おはようございます。北九州市若松区の山本呉服店の山本健策です。
おかげさまで、2月末で無事に決算を迎える事が出来ました。
呉服市場の急激な減少や、若松区東部の人口減少など経営環境は厳しくなっておりますが、
これからも、「三方良し」の精神で頑張っていこうと思います。
今回は、私の呉服に対する気持ちを書いてみます。。。長文になりごめんなさい。
着物は、日本の民族衣装であり、世界でも類を見ない芸術作品でもあります。
その伝統を受け継ぐ職人さん達も高齢化が進み、後継者不足による廃業・事業継続が困難になる、など伝統産業を守る事が難しい状態ではあります。
今の、日本の生活は技術革新により便利で、効率的な住環境が整い無駄な事が全てにおいて淘汰されているように思います。
しかし、伝統とは一見、無駄な事と思われる事を行い続ける事、そして生き続け、時代に適合しながらも守り抜く事が伝統だと思います。
呉服は、そのような意味では完全に伝統産業だと思うのです。着物が一枚も無くても生活に何ら困る事は無いし、着物があれば、場所をとって部屋が狭くなって困る。という声も聞きます。しかし、このまま国民のみなさんが着物を着る事が無くなれば当然、日本から呉服は無くなります。民族衣装といわれる物が無くなってしまいます。
確かに、無駄なスペースが無くなり便利にはなるかと思います。しかし、お宮参りも、七五三も、成人式も結婚式も、みんな洋服になってしまいます。もちろん、お茶や踊り、歌舞伎なども無くなってしまうでしょう。
そのような光景を考えてみると、ちょっと淋しく日本らしさが無く無機的な感じがします。
やはり、日本の美の一つである、呉服を残す為にも、少しでも皆さんに着物と触れて頂き、無駄の良さと着物の良さを感じて頂けるお店になれるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
そして、もう一度、職人さんになりたいと思う後継者が出来る着物業界になればと思います。
せめて、宮参りや七五三・結婚式・入学卒業式などのハレの日は、着物を着てただけるようになればと思います。