出かける前から、鉤次郎(黒猫)の様子がおかしいことは気づいていた。
病院から帰ったらすぐに獣医に行くつもりだった。
「行ってきます。」わたしの呼びかけに
いつものように瞬きで答えてくれたのに・・・。
帰宅すると鉤次郎の様子は明らかに悪化していた。
じっとうずくまったまま動こうとしない。
呼びかけにも反応しない!
獣医に走る。
検査を受けて輸液。
「肝臓の数値以外、異常はない・・・。
何か毒物を摂取しないとこういう状態にはならない筈なんですが。
人間の風邪薬の中に猫にとっては猛毒となるものがあるんですが
薬を出しっぱなしにしたようなことはありませんか?」
しかし、心当たりは全く無い。
もし、そんなものが家の中にあったら仔猫の足袋が
真っ先に犠牲になっている筈だもの。
「何かあったら電話を下さい。
いつでも出られるように待機していますから。」
獣医は鎮痛な面持ちでそう言った。
充分な保温を指示されただけで帰宅する。
横浜の学生寮に暮らす息子に電話をかける。
鉤次郎はもともと息子の猫だった。
鉤次郎が危篤であることを伝える。
「明日、朝一でそっちに帰るよ。」
電話を切って1時間。
息子の帰りを待たず鉤次郎は逝ってしまった。
わたしの腕の中で静かに逝ってしまった。
あんまりにも突然だったので呆然としていた。
朝、獣医に連れていっていれば、あるいは助かったのかも知れない。
そう思うとやりきれない。
「真理さんの悪いところを鉤が持って逝ってくれたんだよ。
鉤はお利口さんだったから。」
みんなはそう言ってくれるけれど・・・余計に悲しみが増す。
翌朝、斉くん、帰宅した息子と3人で三島にあるペットの火葬場まで向かった。
準備の出来る間、箱の中の鉤次郎を黙って撫で続ける息子を見てると
涙が出そうになった。
自分のことでいっぱいいっぱいだった・・・。
心の中で謝り続ける。
ごめんね、カギ・・・。
原因が分からないまま、猫を死なせてしまった自責の念と
病院での出来事が頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合って
辛かった。
病院から帰ったらすぐに獣医に行くつもりだった。
「行ってきます。」わたしの呼びかけに
いつものように瞬きで答えてくれたのに・・・。
帰宅すると鉤次郎の様子は明らかに悪化していた。
じっとうずくまったまま動こうとしない。
呼びかけにも反応しない!
獣医に走る。
検査を受けて輸液。
「肝臓の数値以外、異常はない・・・。
何か毒物を摂取しないとこういう状態にはならない筈なんですが。
人間の風邪薬の中に猫にとっては猛毒となるものがあるんですが
薬を出しっぱなしにしたようなことはありませんか?」
しかし、心当たりは全く無い。
もし、そんなものが家の中にあったら仔猫の足袋が
真っ先に犠牲になっている筈だもの。
「何かあったら電話を下さい。
いつでも出られるように待機していますから。」
獣医は鎮痛な面持ちでそう言った。
充分な保温を指示されただけで帰宅する。
横浜の学生寮に暮らす息子に電話をかける。
鉤次郎はもともと息子の猫だった。
鉤次郎が危篤であることを伝える。
「明日、朝一でそっちに帰るよ。」
電話を切って1時間。
息子の帰りを待たず鉤次郎は逝ってしまった。
わたしの腕の中で静かに逝ってしまった。
あんまりにも突然だったので呆然としていた。
朝、獣医に連れていっていれば、あるいは助かったのかも知れない。
そう思うとやりきれない。
「真理さんの悪いところを鉤が持って逝ってくれたんだよ。
鉤はお利口さんだったから。」
みんなはそう言ってくれるけれど・・・余計に悲しみが増す。
翌朝、斉くん、帰宅した息子と3人で三島にあるペットの火葬場まで向かった。
準備の出来る間、箱の中の鉤次郎を黙って撫で続ける息子を見てると
涙が出そうになった。
自分のことでいっぱいいっぱいだった・・・。
心の中で謝り続ける。
ごめんね、カギ・・・。
原因が分からないまま、猫を死なせてしまった自責の念と
病院での出来事が頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合って
辛かった。