全てに納得のいく人生ならば
どれだけ素晴らしいだろうかと考えていた。
もしも、そんなものが現実世界にあるのだとしたら
『後悔』という言葉は死語になっているに違いない。
だけど今も尚、いやむしろ今の世の中の方が
後悔という言葉は溢れていて
それはどういう事を物語るかと考えれば
この世に後悔という言葉が消える事はないという事で、
つまり全てに納得・合点の行く人生など、限りなく0に近いという事だろう。
志半ばで倒れる、または夢破れる、
そういう人も星の数ほどいる。
その瞬間を迎えた時、駄々をこねてみてもどうにもならない。
納得がいかない、もっと謳歌したい、まだ夢を見ていたい
そういう願望や欲望、煩悩やワガママを、絶対的な『結末』は待ってくれない。
その連続が、人生なのかも知れない。
なんと酷なものだろう。
希望は突然にして絶望に変わり、
夢は過去に色褪せる。
だけど、だからこそ、人は生きていける。
終わりがあるから、そこに向かう準備をすべきなんだろう。
不測の結末が、ある日突然襲い掛かってきても
『memento mori』、いつかその日が訪れるという事を忘れるな、と。
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