真晴猿彦のブログ

記憶している過去は本当の過去じゃない。では私が記憶している過去は一体なに?何故そんな記憶を?過去探しの旅が始まる。

昭和30年前後は私の子供時代

2021-07-28 08:57:11 | 私の小説に関する春夏秋冬
私‌の‌小‌説‌に‌関‌す‌る‌春‌夏‌秋‌冬‌ ‌14



昭和30年前後は私の子供時代




 小説「夜を跳べ」の時代の、やくざ者と一般の堅気の人たちの距離がいかに近かったのかという話をもう一つしましょう。それは私の小学校時代の同級生のはなしです。クラスで私の悪口ばかり言ってる女の子がいました。私が商店街の通りを通りかかるといつも、二階の窓から大きな声で悪口を言うのです。私がそのことを母親に言うと、あの人のお父さんはねえ、と言ってその子の父親ともう一人の同級生の父親の名を上げて、戦後のある時期はイイアンチャンー要するにやくざ者の片割れあるいは今の言葉でいえば構成員かもしくは準構成員ーだったのよ、といって同級生二人の父親がかつてはやくざ者とだったと言ったのです。あの特に変わったところのない普通のオジさん二人が若いときはやくざだったとは、でもそう聞かされた私はその事実に特別驚いたわけではありません。なぜなら、私が住んでいたに何人もやくざ者がいたことと、近所の銭湯に行けば必ず入れ墨者が何人も来ており、その彼らが私の父親と友達付き合いをしていたからです。今現在は公共の風呂屋に入れ墨者がいることはほとんどありませんが、この当時は全身クリカラモンモンがいることはごく普通の光景だったわけです。さて、私の母親のことに話を戻しますと、若かった私の母親と若かった彼らアンチャン達は一緒に芋の買い出しなどに行っていたようで母親は、重たい芋の袋を持ってくれたりして助かったわ、などと言ってました。当時は町の人たち全員が貧乏人の時代、今でもそうかもしれませんが、失うものがないとなるとやくざ者と堅気の衆との境目も低くなるようです。








 私の小説をお買い求めいただきありがとうございます。
 順次作品数を増やしていく所存です。

 私が書く小説はエンタテインメントです。面白さが主眼です。しかし書くためには内容が必要ですし、内容には必ずテーマがついて回ります。私の小説の主要なテーマは、敢えて言うなら愛と性、この社会での生きづらさ、でしょうか。愛とは人の生における至福、性とは人が一個の生物であることの証明、生きづらさとは至福と証明の両方を手にしなければならない業のようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交接の証としてであり、扇情や興奮を意味しません。人間はこの地球上における一生物、その限りにおいて愛と性は避けて通れない関門なのです。けっして道徳性や倫理性あるいは社会的慣習などのフィルターを通して見るものではありません。そんな社会的生物である人間を、私は書いているつもりです。


私の本棚



「夜を跳べ」
ー戦後二十年は街も人もまだまだ戦後を引きずっている時代
 過去を捨てなければ前へは進めないのに、どうしても捨てられない過去があったー
https://www.amazon.co.jp/dp/B097R5R5HH/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E5%A4%9C%E3%82%92%E8%B7%B3%E3%81%B9&qid=1624513181&s=digital-text&sr=1-1


「本牧心中」
ー皆さんはご記憶だろうか、かつて「荒れた中学」と言われた時代があったのを、
 そしてそこで繰り広げられた悲しくも美しい愛と死の物語をー
http://www.amazon.co.jp/dp/B015VVSN42


「蹲る闇」
ー日常に潜む非日常、
 不連続世界をめぐる四つの中編小説ー
http://www.amazon.co.jp/%E8%B9%B2%E3%82%8B%E9%97%87-%E7%9C%9F%E6%99%B
4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00HBYEU2C



「月と星」
ー絹の街が紬出す愛と憎しみのサスペンスー
母が着た紅色結城は六道の迷い道
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F-%E7%9C%9F%E6%99%B4%E7%8C%B4%E5%BD%A6-ebook/dp/B00J62YTW8/ref=sr_1_1?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1395619351&sr=1-1&keywords=%E6%9C%88%E3%81%A8%E6%98%9F


「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
    僕の暮らした街を爽やかに駆け抜けた
               女子大生探偵がいたー
http://www.amazon.co.jp/時は魔術師-真晴猴彦-ebook/dp/B00N8A9WIK/ref=sr_1_12?s=digital-text&ie=UTF8&qid=1409700806&sr=1-12
















小説「夜を跳べ」についてのその3

2021-07-21 10:43:40 | 私の小説に関する春夏秋冬
私‌の‌小‌説‌に‌関‌す‌る‌春‌夏‌秋‌冬‌ ‌13




小説「夜を跳べ」についてのその3




 私が住んでいたとここでは書きましたが、それは行政上の集落ではありません。別の言い方をすればただの町の一角、他の地域とはちょっと毛色の違う町の一角、と捉えてもらった方がいいかもしれません。その町の一角の特徴に、それが意味があったのかどうかは分かりませんが、私の家から3分もかからずに行けるところに米軍の基地があったことです。噂によると弾薬とか薬品類が保管されているところだそうですが、ある一時は核兵器が貯蔵されているんじゃないかとで話題になったこともあります。米軍基地、ではなく当時は進駐軍と言ったほうがいいのかもしれませんが、そう言った施設にくっついてくるものとして、女、混血児、闇物資、がありますが、当時子供の私でもそういったものがの周囲にあることは、当然として感じておりました。闇物資として有名なものはドル紙幣と麻薬。当時としてはこれは私が住んでいたに特徴的なものではないと思いますが、我が国家機関のノンキャリアの公務員が山積する仕事をこなすため夜も寝ないで仕事をし、そのためにヒロポンを打ち続け、ついには中毒になってしまったということがありました。当時ヒロポンはもうご禁制になっていたのですが、私はその人が何度も救急車で運ばれるところを見ています。救急車で運ばれて行っては、その日のうちに家に帰って来て、翌日また運ばれるといった具合です。というようなその辺の時代風景を小説「夜を跳べ」に書き込もうとしたのですが、果たしてうまくいったかどうか、ですね。









