どうも読みにくいので、また色をかえてみます。
3 エドマンドのばん
廊下に走って飛び出すと、ピーターたちはすぐそこにいました。しかし不思議なことにルーシィを見てもなんとも言いません。
「ほら、帰ってきたわ。あれは魔法の衣装だんすよ。森につながってて何時間もそこにいて、お茶をいただいて・・・」
「ばか言わないで、わたしたちは今、その部屋から出てきたばかりじゃない」とスーザンが言いました。
「ここがいかれたな、」とエドマンドは自分の頭をちょんちょんと叩いてみせました。
ルーシィは憤慨して3人をたんすに連れて行きましたが、なぜかコートのうしろはただの壁になっていました。
どんなにルーシィが説明してもだれも信じてくれませんでした。
それからエドマンドは、引き出しや扉のあるごとに開いて、「別の世界はどこにあるんだろう」などとルーシィをからかいました。
いっそのことあんなことがなかったたなら、とルーシィは思い始めました。
それからしばらくして、土砂降りの雨の日に兄弟は屋敷の中で鬼ごっこを始めました。スーザンが鬼です。
ルーシィがたまたま例の空き部屋の前に来ると、足音が聞こえたので、とっさに部屋に入りました。
思い出すのはいやなので、たんすには隠れたくない、と思いながら、ドアノブが回るのが見えたのでしかたなく入りました。
ところがそれはエドマンドでした。
エドマンドはルーシィの後ろ姿が見えたので、思う存分からかってやろう、と思い、たんすに入りました。
ところが、どれだけ呼んでも、手を広げてもルーシィの気配がないのにはたまげました。
それどころか、どれだけ奥に進んでも壁に当たらず、足元がさくさくして、急に寒くなってきました。
不安になってきたところで遠くに明かりが見えたので、歩いていくと、街灯のランプでした。
足元にはさらさらにかわいた雪があり、木々の枝にはふかぶかと雪がかぶっていました。頭のうえには冬ばれの朝によくみかける、青みがかった空がのぞいていました。おりからエドマンドの目の前に木々のあいだから日がのぼるところで、それは真っ赤であざやかな朝日でした。
「ルーシィ、疑ってごめんよ、出ておいでよ」エドマンドは叫びました。
しかし、ルーシィどころか生き物はエドマンド以外いないかのように静まりかえっていました。
そのとき、どこからともなく、しゃんしゃん、と鈴の音がきこえてきました。音はだんだん近づいてきてとうとう目の前に二頭のトナカイのひく金色のそりが現れました。
長いひげを伸ばした、小人の御者と、座席に雪よりも白い、堂々とした女の人がのっていました。美しい顔立ちでしたが、表情は氷のように厳しいものでした。
「とまれ、」とえらそうな女の人がいいました。小人がきゅうにトナカイをひきしめたので、トナカイはしりもちをつきそうになりました。でも、すぐからだを立て直して、くつわを噛み、鼻息をたててたたずみました。きんきんする寒気のなかで、鼻息はけむりのようにふきだしました。
「これ申せ、そちは何者じゃ」
「ぼ、ぼく、ぼくはエドマンドです」
「それが女王に対する口のききかたか」女の人はきっ、とにらみつけました。
3 エドマンドのばん
廊下に走って飛び出すと、ピーターたちはすぐそこにいました。しかし不思議なことにルーシィを見てもなんとも言いません。
「ほら、帰ってきたわ。あれは魔法の衣装だんすよ。森につながってて何時間もそこにいて、お茶をいただいて・・・」
「ばか言わないで、わたしたちは今、その部屋から出てきたばかりじゃない」とスーザンが言いました。
「ここがいかれたな、」とエドマンドは自分の頭をちょんちょんと叩いてみせました。
ルーシィは憤慨して3人をたんすに連れて行きましたが、なぜかコートのうしろはただの壁になっていました。
どんなにルーシィが説明してもだれも信じてくれませんでした。
それからエドマンドは、引き出しや扉のあるごとに開いて、「別の世界はどこにあるんだろう」などとルーシィをからかいました。
いっそのことあんなことがなかったたなら、とルーシィは思い始めました。
それからしばらくして、土砂降りの雨の日に兄弟は屋敷の中で鬼ごっこを始めました。スーザンが鬼です。
ルーシィがたまたま例の空き部屋の前に来ると、足音が聞こえたので、とっさに部屋に入りました。
思い出すのはいやなので、たんすには隠れたくない、と思いながら、ドアノブが回るのが見えたのでしかたなく入りました。
ところがそれはエドマンドでした。
エドマンドはルーシィの後ろ姿が見えたので、思う存分からかってやろう、と思い、たんすに入りました。
ところが、どれだけ呼んでも、手を広げてもルーシィの気配がないのにはたまげました。
それどころか、どれだけ奥に進んでも壁に当たらず、足元がさくさくして、急に寒くなってきました。
不安になってきたところで遠くに明かりが見えたので、歩いていくと、街灯のランプでした。
足元にはさらさらにかわいた雪があり、木々の枝にはふかぶかと雪がかぶっていました。頭のうえには冬ばれの朝によくみかける、青みがかった空がのぞいていました。おりからエドマンドの目の前に木々のあいだから日がのぼるところで、それは真っ赤であざやかな朝日でした。
「ルーシィ、疑ってごめんよ、出ておいでよ」エドマンドは叫びました。
しかし、ルーシィどころか生き物はエドマンド以外いないかのように静まりかえっていました。
そのとき、どこからともなく、しゃんしゃん、と鈴の音がきこえてきました。音はだんだん近づいてきてとうとう目の前に二頭のトナカイのひく金色のそりが現れました。
長いひげを伸ばした、小人の御者と、座席に雪よりも白い、堂々とした女の人がのっていました。美しい顔立ちでしたが、表情は氷のように厳しいものでした。
「とまれ、」とえらそうな女の人がいいました。小人がきゅうにトナカイをひきしめたので、トナカイはしりもちをつきそうになりました。でも、すぐからだを立て直して、くつわを噛み、鼻息をたててたたずみました。きんきんする寒気のなかで、鼻息はけむりのようにふきだしました。
「これ申せ、そちは何者じゃ」
「ぼ、ぼく、ぼくはエドマンドです」
「それが女王に対する口のききかたか」女の人はきっ、とにらみつけました。