日々是好日

日々の読書、日々の思い、徒然に

『真理は現実のただ中にあり』

2007-07-13 | Weblog
『真理は現実のただ中にあり』
森信三(致知出版社)H12.9.1

「真理は現実のただ中にあり」
すごい言葉である。
日々誠実に生きていない限りこんな言葉はでてこない。

この本は、森信三先生の講話録である。

昭和38年2月に、小学生にむけて
昭和42年2月に、中学生にむけて
昭和47年11月、中学生に向けて
昭和30年4月、 大学生(新入生)に向けて
昭和49年7月、 新任教師に向けて

等々、さまざまな場でさまざまな人に向かってされた講演を収録した物である。

以前にも一度読んだのだが、あまり記憶に残っていなかった。
しかし、今回読み直してみて、かなり衝撃を受けた。
自分がいかにふにゃふにゃと人生を送っているかというのが痛切に感じられた。
「森信三先生の本を読みなさい」と言われるわけがよくわかった。

それにしても、小学校や中学校で、あるいは新任教師の研修で、森先生のお話を聞けた人は幸せだと思う。
人生の早い時期に師と巡り会えるというのは、ものすごく幸運なことだ。


この本を読むと身が引き締まる。
おすすめである。

(おすすめ度★★★★★)

『日本人のためのイスラム原論』

2007-07-11 | Weblog
『日本人のためのイスラム原論』
小室直樹(集英社)2002.3.31

キリスト教とイスラム教の決定的な違いは何か。
それは、「規範」があるかないかであると、この本は書いている。
規範とは「あれをしろ」「これをするな」という命令である。
そしてそれは、外面的行動に限られる。

イスラム教は、規範がある。
つまりイスラム教信者としての行動(礼拝、断食など)がなされなければ、それはもう信者ではない。

それとは反対に、キリスト教は無規範である。
外面的行動は一切問われない。
「神を信じます」と言えばそれでよい。

仏教(日本教)も無規範であるらしい。
(だからこそ、日本にはキリスト教信者はいるが、イスラム教信者はほとんどいない)

そのような宗教的な違いを中心に、イスラム世界について書いている。
今回のアメリカとイスラムの闘いも「文明の衝突」ではなく、「一神教同士の衝突」ととらえている。

小室氏は書いている。
「日本人ほど宗教がわからない国民はいない」
それを前提に書いているので、イスラム世界について無知な人間にとってわかりやすい本であった。


それにしても「聖書」というものは、ものすごいものだと最近思う。
キリスト教もユダヤ教もイスラム教も、もとは同じ所から出ているのだから。
ちなみに、ジョージ秋山の『聖書』はおすすめである。

おすすめ度★★★☆☆





『サムライカアサン』

2007-07-10 | Weblog
『サムライカアサン』①~③
板羽皆(集英社)

実に2か月ぶりの書き込みである。
本を読んでいなかったわけではないが、
忙しさにかまけてすっかり遠ざかっていた。

そんな中お気に入りの本に出会った。
この『サムライカアサン』である。

何冊か友達に借りた本の中の1冊だったのだが、
タイトルといい表紙の絵といい、全く自分の好みではなかった。
(表紙を見て、へんなギャクマンガだと思っていた)

しかし、その思い込みは見事に打ち砕かれた。
本を読みながらげらげら笑ったり、泣いたりなんてことは
かなり久しぶりのことだった。
かなり笑ってかなり泣いた。

内容は、1人息子(高校生)とその母親の話が中心なのだが、
その母親が人情味あふれた大阪のおばちゃんなのである。
(和歌山かも・・・と思ったりもするが)

「おばちゃんはなあ、熱くてクサいのが大好きや」
と豪語する「サムライカアサン」は、本当にいいキャラクターである。

その2人を中心に、友達や彼女やお父さんや近所の人がおりなす
日常のドラマを描いたマンガ。
下町人情ストーリーと言ってしまえばそれまでだが、
それでもこれはおすすめである。

(おすすめ度★★★★★)