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「 OKINAWAN BASEBALL STADIUM 」 復活へのプロローグ

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の結果.3

2004-10-31 23:20:24 | 九州高校野球
沖尚、長崎南山をコールドで下しベスト4へ!


第115回九州地区高校野球大会は本日準々決勝4試合が行われ、沖縄県代表の沖縄尚学は長崎1位の長崎南山を12対1の7回コールドで下し、準決勝へ進みました。


日刊スポーツ九州での速報結果


今日も試合結果は日刊スポーツ九州の速報で知りました。やはり地元のチームが快勝するのは嬉しいものです。

さて今日の試合、尚学の先発はサウスポーの赤嶺投手でした。小柄で球威はありませんが制球力が良く、今の沖尚投手陣の中では最も安定してるいると思います。オーバースローから投げたりサイドから投げたり、まるで人を食ったようなピッチングをするのも彼の持ち味です。結果は7回1失点でしたが、現地で見てた方々は非常に安心して見ていられたのではないでしょうか?
今日はトップの山内遊撃手に本塁打も飛び出し、今大会当たっている彼の打撃はチームのムードを良くしていると思います。しかし打線は水物といいますから、今日の結果に奢ることなく堅い守りでゲームを引き締めるいつもの沖尚野球で準決勝も臨んで欲しいと思います。

次は明後日の第一試合、福岡1位の戸畑高校が相手です。ベスト4に残ったとは言え、まだまだ安心できません。ある意味準決勝の試合内容が最も重要だと言えるかもしれません。
最後まで気を抜かず、是非センバツ出場を決めて欲しいと思います。


neogaia

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の結果.2

2004-10-31 23:12:32 | 九州高校野球
琉球新報紙面における昨日の試合の前嵩(沖尚)・山内(沖水)両投手に関する記事を見た、個人的感想。


琉球新報サイト


◇前嵩雄貴投手(沖尚)

芽生えたエースの自覚 
堂々とした投球、連打許さず
 

 エースとしての自覚が芽生えたことをはっきりと感じさせる堂々とした投球だった。沖尚の前嵩雄貴が県秋季大会からはじめての完投で、宮崎1位校を無失点に抑える力投を見せた。
 宮崎学園の先発・野上裕貴が130㌔前後の速球をコンスタントに投げる一方、前嵩はMAX126㌔、平均117㌔。速さはないが、スライダーと直球を駆使し丁寧にコースを突いた投球は連打を許さなかった。
 投手として一皮むけたのは角田監督の的確なアドバイスと本人の努力があったからだ。県大会後、前嵩はフォームを変え、バッティングピッチャーとして、投球練習を繰り返した。投げる方向に足を何歩か踏み出すことで重心の移動を安定させ、狙い通りの場所にボールを運べるようになった。
 角田監督から「投手力には不安が残る」と言われ続けてきたエースが「県大会に比べてレベルアップしたと思う」と、大きな自信もつけた。猛打の沖尚が投手力という”金棒”も備え、春の選抜大会選考の目安となる4強入りを目指す。(宮城久)
[琉球新報、10/31朝刊紙面より]



県大会での前嵩投手を見た立場からすれば信じ難いような宮崎学園戦での同投手の投球内容でしたが、この的確な記事を読んで納得させられました。
同投手の努力もさることながら、角田監督の指導力には唸ります。投手の生命線はやはり制球力です。丁寧にコースをつけるコントロールがあれば、前嵩投手のようにさほど球威のない投手でも、宮崎学園の強打線を封じる事が出来るのです。「ちょっとしたアドバイスで重心の移動を改善させ、短期間で制球を安定させる」、そういう理にかなった指導のできる指導者が沖縄県内に他にいるでしょうか?さすがは角田監督というべきでしょう。沖尚の監督に就いて1年ちょっとで全国レベルのチームに育て上げた力量は、過去の実績が本物だという事を証明しています。
秋季県大会を見て、今年の沖尚にはこれまでの沖縄チームには見られない洗練された雰囲気を感じました。プレーの一つ々々に隙がありません。沖縄にも優秀な指導者はたくさんいます。浦添商・神谷監督や宜野座・奥浜監督など、本当に研究熱心で沖縄高校野球界全体の底上げに尽力しています。しかし、いかんせん全国レベルで頂点を狙えるようなチーム作りができているかというと、まだまだ及ばない所があると思います。角田監督は、そういうこれまでの状況に大きな一石を投じると思います。同監督のチーム作りは、今後沖縄高校野球の更なるレベルアップに間違いなく貢献するでしょう。
今朝の琉球新報朝刊紙面を読んで、ささいな事ではありますが、これまで同監督に期待してた気持ちが確信みたいなものに変わりました。


