弘化三年九月吉日 吸物椀十人前
家にある古い木箱に書いてある年号である。
年号の『弘化』を調べたら、1844-1847年で天保の後、嘉永の前との事。
大河ドラマの『篤姫』は天保6年の(1835年生まれ)。
故に木箱の西暦は1846年で、今から162年前、篤姫が11歳の時代だ。
木箱の年号は筆字で書かれていたが、その年号の脇に
私の先祖の名前が年号とは別の筆跡で記してあった。
おそらく古物を後で購入したようである。
(先祖は明治初期の人で西暦1846年には生存しない)
中には蒔絵の施された吸物椀が入っている。
この吸物椀の存在は前から知っていたが、ふたが欠けうるしがはげ、
いたみかひどいまま長年放置してあつたものだ。
廃棄処分寸前だったが、以前義母の墓参りの帰り信州木曾の
漆器屋さんに立ち寄った時修復を依頼した。
それが今日我家にやっと戻ってきたのだ。
修復には長い時間がかかった。最初輪島に送り修理を依頼したが、
会津の作品との事で、輪島での修理を断られてしまった。
再度会津の業者に送った処、今度は蒔絵士が高齢との事で
修復に時間がかかってしまったとの事。
いろんな方のお世話になり修復が完了した。
吸い物椀はなぜか14客ある。
私が子供の頃は結婚式や葬式などは家やっていたので、冠婚葬祭の都度
きっと多くの人の手の上で汁が人の胃を満たしたのだろう。
吸物椀の蓋の裏には富士山と海に浮かぶ帆掛け舟、それと枝振の良い木が
金色の筆で書かれている。一枚ずつ絵柄が異なり趣がある。
この椀を新年に使ってみようとおもう。
筆で書かれた字、赤い漆の色、金色の富士山と駿河湾。
少し歪で古めかしい形、眺めていると経過した162年を
語りかけてくるよだ。
昔人はこだわりをを持って物を作り、大切に物を使った
ことが伺える。少し見習おうと思った。
家にある古い木箱に書いてある年号である。
年号の『弘化』を調べたら、1844-1847年で天保の後、嘉永の前との事。
大河ドラマの『篤姫』は天保6年の(1835年生まれ)。
故に木箱の西暦は1846年で、今から162年前、篤姫が11歳の時代だ。
木箱の年号は筆字で書かれていたが、その年号の脇に
私の先祖の名前が年号とは別の筆跡で記してあった。
おそらく古物を後で購入したようである。
(先祖は明治初期の人で西暦1846年には生存しない)
中には蒔絵の施された吸物椀が入っている。
この吸物椀の存在は前から知っていたが、ふたが欠けうるしがはげ、
いたみかひどいまま長年放置してあつたものだ。
廃棄処分寸前だったが、以前義母の墓参りの帰り信州木曾の
漆器屋さんに立ち寄った時修復を依頼した。
それが今日我家にやっと戻ってきたのだ。
修復には長い時間がかかった。最初輪島に送り修理を依頼したが、
会津の作品との事で、輪島での修理を断られてしまった。
再度会津の業者に送った処、今度は蒔絵士が高齢との事で
修復に時間がかかってしまったとの事。
いろんな方のお世話になり修復が完了した。
吸い物椀はなぜか14客ある。
私が子供の頃は結婚式や葬式などは家やっていたので、冠婚葬祭の都度
きっと多くの人の手の上で汁が人の胃を満たしたのだろう。
吸物椀の蓋の裏には富士山と海に浮かぶ帆掛け舟、それと枝振の良い木が
金色の筆で書かれている。一枚ずつ絵柄が異なり趣がある。
この椀を新年に使ってみようとおもう。
筆で書かれた字、赤い漆の色、金色の富士山と駿河湾。
少し歪で古めかしい形、眺めていると経過した162年を
語りかけてくるよだ。
昔人はこだわりをを持って物を作り、大切に物を使った
ことが伺える。少し見習おうと思った。