杜色に透き通る仙台ガラスの物語は、その器で味わう宮城県の美酒を更に美味しくする

―― 何十年か後に「昔からあるよね」と言われるものに育ってほしい



仙台市内を流れる広瀬川の砂を熔かして作られたという仙台ガラス。杜色に透き通った美しい色合いにまさかの一目惚れです。取り急ぎ猪口が必要になった仙台滞在中の先週末、仙台三越六階のテーブルウェアコーナーで見つけました。10000円以上する高価な陶芸や錫の器が並ぶ中、一際透き通って輝く杜色が並ぶ一角を発見。それが仙台ガラスでした。お値段はどれも2000円前後と、他の器と比べると随分とお手頃です。

公式サイトによると、このグラスの紹介はこうです。

杜の都・仙台を流れる広瀬川が、長い時間の中で産み出した砂の記憶をガラスに閉じ込めた仙台ガラス。仙台をおおう緑を映すような「杜色のガラス」。木漏れ日の余韻と、生命のぬくもりと、清らかな水のきらめきを宿し、表情豊かでシンプルで機能的なグラスウェアシリーズ。

そして、このシリーズを創作しているガラス作家の村山さんという方の物語が素晴らしいです。

「どんな土や砂からもガラスは作れる」との信条の下、自宅近くの川から採取した砂でガラスを製造することを考えて試作を重ねる中で出来上がったガラスは偶然にも、今では製法が分からなくなっているという「仙台ガラス」と同じ色だったそうです。 そのことから、過去の職人との運命とも言える繋がりを感じ、村山さんはこのガラスの研究を重ねることを決めたのだとか。何十年か後に「昔からあるよね」と言われるものに育ってほしい、との気持ちを込めて日々創作を続けておられるようです。

通信と流通の発達した現代、ネットを駆使すれば世界中から様々なものを格安で取り寄せることができますが、想い入れのある土地の気候風土から創られたものは使う上での愛着が全く違うのだな、と実感できるほど初日から活用してしまいました。器は全体的に厚さが2mmほどあって丸みを帯びており、優しい口当たり。そのせいか酒の味わいも幾分丸みを帯びてくるかのようです。厚さのおかげで簡単に割れそうにもなく、末永く愛用できそうです。

参考:仙台ガラスプロジェクト、クリエーターとプロデューサーの語り
時代に埋もれていた素朴の手業が、現代の仙台に甦る











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杜の都の仙台ガラス
http://www.sendai-glass.jp/
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