◇山内晴貴投手(沖水)

焦りの投球が失策暴投生む
山内、来年に雪辱誓う


 マウンドに立つ沖水のエース山内晴貴の表情はこわばっていた。県秋季大会優勝の原動力になった切れのあるカーブ、伸びのある直球がこの日はかげりを見せていた。「継投は出来ない。山内が崩れればそれまで」。大会前、そう話していた栽弘義監督の言葉通り、1枚看板の不調とともに5失策と守備も乱れ、6点という大差で力尽きた。
 「丁寧に投げて、直球で勝負しようと思ったが、すべて高めに集まった」。うなだれる山内だが、不調の理由はわからない。「試合前の調子は普通。二回までは緊張したけど、その後は大丈夫だったし」。投球の定まらない焦りから犠打の処理での失策や暴投も生まれた。
 0-4で迎えた二回には無死満塁から山内自身の二塁打で3点を返す。「投球が悪い分、打撃で何とか取り戻したかった」。しかし山内の踏ん張りも、打線に火を付けることはできなかった。
 必死でチームを支えた主将でもある山内は「2番手、3番手の投手が育って欲しい」と話しながらも「この悔しさは来年夏にぶつけたい」とエースとしての雪辱を誓い、球場を後にした。(宮城久)
[琉球新報、10/31朝刊紙面より]



「不調の理由がわからない」、この言葉が現在の沖水の全てを物語っているような気がします。栽監督には失礼ですが、沖縄水産の指導力の限界を見たような気がしました。上記、沖尚への感想でも述べたように投手の生命線はコントロールです。山内投手は去年からコースが高めに集まりやすい欠点を持っています。彼の球威ある130㌔中盤から後半の速球だと、高めに集まっても県大会ではある程度押さえ込む事は出来ました。また高めとはいえほとんどがストライクコースですから、県レベルでの結果としてそれが欠点として露出してこなかったのだと思います。しかし全国レベルの打線を相手にすると、その欠点がはっきりと見えて来ます。そういう経緯があるからこそ、「打たれた原因がわからない」のだと思います。
沖縄水産が2年連続全国準優勝して以降、全国の高校野球の技術レベルはものすごく進歩しています。水産がいかに県内のどのチームより多くのノックをこなしていようが、確かな技術に裏打ちされたものがなければ結果は見えています。ゴロの捌き方一つ取ってみても、これまで基本だとされていた事が実は理にかなっていなかったりもします。ただ素質ある選手を集めてやみくもに猛練習させるだけでは時代に取り残されます。技術指導がきちんとなされていれば野球部員一人々々のレベルアップもはかられ、一人の素質ある投手に頼りきるという悪しき伝統からも脱却できるのではないでしょうか?
確かに以前ほど選手も集まらなくなり思うように行かない事も多いでしょう。だからこそ過去にこだわらないチーム作りをして欲しいと思います。今一度、沖水が全国の舞台で暴れまわるのを期待しています。


neogaia

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の結果.1

2004-10-30 19:26:45 | 九州高校野球
沖尚ベスト8へ、沖水は初戦敗退・・・


本日行われた第115回九州地区高校野球大会において、沖縄県代表の2チームが2回戦に登場しました。結果、沖縄尚学は宮崎1位の宮崎学園を5対0で破りベスト8進出を決めました。一方沖縄水産は宮崎2位の宮崎日大に4対10の大差で破れ、初戦敗退を喫しました。


日刊スポーツ九州での速報結果


試合結果は日刊スポーツ九州の速報で知りましたが、その内容に少々驚いております。私が投手陣を不安視していた沖尚の完封劇、そしてあれほど期待していた沖水・山内投手の大量失点・・・。まったく予想に正反対の結果となりました。

