私の小説に関する春夏秋冬 36
若さとは反抗のことである
ここでまた小説の書かれた私の時代に戻るとしよう。当時の私は、当然まだ独身であり、横浜に住んでいて、東京の会社に通っていた。新人の時代を通り過ぎ、少しは仕事にも慣れた、まあこんなもんかな、という人生の時を生きていた。まあこんなもんかな、がどういうものかはその時代を通過した人たちにはお分かりのはずだ。学校であろうが会社であろうが新人の時代は肩に力が入り、見るもの聞くもの緊張してなおかつ新鮮しかも刺激的、職業生活でいえばもしかしたら俺はそこそこの人間なのでは、もしかしたらこの学校であるいは会社でそれなりの地位に上れるのでは、と考えている頃。だがそれから数年が経ち、社会の出来方、会社の出来方が少しわかってくると、新人時代に考えていたことがすべてそのようには行かず、社会や会社の上層へは行けそうにもないという諦念が生まれる、社会とはそのように出来ているものなのだとわかって来たころだ。仕事に身が入らず、かと言ってしないと決めるにはまだ覚悟がない、そうなると足がむくのは酒場、賭場、女偏、ということになる。酒場と行っても私のような小心者は繁華街のハズレの居酒屋程度、賭場は競輪で、女偏は風俗街のちょっと怪しげなクラブ、ということになる。つまらない、もうちょっとなにか刺激的なものがほしい。これはある意味人生の危機だろう。マクドナルドで偶然知り合った市民教養講座の担当者と英会話講師はまさにその欠けたジグソーのピースだったわけだ。なにも英会話がしたいわけではない。毎日毎日の同じことの繰り返しから、大きく外れるのは怖いが、ちょっと外れるのはそれほど悪いことではないのではないか。会社と得意先という仕事中心の人間関係ではあまりに当たり前で刺激がない。刺激とは、新しい人間関係の輪の中に入ること、それすなわち会社人間関係への反抗だ。反抗心とは刺激そのものだと言える。
私の小説をお買い求めいただきありがとうございます。
順次作品数を増やしていく所存です。
私が書く小説はエンタテインメントです。面白さが主眼です。しかし書くためには内容が必要ですし、内容には必ずテーマがついて回ります。私の小説の主要なテーマは、敢えて言うなら愛と性、この社会での生きづらさ、でしょうか。愛とは人の生における至福、性とは人が一個の生物であることの証明、生きづらさとは至福と証明の両方を手にしなければならない業のようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交接の証としてであり、扇情や興奮を意味しません。人間はこの地球上における一生物、その限りにおいて愛と性は避けて通れない関門なのです。けっして道徳性や倫理性あるいは社会的慣習などのフィルターを通して見るものではありません。そんな社会的生物である人間を、私は書いているつもりです。
私の本棚
「夜を跳べ」
ー戦後二十年は街も人もまだまだ戦後を引きずっている時代
過去を捨てなければ前へは進めないのに、どうしても捨てられない過去があったー
https://www.amazon.co.jp/dp/B097R5R5HH/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%A4%9C%E3%82%92%E8%B7%B3%E3%81%B9&qid=1624513181&s=digital-text&sr=1-1
「本牧心中」
ー皆さんはご記憶だろうか、かつて「荒れた中学」と言われた時代があったのを、
そしてそこで繰り広げられた悲しくも美しい愛と死の物語をー
http://www.amazon.co.jp/dp/B015VVSN42
「蹲る闇」
ー日常に潜む非日常、
不連続世界をめぐる四つの中編小説ー
http://www.amazon.co.jp/%E8%B9%B2%E3%82%8B%E9%97%87-%E7%9C%9F%E6%99%B
4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00HBYEU2C
「月と星」
ー絹の街が紬出す愛と憎しみのサスペンスー
母が着た紅色結城は六道の迷い道
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F-%E7%9C%9F%E6%99%B4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00J62YTW8/ref=sr_1_1?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1395619351&sr=1-1&keywords=%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F
「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
僕の暮らした街を爽やかに駆け抜けた
女子大生探偵がいたー
http://www.amazon.co.jp/時は魔術師-真晴猴彦-ebook/dp/B00N8A9WIK/ref=sr_1_12?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1409700806&sr=1-12
