灼熱の大地より・・インド「スラムより」

2009年03月12日 03時54分57秒 | 海外、中国。韓国がらみ記事
☆通信

インド支部・M支部長より

『チャリティへのご協力に、心より感謝申し上げます。

先日、オーランガバードから「共和国記念日」に沸き立つデリーに戻り、再度スラムを訪れて、現地のリーダーの方々とチャリティの打ち合わせをしてきました。

ここに住む人々の多くは、インドの地方の出身者です。
カーストによる差別がいまだに根強い田舎ではまともな仕事に就けず、デリーに出てきた人たちですが、ここでもなかなか職には就けません。
「アウトカースト(不可触民)の自分たちを誰も雇ってくれないのだ」と言います。
ごく一部の人は政府系の事務所の使用人などをしていますが、大部分はゴミ溜めから鉄くずを拾い集めたり、物乞いをしたりしてわずかな収入を得ています。

長老格の男性は、半年前、自分を侮辱した上司を殴って掃除夫の仕事をクビになり、以来、職がないと言っていました。
若い頃に二人の男を殺し、長く刑務所のお世話になっていたそうです。
「どんな理由で?」と尋ねると、「そりゃ理由なく人を殺したりなんかしないさ。でも自分のしたことは、今も後悔はしていない」とのことでした。

また、たいへん悲しいことですが、子供を養うために売春をしている若い母親も少なくないと聞きました。
スラムのすぐそばにトラック運転手のたまり場のようなところがあり、連なるトラックが夜は売春宿と化すそうです。
そうした事情からAIDSに感染する人も少なくなく、信者のMさんはそうしたHIV+の子供たちを支援するNGOの一員としてこのスラムに長く関わっています。

スラムに隣接してヒンズー教のアシュラムが建っていますが、ここの住人はもちろん一歩たりとも入れません。「聖域が穢れる」という理由からです。
「政治家は選挙の前だけここに来て、子供を抱き上げて頬ずりし、写真を撮り、環境の改善を約束して何千かの票を集め、選挙が終わると二度と訪ねて来ない」と、先ほどの長老は憤慨して言いました。
「だからもう、皆、人を信じる気持ちを失くしているのだ」と。

けれども、そんな環境の中でも子供たちは、元気に駆け回っています。
もっとも生まれたときからこのスラムしか知らないわけですから、それをつらいと感じることもないのかも知れません。

今回は皆さんの御支援のもとに、衣類のチャリティを行わせていただきますが、次には飲用水の浄化システムの提供を考えています。水道事情が悪く汚水を飲まざるを得ないため、嘔吐や下痢などの被害が絶えないそうです。
しかし、最終的に必要なのは、仏法真理に根ざした教育です。
スラムにハッピーサイエンスのカウンセリング・ルームを開き、霊的人生観に則って人々の悩みに応え、人生の目的と使命を伝えていくことがMさんの夢です。

「誰かが面倒を見てやらねば、彼らは変われないのだ」という言葉が、ずっしりと重く心に残りました。』

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