まず沖縄尚学ですが、誰が前嵩投手の完封を予想したでしょう。監督不在で万全とは言い難い宮崎学園が相手とは言え、大したものです。ストレートや変化球のキレにもともと良いものを持った投手で、県大会では本調子に遠かったそうです。それでも、復調すれば少しは九州でも通用するかな、という程度にしか考えていませんでした。沖尚唯一の欠点だと思っていた投手の復調は、ここにきて非常に大きいと思います。
攻撃面においては沖尚の持ち味が存分に出たと思います。堅い守りで前半を耐え、相手のミスなどにつけ込むそつのない攻めで徐々に点差を広げるという、沖尚らしい試合運びが出来たと思います。

沖縄水産は、懸念していた悪い面がはっきりと出たのではないかと思います。実際に見た訳ではありませんが、雑な守備が投手の足を引っ張りまくったのでしょう。それは県大会でも同じでしたが、それで勝てるほど九州大会は甘くありません。
また好投手の川西投手が相手では、県大会のようにイケイケムードに乗りまくって畳み掛ける事はできません。前半こそ4点を奪ってますが、中盤から後半にかけては完璧に押さえ込まれてます。これも基本的な事ができていないから、打撃の粗さが随所にと出たのだと思います。

そもそも沖縄水産が好投手擁する宮崎日大のようなチームに勝つには、守りで踏ん張って少ないチャンスをものにするというような、僅差のゲームに持ち込まなければいけなかったはずです。結局は相手の力が完全に上だった訳で、何を言っても仕方ありませんが、今日の試合を教訓にして欲しいと思います。まだまだ他府県の強豪に太刀打ち出来るチームではありません。オフシージンは基本をしっかりと身に付け、どんな相手に対してもきちんとした野球の出来る強いチームになって欲しいと思います。

山内投手に関して今日の結果は意外ですが、彼は充分に全国で通用する素質を持っていると思います。出来ればセンバツに出て全国デビューして欲しかったので残念ですが、今日の試合で自分自身の欠点もはっきりと見えたと思います。宮崎日大打線の力量&戦術を目の当たりにして、まだまだ自分の力の及ばない世界があるということを知ったと思います。一冬越して大きく成長した山内投手の投球を楽しみにしています。

さて沖縄尚学は、明日ベスト4を賭けて長崎1位の長崎南山と対戦します。沖尚には、上記にあげた沖水のような攻守における粗さ脆さはありません。多分、現時点における沖縄チームの中では唯一全国でまともな試合の出来るチームだと思います。とは言え、九州大会レベルの中では平均的なチームだと思います。明日も全力で相手にぶつかり、センバツのキップを掴んで欲しいと思います。


neogaia

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の展望.3

2004-10-30 10:34:10 | 九州高校野球
第115回九州地区高校野球大会.3

昨日から秋季九州地区高校野球大会が開幕しました。
本日の2回戦から沖縄の2チームも登場します。

○沖縄尚学(沖縄2位)vs宮崎学園(宮崎1位)・・・長崎市営球場(開始予定・11:30)
○沖縄水産(沖縄1位)vs宮崎日大(宮崎2位)・・・長崎市営球場(開始予定・14:00)

まさに宮崎県勢との一騎打ちとなった訳ですが、持てる力を存分に発揮してもらいたいものです。
さてだいぶ日が開きましたが、前回に続き両チームの戦力紹介を駆け足で行いたいと思います。


◇沖縄水産.2

1.攻撃力

粗い印象ですが、バントなどを駆使して基本に忠実な攻めを見せます。
上位打線~中軸は力があります。トップの豊見山二塁手は非常に小柄な選手ですが、ミートセンスがあります。二番の仲間は非常に足の速い大型の遊撃手です。三番の金城三塁手は打撃センスがあり、確実性の高い好打者です。4番の砂川尚一塁手は去年からのメンバーでドカベン体型の強打者、打球の速さはずば抜けています。5番の砂川侑右翼手は一発の魅力を秘める大型選手です。6番の村山捕手は、チャンスに強く味のある打者です。下位打線では、投手の山内がクリーンナップ並の破壊力を秘めます。
それぞれの選手の資質は高く、まだまだこれからの大きく伸びる攻撃陣だと思います。また近年の沖水では珍しく、非常に粘りのある攻撃を見せます。その点では、ある程度期待は持てるでしょう。