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 私が書く小説はエンタテインメントです。面白さが主眼です。しかし書くためには内容が必
要ですし、内容には必ずテーマがついて回ります。私の小説の主要なテーマは、敢えて言うな
ら愛と性、この社会での生きづらさ、でしょうか。愛とは人の生における至福、性とは人が一
個の生物であることの証明、生きづらさとは至福と証明の両方を手にしなければならない業の
ようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交
接の証としてであり、扇情や興奮を意味しません。人間はこの地球上における一生物、その限
りにおいて愛と性は避けて通れない関門なのです。けっして道徳性や倫理性あるいは社会的慣
習などのフィルターを通して見るものではありません。そんな社会的生物である人間を、私は
書いているつもりです。


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「夜を跳べ」
ー戦後二十年は街も人もまだまだ戦後を引きずっている時代
 過去を捨てなければ前へは進めないのに、どうしても捨てられない過去があったー
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「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
    僕の暮らした街を爽やかに駆け抜けた
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小説「夜を跳べ」についてのその2

2021-07-15 09:18:15 | 私の小説に関する春夏秋冬
私‌の‌小‌説‌に‌関‌す‌る‌春‌夏‌秋‌冬‌ ‌12




小説「夜を跳べ」についてのその2



私は戦後生まれですので戦争中のことは知りませんし、戦後と言っても生まれたばかりでは周囲の社会状況は分かりません。言葉が話せるようになり、周囲の友達と遊ぶようになったのは戦後の食糧難の時代を通り抜けたあたり。したがって食糧難時代の親の苦労も知りません。母親から芋の買い出しの話をよく聞かされましたが、もちろん私自身が買い出しに行ったことはありません。しかし、その話の中で印象的だったのは、その印象は小説の中にも取り入れているのですが、一般の堅気の人間たちとやくざ者たちとの距離の近さです。貧民街がやくざの構成員の供給元とよく言われますが、戦後の貧乏だった時代、私が物心ついたのもその時代でしたが、私の住んでいたにやくざ者がたくさんいたのも多分その貧乏が原因だったのではないかと思っています。その頃に比べれば現在の町ではほとんどやくざ者を見ることがなくなり、ずいぶん住みやすくなったのだと、警察の方々の努力には頭が下がる思いです。さてその一般人とやくざ者の距離に近さのことですが、そのことについては次回に、ということにいたしましょう。







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個の生物であることの証明、生きづらさとは至福と証明の両方を手にしなければならない業の
ようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交
接の証としてであり、扇情や興奮を意味しません。人間はこの地球上における一生物、その限
りにおいて愛と性は避けて通れない関門なのです。けっして道徳性や倫理性あるいは社会的慣
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「月と星」
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「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
    僕の暮らした街を爽やかに駆け抜けた
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小説「夜を跳べ」についてのその1

2021-07-03 12:10:09 | 私の小説に関する春夏秋冬
私‌の‌小‌説‌に‌関‌す‌る‌春‌夏‌秋‌冬‌ ‌11



小説「夜を跳べ」についてのその1



何といってもこの小説の時間が昭和四十年前後だということです。西暦に直すと1965年前後。今現在が2020年代前半ですからずいぶん昔のことになります。半分歴史と言ってもいい。だが私はその時代に思春期と青年前期を過ごしたわけですから、まだ歴史にはなっていないかも知れません。歴史になっている、あるいはまだなっていない、はどうやって判定したらいいのでしょう。その一つのカギは、その時代を文献によってしか確認できないかどうかではないでしょうか。何故なら、すでに歴史になりかかっている時代を実際にこの目で見てこの鼻で嗅いでこの耳で聞いたものは、文献によって確かめられるようなものとは質的に異なるからです。要するに、実際に体験したものは歴史ではありえない、ということです。生きている人間の記憶は日々作り変えられているので、体験を語ったところでそれは歴史のようにその時代を表現したものにはなりえない、ということでもあります。あの当時の三軒茶屋の田舎ぶりとそこで蠢くあまり氏素性のよろしくない今でいう不良青年たち。そんな彼らの行状が、私の目を通して歴史になることなどないわけです。そしてさらにもう一世代前の、この小説に出てくる主人公たちの親の世代、もうすでにほとんどの人が鬼籍に入っているわけですから文献によってしか存在しない彼ら彼女ら、それは確かに歴史なのですが、私の目を通した彼ら彼女らは歴史などではないということです。










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ようなもの。私は小説の中で愛と性を表現しますが、それはあくまでも生物における交流と交
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「本牧心中」
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「蹲る闇」
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「月と星」
ー絹の街が紬出す愛と憎しみのサスペンスー
母が着た紅色結城は六道の迷い道
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「時は魔術師」
ーあの暗い戦争の直前
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