ほぼ日記

ロシア侵攻で今後の株価はどうなるのか? 三井物産(8031)は売り推奨の理由

1 ウクライナ危機について
2 地政学リスクと経済制裁の規模
3 三井物産のロシア部門の金額について
4 今後の株価・為替予想
5 オススメの代替資産とインフレ対策

今回はこの5つを解説していきます。10分もあれば読めるかと思います。

 

1 ウクライナ危機について

今日2022年2月23日の時点で、ウクライナ危機が一段と深刻になっています。
ウクライナ領内にある親ロシア地域の独立をロシアが認めたため、
対立する欧米が制裁を発表しました。

OGPイメージ

ロシア、「独立国家」の範囲拡大 侵攻の布石か(写真=AP)

【モスクワ=桑本太】ロシアが独立国家として承認したウクライナ東部の2地域について、ロシアや東部地域を実効支配する親ロシア派武装勢力が、「自国...

日本経済新聞

 

株価への影響を見てみます。

22日のSP&500指数は-1.01%、今週初めからだと-1.55%
22日の日経平均-1.7%、今週初めからだと-4.7%

日経平均の下げが目立ちます。

 

2 地政学リスクと経済制裁の規模

地政学リスクは、過去の歴史を見ると株価への影響は短期的で、
株の格言だと「遠くの戦争は買い」などと言うそうですが、
今回は凄く危険だと思ったので、なぜ私がそう思ったのか根拠をメモしておこうと思います。
 
まずウクライナ情勢ですが、現在進行形であり、戦争というのは「戦場の霧」と呼ばれるほど
不確実性と情報の制限が多く、当事者にとってすら先が見えません。
 
ロシアのプーチン大統領がどこまで侵攻を決定するかによって危機のレベルが変わるため、
2014年のクリミア侵攻と、今回のウクライナ情勢の株価への影響を予測できなかった人は(私もですが)
地政学リスクが収束するまでは、押し目買いせずに大人しく様子見したほうが良いと思います。
 
欧米の経済制裁は、イタリア政府が天然ガスは勘弁してくれと泣きついたこともあり、
現時点において、とても小規模かつ限定的です。
ウクライナの独立地域とロシアの国会議員の一部しか対象にしていません。

イタリア首相、対ロ制裁でエネルギー輸入の除外促す 国内事情訴え

 
ただ、これでロシアとの取引が今後も可能か、制裁がこれで済むのか?というとそれは不透明です。
 
厭戦気分の強い今のアメリカの国内事情との関係で
大規模な戦争は考えにくいですが、ロシアがここで止まってくれるというのも楽観的すぎるでしょう。
三井物産は先週ウクライナ危機が高まる中でロシアとの大型契約を締結しており、私は驚いたのですが
おそらく他にも日本企業やアメリカ企業は多かれ少なかれロシアとの取引をやっていると思われます。

三井物産、ロシアでCCS事業化調査 ガスプロム系と覚書

天然ガスをロシアに依存するEUと、政権支持率が低く政権基盤が弱いアメリカ。
欧米が一枚岩になれずに、経済制裁ができないと読み切った上での契約だろうと思うのですが、
はたしてカントリーリスクが想定通りにいくのかどうか。
三井物産が欧米関係者からヒアリングした当時と、今の状況は違ってきているのではないでしょうか。
 
また、海運タンカーは海賊に弱く、地域対立が深まるほど治安が悪化します。
 
インフレと金融引き締め予測がある弱気相場の中で
大きなリスクを取ればそれだけ高いリターンも期待できるかもしれませんが
2021年のような右肩上がりの相場は、まずあり得ないと思います。

 

3 三井物産のロシア部門の金額について

三井物産のエネルギー部門が8,386億円の収益を上げており、全体の1割を占めます。
そのうちロシア分は過去の記事を私が調べた限りだと、アークティック2に500億円の出資。
それにサハリン2が年間生産量960万トン(=原油7,680万バレル=92ドル×7680万×115円=81,254,400万円=約8100億円?)
持ち株10%で年間810億円?
以上、LNGだけを見ると売上高8兆円のうちロシア関係は大きくないのですが、
他にも鉄鋼製品や木材や車のディーラーなどがあり、
どれほどのものになるのかちょっと調べきれません。
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(情報が数字で把握できない、しづらい資産資本というのは私は避けます)

ちなみにロシア株指数RTSは去年の10月最高値から約-36%
 
株は個別の業績だけでなく、全体の相場にも左右されるので、
最高益という部分だけを見て買ってしまうと、
高値づかみになってしまいかねません。

 

4 今後の株価・為替予想 
全体の相場としてインデックスに注目してみますが、
今のSP&500は過去のITバブルと利上げの状況が似ていると思います。
 その時の下落率が-49%
 ナスダックは最大-70%を想定しています。
 日経平均は   -45.2%、1万2千円分下がるとすると1万4千円、
人口や岸田政権やコストプッシュインフレなどの要因を考えると、日経平均はもっと下げるかなと。
 
2週間前に商社株を推しておきながら、まだまだ勉強不足だと感じました。
SP&500のようなインデックスについては、20年くらいの長期投資を考えているので売るつもりはないのですが、
個別株は本当に難易度が高いですね。
 
次に為替ですが、日米金利差が1%につき10円の円安といわれるので、
2024年に135円、15%程度の円安を予想しています。
私が日本株と米国株の比率を2対98と、米国株に集中しているのも円安による為替差益を予想しているからです。円預金その他もあるので資産全体ではそこまで米国に集中していません。

今まではエネルギーセクターの将来性がないと思っていたのですが、
現実に株や投資信託の価値が上がっているので
インフレ対策としてVDEというETFを少しだけ買いました。
 
ETFだと配当金がもらえるので私はインカムゲインのほうが性に合うと気付きました。
ただ、キャピタルゲインも諦めずに、ナスダック100も減らしつつまだ持ち続けています。(私の寿命が尽きるまでに戻すのを祈ります)

 

5 オススメの代替資産とインフレ対策

株が冴えない中、
金地金が1グラム7,791円の最高値を付け、大きく値上がりしています。
20年前は1300円くらいだったので、599%、なんと6倍になっています。
やはりインフレには金のようです。
ビットコインで金はオワコンって煽ってた人達はいったい……(;´Д`)。
高値圏の可能性もあるので、これから始める方は積み立てがオススメです。

「eMAXIS プラス コモディティインデックス」も調子がいいです。
 (ただし配当金はありません。モーニングスターの格付けは低いので高値圏またはリスキーかもしれません。コモディティや金は資産の10%までが目安らしいです。怖いので私も11%までにしています)
 
みなさんも株以外の代替資産も検討されてみてはいかがでしょうか。(余裕資金と自己責任で)

以上です

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