2.守備力

以前も書いたように村山捕手の能力が高く、センターラインを中心にしっかりとしていますが、全体的に見るとまだまだ雑です。肝心な場面での失策が目立ち、試合前のシートノックを見ててもミスが目立ちます。
ただ、仲間・金城の三遊間を中心に内野陣は良いものを持っていると思います。守備に関しては現段階では仕方ありませんが、徐々に良くなるでしょう。


◇沖縄尚学

1.投手力

以前も書きましたが、沖尚のネックは投手力です。エースの前嵩を中心に複数の投手陣を擁しますが、それぞれ決め手に欠きます。前嵩投手をはじめ県大会で好投したサウスポーの赤嶺投手など、それぞれ良いものを持っていますので九州大会では持ち味を出して欲しいものです。

2.攻撃力

秋季県大会でのチーム打率が4割を超え、非常に得点能力の高い攻撃陣です。打線に力強さは感じられませんが、そつのない攻めを見せます。それほど目立った打者はいませんが、トップの山内遊撃手・三番の比屋根中堅手・4番の松田一塁手は好打者です。また、6番で主将の小泉左翼手はチャンスに非常に強い打撃を見せます。

3.守備力

かなり鍛えられた、しっかりとした守備力を誇ります。内外野ともに堅い守りを見せ、守備に関しては沖縄№1だと言えるでしょう。特に山内遊撃手・比嘉三塁手のプレーは光ります。


neogaia

沖縄、離島の高校野球.1

2004-10-23 23:58:50 | 離島の高校野球
今年の沖縄高校野球界に、石垣島の八重山商工高校が旋風を巻き起こしました。夏の高校野球沖縄大会ではベスト16、直後の新人大会では優勝(私の記憶するところ離島勢の県制覇はこれが初めてです)、そして去った秋の県大会ではベスト4と、九州大会まであと一歩というところまで迫りました。
この八重山商工、着任2年目の伊志嶺監督のもと、1年生主体のチームでの快挙です。

もともと離島県である沖縄県は多くの島々からなっており、沖縄本島以外の島々の事を県内では「離島」と呼んでいます。
離島の高校は全部で9校あります。宮古地方では宮古島の4校(宮古高校・宮古農林高校・翔南高校・宮古工業高校)と伊良部島の1校(伊良部高校)、八重山地方では石垣島の3校(八重山高校・八重山農林高校・八重山商工)、そして久米島に1校(久米島高校)あります。そのいずれにも野球部がありますが、中でも宮古島・石垣島は非常に野球熱の盛んな地域です。宮古島では、プロ野球のオリックス・ブルーウェーブのキャンプも行われます。


◇宮古高校.1

離島勢は過去に、「あと一歩で甲子園」というところまで何度か行きました。
特に、浦添商業の監督として甲子園ベスト4の経験もある名将・盛根一美監督(現・南部商業監督)が1970年代に率いた宮古高校は、沖縄でも屈指の強豪でした。当時の沖縄は裁監督率いる豊見城高校の全盛時代でしたが、宮古高校もあと1勝で甲子園という事が3度ありました。

1976年秋の九州大会に出場した宮古高校は、その大会での優勝候補であった大分県の佐伯鶴城高校に快勝してベスト8まで進みます。準々決勝では、後に阪神タイガースでも活躍した平田選手がいた長崎の海星高校と対戦しましたが、惜敗しました。この試合に勝てば九州ベスト4、本当にセンバツは目の前でした。この大会では海星の他に豊見城高校もベスト4に残り、センバツに出場しています。

このときのチームは翌年夏の沖縄県大会でも決勝戦まで進みます。決勝戦の相手はセンバツにも出場した豊見城高校。その豊見城は、全盛期時代の豊見城の中でも最強の破壊力を誇った猛打のチーム。2年生で4番を打つ石嶺和彦捕手(元・阪急~オリックス→阪神、現・中日ドラゴンズ1軍打撃コーチ)に、好投手の下地勝冶(元・広島)がいました。宮古高校もアンダースローの好投手・国原が奮闘、白熱した投手戦を展開しましたが惜しくも敗れます。甲子園まであと一歩の立場まで2度も上り詰めた当時の宮古高校は、強打の捕手・佐和田主将(のち九州共立大)を中心に投攻守にまとまった素晴らしいチームでした。多分、歴代の離島勢で最強のチームでしょう。

