今年に入って、新型コロナウイルスの感染とその諸々の影響や、
BLMの抗議活動など、世の中を震撼させる出来事が
みるみるうちに全米に拡大していくのを目の当たりにしました。
いくら自分が真っ当に暮らしていてもどうにもならない状況に遭遇して、
いろいろ考えることの多い日々が続いています。
西城秀樹さん関連で2012年3月26日にネットに掲載されていたインタビュー記事。
後で読もうと、転載して保存していたものを見つけ、
読み返してみました。
必ず、再び「ヤングマン」:2度の脳梗塞、復帰へリハビリ 西城秀樹さんの「あきらめない」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120326mog00m040017000c.html
(毎日新聞のサイトに掲載されたものですが、残念ながら元記事はリンク切れのため、
手元の文章から一部引用しています。)
(転載ここから)
病から、人はどう立ち上がろうとするのだろう。
昨年(注:2011年)暮れ、2度目の脳梗塞(こうそく)に倒れた歌手、西城秀樹さん(56)が復帰を目指して
リハビリ中だという。聞いてみた。「あきらめない」心って何ですか。【根本太一】
◇また闘うのか…悲しみ、焦り
◇子供に導かれた「闇より明かりの方へ」
お久しぶりです--。
「ああ、あの時の」
思い出してくれた! だが返ってきたその声は、以前とは違う。ろれつが回らないとでも言った方が正確か。西城さんは数錠の薬を手のひらに取り出して、ペットボトルの国産ミネラルウオーターとともに飲み込んだ。
「今は、こうして歩けるようになったんです。月、水、金曜日はリハビリで、専門の病院に通っています。『バランスボール』ってゴムのボールを使って訓練をしたりね」。自ら話をし始めた。
「火、木、土曜日は中国漢方式のはり。リハビリ運動と同じく、神経を刺激して、身体を動かす命令を脳がスムーズに出せるようにする訓練なんです」。手の機能回復のためトランプを用いることもある。「テーブルに並べたコインが取れない。指先が滑るんだね。ほら」。起き上がって片足立ちを試みるがおぼつかなく……椅子に倒れ込んだ。「今まで普通に当たり前にできていた動作が、できない。分かる? このつらさ」
身体に異変を感じたのは、デビュー40周年のディナーショーを間近に控えた昨年暮れだ。頭がフラフラして大学病院で診察を受けたが、結果は「異常なし」。帰ろうとしたが念のためにと検査入院を勧められた。その夜、血管が詰まってしまった。
発見が早かったせいか大事にはいたらなかったものの、一部の脳細胞が死に、機能がまひした。右半身が思うように動かなくなり、舌も思うように操れない。
それでも退院直後の1月には静岡県富士市のイベントで座ったままでバラードを2曲歌った。2月には新潟市でディナーショーも開催した。ただ「気持ち的には『死にたいな』くらいの落ち込みよう」だったという。「また闘わなくちゃならないのかって考えたらね。前回の時も、リハビリに3年もかかったから」
正直、後遺症は前回より重いと思っている。「たまに真っ暗な部屋にたった独りでいるような感覚になるんですよ。文字通り七転八倒の日々なんです」
4月、長女は小学校4年生に、長男は3年、次男は2年に進級する。「長女は階段で手を引いてくれ、長男は風呂で背中を洗ってくれましてね。子どもに勇気づけられて、闇より明かりのある所にいようと思わせてくれるんです。僕は生き抜いてやるぞってね」
どうしても、聞いてみたくなった。また「ヤングマン」を歌える体に戻れますか。
「うーん。8月か9月か、もっと先になるのか。自分の体と相談しながらね。でも必ず歌いますよ。だってほら、あの歌詞、今の僕にピッタリでしょ」
♪ヤングマン、さあ立ち上がれよ……ゆううつなど吹き飛ばして、君も元気出せよ……。ああ、聞いてみたい。
(転載ここまで)
記事中にありますように、2011年末に再発ののち、
年明けすぐの1月にはイベント、2月にはディナーショーも開催されていたのですね。
1回目の時よりも症状が重いと自覚し、これまでの辛いリバビリの記憶がいつも頭をよぎるこの時期に
インタビューを受けられた秀樹さん。
何年もかけてようやく出来るようになったことが、一瞬にして後戻りどころか、後退したという事実。
やりきれない気持ちの大きさは、想像以上のことだったと思います。
でも
「子どもに勇気づけられて、闇より明かりのある所にいようと思わせてくれるんです。
僕は生き抜いてやるぞってね」
この思いを既にこの時点で強く持っていらしたのを知って、
賛否両論あるかもしれませんが、最後まで立ち続けようとした姿を
ファンに見せてくださったのは良かった、と私は思いました。
今のアメリカの状況が落ち着くまで、どのくらいかかるのか。
今年は大統領選挙もあり、その結果でまた何か騒動が起きるかもしれませんし、
何とも言えません。
幸い、私自身は今のところ新型コロナウイルスには感染していず、
家族も元気です。これは「明かり」ですね。
秀樹さんが見せて下さった「生き抜いてやるぞ」の気持ちで一歩一歩、進んで行けば、
他にも明かりがたくさん点いて、どんどん大きく明るくなっていくかもしれません。