若さとは反抗のことである
ここでまた小説の書かれた私の時代に戻るとしよう。当時の私は、当然まだ独身であり、横浜に住んでいて、東京の会社に通っていた。新人の時代を通り過ぎ、少しは仕事にも慣れた、まあこんなもんかな、という人生の時を生きていた。まあこんなもんかな、がどういうものかはその時代を通過した人たちにはお分かりのはずだ。学校であろうが会社であろうが新人の時代は肩に力が入り、見るもの聞くもの緊張してなおかつ新鮮しかも刺激的、職業生活でいえばもしかしたら俺はそこそこの人間なのでは、もしかしたらこの学校であるいは会社でそれなりの地位に上れるのでは、と考えている頃。だがそれから数年が経ち、社会の出来方、会社の出来方が少しわかってくると、新人時代に考えていたことがすべてそのようには行かず、社会や会社の上層へは行けそうにもないという諦念が生まれる、社会とはそのように出来ているものなのだとわかって来たころだ。仕事に身が入らず、かと言ってしないと決めるにはまだ覚悟がない、そうなると足がむくのは酒場、賭場、女偏、ということになる。酒場と行っても私のような小心者は繁華街のハズレの居酒屋程度、賭場は競輪で、女偏は風俗街のちょっと怪しげなクラブ、ということになる。つまらない、もうちょっとなにか刺激的なものがほしい。これはある意味人生の危機だろう。マクドナルドで偶然知り合った市民教養講座の担当者と英会話講師はまさにその欠けたジグソーのピースだったわけだ。なにも英会話がしたいわけではない。毎日毎日の同じことの繰り返しから、大きく外れるのは怖いが、ちょっと外れるのはそれほど悪いことではないのではないか。会社と得意先という仕事中心の人間関係ではあまりに当たり前で刺激がない。刺激とは、新しい人間関係の輪の中に入ること、それすなわち会社人間関係への反抗だ。反抗心とは刺激そのものだと言える。
私の小説をお買い求めいただきありがとうございます。
順次作品数を増やしていく所存です。
私が書く小説はエンタテインメントです。面白さが主眼です。しかし書くためには内容が必要ですし、内容には必ずテーマがついて回ります。私の小説の主要なテーマは、敢えて言うなら愛と性、この社会での生きづらさ、でしょうか。愛とは人の生における至福、性とは人が一個の生物であることの証明、生きづらさとは至福と証明の両方を手にしなければならない業のようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交接の証としてであり、扇情や興奮を意味しません。人間はこの地球上における一生物、その限りにおいて愛と性は避けて通れない関門なのです。けっして道徳性や倫理性あるいは社会的慣習などのフィルターを通して見るものではありません。そんな社会的生物である人間を、私は書いているつもりです。
私の本棚
「夜を跳べ」
ー戦後二十年は街も人もまだまだ戦後を引きずっている時代
過去を捨てなければ前へは進めないのに、どうしても捨てられない過去があったー
https://www.amazon.co.jp/dp/B097R5R5HH/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%A4%9C%E3%82%92%E8%B7%B3%E3%81%B9&qid=1624513181&s=digital-text&sr=1-1
「本牧心中」
ー皆さんはご記憶だろうか、かつて「荒れた中学」と言われた時代があったのを、
そしてそこで繰り広げられた悲しくも美しい愛と死の物語をー
http://www.amazon.co.jp/dp/B015VVSN42
「蹲る闇」
ー日常に潜む非日常、
不連続世界をめぐる四つの中編小説ー
http://www.amazon.co.jp/%E8%B9%B2%E3%82%8B%E9%97%87-%E7%9C%9F%E6%99%B
4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00HBYEU2C
「月と星」
ー絹の街が紬出す愛と憎しみのサスペンスー
母が着た紅色結城は六道の迷い道
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F-%E7%9C%9F%E6%99%B4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00J62YTW8/ref=sr_1_1?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1395619351&sr=1-1&keywords=%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F
「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
僕の暮らした街を爽やかに駆け抜けた
女子大生探偵がいたー
http://www.amazon.co.jp/時は魔術師-真晴猴彦-ebook/dp/B00N8A9WIK/ref=sr_1_12?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1409700806&sr=1-12