ちなみにその時の豊見城のエース・下地投手は宮古島の出身で、宮古の佐和田選手や国原投手とは中学時代に沖縄県を制覇したチームメイトでした。そのチーム(宮古・平良中)のエースだった下地投手が、佐和田選手らの高校最後の大会決勝戦で大きく立ちはだかり、完封で終わらせたのは皮肉な結果でした。

(続く)


neogaia

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の展望.2

2004-10-22 07:43:16 | 九州高校野球
第115回九州地区高校野球大会.2

10月29日から始まる秋季九州地区高校野球に出場する沖縄勢の戦力等を数回に分けて分析します。
(あくまでも個人的感想です)


◇沖縄水産.1

山内 晴貴投手(2年、176㎝、80㎏、左左)

沖縄県の新チームの中で、私がNo1に推すのが沖縄水産の左腕・山内晴貴投手です。
前チームでもエースの宮里春樹投手(3年)との二枚看板として活躍しており、既に場数も踏んでます。
新チームになってからは主将もまかされており、投球にも貫禄が出てきました。
名実供に今の沖縄水産の看板選手です。

今度の秋の沖縄県大会では優勝投手にこそ輝きましたが、最後までかなり苦しいピッチングが続きました。特に、延長14回を投げぬいた準々決勝の具志川商業戦と決勝戦の沖縄尚学戦では結構打ち込まれました。今大会は腰の状態が悪く万全の状態ではありませんでしたが、それでも要所ではしっかりと押さえエースの役割をきっちりと果たしました。

山内投手が今大会で本領を発揮したのは準決勝の宜野座戦です。中盤の5回こそ宜野座の下位打線にラッキーなヒットを打たれ3点を奪われましたが、9イニングを投げて12奪三振・被安打5と圧巻の内容でした。特に4番の強打者・伊藝選手からは3三振を奪うなど、宜野座の強力なクリーンアップを完全に力で圧倒しました。

山内投手の最大の良さは、親分肌のようなふてぶてしい顔つきからも伺えるように、頼もしい雰囲気をかもし出す所です。見てる方も非常に安心していられます。
体格は中肉中背ですがリーチが長く、腕の振りがとても柔らかいのも非凡です。腰幅も大きくて下半身がどっしりと安定しているので制球力もしっかりとしています。肩関節も柔軟なので球離れが遅く、かなり伸びのあるストレートを投げ込みます。またカーブの切れが鋭くて、制球良く決まれば高校生レベルではなかなか打てないでしょう。

ストレートの球速は130キロ中盤~後半ってところですが、一冬越すと間違いなく140キロ以上の球をコンスタントに投げると思います。現時点での大きな欠点は、時々投球をあせり球が高めに浮きがちなところでしょう。そういう時に大体制球が乱れ、打たれます。
打撃に関しては県大会では9番を打ってましたが、間違いなく4番のバッティングでした。打球の速さ、飛距離とも優れていて確実性もあります。相手投手からすれば下位に主砲が控えているようなものです。

沖縄から、久々に全国に通用する本格派左腕の登場だと思います。将来的にも充分にプロを意識できる投手だと思います。今年は全国的に左腕の好投手が多いのですが、山内投手も是非センバツに出場してその存在感を示して欲しいと思います。


neogaia

沖縄のドラフト候補.3

2004-10-21 00:37:19 | ドラフト
緑間 俊投手(177㎝、67㎏:右左:具志川商業高校3年)

今年の沖縄の高校生投手の中でNo1の評価を受けているのが、具志川商業の緑間俊投手です。
中央ではまったくと言っていいほど無名の存在ですが、下級生の頃から関係者の間での注目度は相当高く、オリックスをはじめとするプロのスカウトも度々訪れていました。

具志川商業は、池宮城監督のもと近年では県内の強豪校の仲間入りをするようになってきています。
特に今年は、緑間投手と大型の久高将仁投手(194cm、86㎏、右左、3年)の二人を軸に打撃力でも県内屈指の破壊力を持つ好チームに仕上がり、甲子園も決して夢ではないという評判でした。
しかし、最後の夏は初戦で浦添工業に0-2の完封負けを喫してしまいます。浦添工業も鍛えられた素晴らしいチームでしが、それにしてもあまりにもあっけない夏でした。

