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Miho Museum/春の女神

2009年03月24日 | エッセイ
前回はこっちで編集したビデオで簡単に見回りましたが、各展示室は行かないと見れませんね。で、今日はMiho Museumの特別室であるエジブトギャラリーからなんとなくお話しをしたいと思います。で、その前にこの美術舘についてお話しますが、滋賀県甲賀市にあるのです。既に行ったことがある人は分かると思いますが、たどり着くまで大変な場所にあり、所謂隠れ里的な気分になりますね。石山寺の駅近くからバスが出ていますから、遠足気分で行っても良いですからね。

で、美術舘ですが、博物館とはやはり少し違います。それは博物館というのは、考古学的な役割の方が強いと思うのです。だから、あまり美しくないものでも置いてある訳です。ところが、美術舘というのですから、美しくないとやはりイカンのですね。そこで、Mihoのエジプトギャラリーには大変な女神様がいらっしゃって、非常に美しいのです。お名前はアルシノエ2世と言います。。私は思いますが、これを見たら誰しも美しいと感じるに違いありません。

では、どうしてそんなに美しいかと言いますと、女性の美しさが表現されているのです。それはアルシノエ2世のお顔を見れば分かりますが、マスク・・仮面的なんです。つまり、生きた人間の顔ではなく、死んだ人間の顔なのです。やはり死人の顔を元にこの石彫は作られているのです。つまり、アルシノエ2世の死後に作られたのです。しかも、それが立像ですからね。

これは先日アカデミー賞をとった映画「おくりびと」を観た人は分かると思いますが、無惨にも死後硬直した死人の顔にお化粧するシーンがありましたね。納棺師が遺族に聞きますね。。「口紅を持ってきて下さい。」と。。。。で、その口紅をさした死人のお顔が、生前よりも美しかったというのですから、それで残された家族は涙して癒されるのです。

で、エジプトでは死後において神格化されるというのがあった訳ですね。アルシノエ2世は大変愛された王妃でしたから、王様は自分より先に逝かれて大変悲しかったかもしれませんが、これによって癒される訳です。お体はさらに大変美しいのです。磨きがかかってます。石ですから。。つまり、死体の美・・・・否、神格化された美の一つの極致でしょうね。ですから結局、エジブト神イシスに繋がる訳です。

すると、昔のエジプト人は永遠の美しさをむしろ死後に求めたのではないでしょうかね。現代人とはかなり違う訳です。

今回はこれ位です。それではまた。


※先日、MIHOMUSEUMの春季特別展「ユーラシアの風 新羅へ」がNHK教育TVで放送の「新日曜美術館・アートシーン」内にて、紹介されました。MIHOを知る機会が増えますね~。





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