなんて、そんな…)
WINONA: And?(だから、何?)
JERRY: ...give, given it to the person that they originally gave it to.
(もともとの持ち主に返せなんて、そんな)
WINONA: You mean like, an Indian giver?!
(つまり、Indian giverだって言うのね!)
JERRY: I'm sorry, I'm not familiar with that term.
(ごめん。それってどういう意味?)
Indian giver (一度与えたものを取り戻す人)(返礼目当てでものを与える人)
アメリカ先住民の贈り物に対する考え方から来ているが、今は侮辱的な表現とされている。
最後にやっちゃいました…
ところで、このドラマ、郵便局員ネタが多いですね(笑)