緑間投手の高校最後の試合は実際に見てきました(まさか最後になるとは思いませんでしたが・・・)。
緑間投手は大会前から調子が悪かったらしく、確かに立ち上がりいつもの球の走りではありませんでした。
対する浦添工業の先発はエースの仲本投手ではなく技巧派で控えの池田投手。浦添工も好選手の揃うチームではありますが、チーム力から考えて具志川商の勝利を疑いませんでした。試合は投手戦で淡々と進み、気が付けば浦添工・池田投手が強打の具志川商打線を8安打で完封していました。
緑間投手は中盤に足に打球を受け一たんベンチで治療を受けましたが、気合で最後まで投げぬきました。調子の悪さに加えアクシデントにも見舞われた緑間投手でしたが、それでも低めにコントロールされた伸びのあるストレートと鋭いスライダーには目を奪われました。最後の投球内容は、9イニング・被安打8・7奪三振・与四球3・自責点2、という結果でした。

緑間投手の特徴は、バランスの良さです。始動からお尻の落とし、テークバック、フォロースルーまで非常に綺麗な動きをします。それに加え鋭い腕の振りと強靭な足腰のおかげで、スピード・切れ・コントロールとも文句ありません。近年の高校生投手の中では決して大きくはなく、細身の優男(顔も良い)なのですが、140キロ台中盤の速球を平気で投げます。バッティングにも非凡なものがあり、野手になっても素晴らしい選手になれるでしょう。とにかく野球センスの良さを感じます。

残念ながら、ここ最近になってドラフト指名の話は聞かれなくなりましたが、同僚の久高投手と供に亜細亜大学への進学がほぼ決まっているようです。亜大には沖縄出身でドラフト候補にもなった糸数敬作投手(2年、中部商業出身)もいます。ぜひ沖縄パワーで東都大学リーグでも活躍して欲しいものです。そして、いつかはプロの世界でも輝いて欲しいと思います。


neogaia

秋季高校野球九州大会・沖縄勢の展望.1

2004-10-20 07:36:10 | 九州高校野球
第115回九州地区高校野球大会.1

10月29日から長崎県で秋季九州地区高校野球が開幕します。
来年のセンバツに向け、最も重要な大会です。
沖縄県からは秋季県大会優勝の沖縄水産と準優勝の沖縄尚学の二校が出場します。

昨日その組合せ抽選が行われました。
さて、トーナメント表から見た沖縄勢の展望は?


◇沖縄水産

神村学園(鹿児島)、福岡一(福岡)、波佐見(長崎)、宮崎日大(宮崎)の入るブロックからベスト4が決まります。沖縄水産の初戦は、波佐見と宮崎日大の勝者との対戦です。

私は他県のチームの状況はあまりわからないのですが、厳しいブロックだと思います。
波佐見は打線が強力らしく、宮崎日大はプロ注目の川西投手を擁する投打にまとまったチームらしいです。神村学園は創部2年目ながら、圧倒的な戦力で優勝候補にも挙がっているそうです。福岡第一は強打者・陽選手が有名ですが、ここも優勝候補らしいですね。神村学園VS福岡第一は初戦屈指の好カードと言えるでしょう。

この激戦ブロックで沖水が勝ち上がるには、当然ですが山内投手次第です。
現在の沖水のチーム力はそれほど高いとは思えません。選手の素材は良いのですが、完成度がありません(この時期、当然かも知れませんが)。県大会は勢いに乗っての優勝だったんですが、そこがこのチームの良さです。近年の沖水では珍しく、ムードの明るいチームなのです。
それとバッテリーがしっかりしています。山内投手は既に県内で注目のサウスポーで、彼に関しては後日大きく取り上げて書き込みますが、私は捕手の村山君を高く評価しています。
リードセンス、状況判断、肩の強さ、間の取り方等、捕手としての大事な要素が優れた素晴らしい選手です。彼がチームの扇の要にいる事が、今年の沖水の強さだと思います。

山内・村山のバッテリーは、最近の沖縄チームの中ではNo1と言えるかもしれません。ですから村山捕手が山内投手のポテンシャルをうまく引き出す事が出来れば、新垣渚時代以来のセンバツ出場も決して不可能とは言えないでしょう。裁監督も期するところあると思います。


