
先日、大阪天満宮で見つけた”幸せの鈴”
私は今まで人から”お守り”をもらうことが苦手だった。
と、いうより嫌いだった。
今の主治医に出会ったのは約2年前。
今はなんとか普通に生活しているが、
18年前は、約1年半、寝たきりだった。
当時は苦しみを訴えても、あらゆる病院のいろんな医師は、検査だけで判断した。
症状に合うか合わないか、わからない薬に頼り、
それでも痛みは毎日続き、なんの為に生きているのかわからない、
病気とも認められない、そんな、中途半端に生かされている自分の人生そのものが苦痛だった。
「体調はどう?」
「元気?」
「最近どう?」そんな言葉も私を傷つけた。
そして、もっとも苦痛だったのが、
気をきかせての、友人や知人や母がくれる”お守り”だった。
「お守り。早く元気になって!」
ドラマでよくあるシーン。
入院する人を見舞い、
「早く良くなってね」
入院している本人も、笑顔で
「○○ちゃん、来てくれたの、ありがとう。嬉しい。
私、がんばるからね。病気には絶対負けないから」と言う。
絶対うそだ。
病気で辛い時に、人がやって来ることほど苦痛なことはない。
入院するということは、病気を相手に戦う余裕などないのが現実だ。
そして、”お守り”は…病気で苦しむ者にとっては、とても重い。
その気持ちは有難く思う。でも、望まれるほど良くなれない、元気になれない、
普通に生きることを望むだけなのに、それすらもできない、
そんなもがき苦しむ心を、人からもらう”お守り”は、もっと苦しめるのだ。
だけど、そんな私が、先日、家族のためにお守りを手にした。
そして、心から願う、かけがえのないことを、時間をかけて祈った。
こんな気持ちだったんだ。
友人や、知人や、母は、私のために
今の私の、こんな気持ちで”お守り”を手にしていたのだ。
この”幸せの鈴”は、そう私に気づかせてくれた。
本当の幸せは近くにあるのだ。