◇沖縄尚学

長崎南山(長崎)、大分雄城台(大分)、宮崎学園(宮崎)の入るブロックからベスト4が決まります。沖縄尚学の初戦の相手は、宮崎学園です。

宮崎学園も神村学園と同じく創部2年目ながら、非常に戦力の高いチームらしいです。上位打線に一年生が多く、質の高い選手がそろっているようです。長崎南山は技巧派の川口投手を中心に長崎大会を制した好チームらしいです。大分雄城台は、優勝候補の柳ケ浦等がひしめくレベルの高い大分からの出場ですので怖い存在です。

このブロックで沖尚が勝ち上がるには、やはり投手陣の整備が強く必要です。沖尚は、攻・守においては沖縄県内では最も完成されたチームなのですが、投手力が弱すぎます。
頭数は多いのですが、柱になる投手がいません。県大会で好投したのは技巧派サウスポーの赤嶺投手くらいで、他の投手は散々でした。県大会でエースナンバーを付けた前嵩投手等は本当に良い球筋のボールを投げるんですが・・・。
県大会ではチーム打率4割を超える攻撃力で勝ち上がった沖尚ですが、投手陣があのままだと九州では勝ち上がれません。しかし名将・角田監督率いるチームですから、その辺はしっかりと心得ていると思います。

沖尚はチーム力では沖水よりも上だと思いますので、今年のセンバツは大きなチャンスだと思います。ぜひ持てる力を存分に発揮して狙って欲しいと思います。そのためにも投手陣ですね・・・。


近年甲子園であまり揮わない九州勢ですが、今年は好投手も多く(柳ケ浦・山口、熊本工業・敷根、etc)、戦力の高いチームも揃っているような気がします。
来春センバツ以降の九州勢復活を目指し、今度の九州大会は切磋琢磨した盛り上がる大会になって欲しいと思います。


neogaia

沖縄のドラフト候補.2

2004-10-19 03:13:27 | ドラフト
金城宰之左投手(187㎝、90㎏:左左:中部商業高校3年)

噂では広島カープが獲得に動いているという、中部商業の左腕・金城宰之左。
中学時代にポニーリーグの宜野湾ポニーで活躍。その頃に「報知高校野球」の少年野球特集で、現・東北高校のダルビッシュ・有投手(当時、全羽曳野ボーイズ)とともに取り上げられ、大型サウスポーとして一躍全国にその名を知られるようになりました。

その後ダルビッシュ投手が順調に甲子園で活躍したのに比べ、金城投手は県大会でもほとんど投げない有様で、それでもドラフト関係の雑誌等では時々とりあげられるもんだから、いつしか幻の豪腕投手のような感じになっていきました。

高校2年秋の県大会でようやく登板するようになり、少々好投、ようやく大物の片鱗を見せ始めます。
中部商業は県大会を制し九州大会へ進みますが、宰之左投手先発の中部商業は初戦で佐賀商業にコールド負けを喫します。一冬越した春の県大会でも故障で一試合も登板せず、いよいよ最後の大会を迎えます。

中部商業は圧倒的な打撃力で決勝戦まで進みますが、肝心の宰之左投手は登板しても四球でランナーをためては打たれ、あっという間に大量得点を取られるという惨憺たる内容でした。エースとしての立場は一学年下の金城雄二投手に奪われ、決勝戦でも先発は出来ませんでした。

しかしが最後の最後になって、宰之左投手は意地を見せました。
沖縄水産との決勝戦、1対1の同点で迎えた6回裏からリリーフで登板した宰之左投手は、それまでとは別人のような圧倒的なピッチングを見せます。本人の逆転打もあり、4対1で沖水を破った中部商業は甲子園を決めました。
幻の大物・金城宰之左がとうとう全国お披露目となったのです。

甲子園での初戦は山形の酒田南。下級生中心のチームですが強力な打撃力を誇ります。先発した宰之左投手は1回・2回と2イニングで4者連続を含む5奪三振と怪投を見せますが、3回に先頭打者に2塁打を打たれてから乱れます。左足に打球を受けるという不運もありましたが、結局4回3分の2で失点6という無残な内容に終わりました。中部商は6対11の大敗を喫し、宰之左投手の甲子園初登板は、いつもの彼の投球パターンを全国に曝け出したようなものでした。

さて県大会・甲子園をみた上での宰之左投手に対する個人的な感想ですが、なんだかんだ言っても光るものを持っています。私はやはり、プロに行くべき素材だと思います。
あの体格と豪快なフォームの割には球速的には非常に物足りませんが(130キロ前半)、上半身の使い方が並ではありません。体が非常に柔らかく、特に人並み外れた肩関節の柔らかさが、大きくて豪快な上半身の立て回転をつくる源になっています。

しかし、多分体の基幹がまだ弱いのでしょう。速く強く腕を振るという事が出来ず、球速が出ません。また上半身と下半身の連動も駄目で(というか下半身が使えてません)、フォームが安定しません。体が柔らかすぎて、動きにおいてパワーを捻出させる事ができてない感じです。それでも乱れても決して手投げにはならず、思いっきりフォロースルーできる所は評価できます。

あれだけの素材ですから、監督さんもなかなかいじる事ができなかったのでしょう。むしろ高校3年間で変なくせをつけなかった事と消耗をしなかった事は、幸いだったと思います。

プロに行くにせよ、大学あるいは社会人に行くにせよ、これからはしっかりとした理論と指導力を兼ね備えたコーチのもとで2,3年は徹底的に鍛えるべきでしょう。
まさしくダイアモンドの原石、今後大きく化ける可能性を秘めた選手です。

neogaia

沖縄のドラフト候補.1

2004-10-18 07:30:14 | ドラフト
上原厚治郎投手(21歳:178㎝、70㎏:右右:興南高校→沖縄電力)

最近になってヤクルトが指名候補に挙げてきたのが、沖縄電力の上原厚治郎投手です。
都市対抗では去年の三菱重工長崎に続いて今年も日産自動車九州の補強選手に選ばれました。
上原投手が有名になったのは、去年のシダックスとの試合で野間口投手との投げ合いで好投、かの野村監督に絶賛されてからでした。

興南高校時代から140キロを超える速球でドラフト候補に挙がっていたんですが、最後の夏は3回戦で沖縄水産に敗れました。
高校時代の上原投手で印象深いのが、1年生大会の準決勝での那覇・成底投手(沖縄国際大)との投げ合いです。両投手の1年生とは思えない好投手ぶりに驚きました。

その後は1学年上の松谷投手(ヤクルト)の影に隠れ、投手としてはあまり目立った活躍はしなかったような気がします。むしろ、その迫力あるバッティングが目を引きました。
3年春にようやく頭角を現してきましたが、それでも思ったほどの成長を感じませんでした。
かえって高校を卒業して、社会人になってから急激に成長してきたと言えるでしょう。

数ヶ月前、彼の投球を久しぶりに見ました。沖縄電力とSORA沖縄の試合でしたが、左腕・糸数投手のあとを受けリリーフでの登板でした。それまでの沖電・糸数、SORA・高坂の投げ合いに目を奪われていたのですが(二人とも素晴らしい投手です)、上原投手の球には度肝を抜かれました。
145キロを優に超える速球は、まるでバズーガ砲のようにズドンと響きます。体全体を使ったバネのあるフォームは若々しさに満ちあふれています。本当に感動しました。
彼の素質もさることながら、あれだけの成長をみせたのはやはり努力の賜物だと思います。

平良幸一投手(元、西武)・新里紹也内野手(元、ダイエー)に続く三人目の沖電出身プロ野球選手の誕生を期待します。
そして速球派の多いヤクルトでも、負けずに一軍で成功して欲しいものです。

neogaia

neogaiaです。

2004-10-18 01:22:48 | Weblog
以前、「OKINAWAN BASEBALL STADIUM」(オキスタ)というサイトを運営していたんですが、3年ほど休止しておりました。

そろそろ復活を果たそうかと思い、とりあえずブログを始めて見ました。沖縄県の高校野球を中心に野球関係の日記を書ければと思います。
本サイト復活までまだまだ時間を要すると思いますが、宜しくお願い致します。

PS:もし以前の常連さんがここを発見した時は、遠慮なくコメント下さいネ。

neogaia