関西お笑い界の重鎮、坂田利夫師匠が永眠されました。82歳。
動画ニュースを見ますと、冒頭から「ありがとさ〜ん、などのギャグで親しまれた」と
キャスターの方が仰っていました。
これは仕方がないことなのですけれど、
『ありがとさ〜ん』、師匠の、あの手振りと声のトーンと音程と間を頭の中でシンクロさせないと
字面だけでは、なぜこれがギャグなのかすらわかりません。
師匠の凄さがわかります。
坂田師匠は私が物心ついた頃には、既にお笑い界である程度の地位を築いていらっしゃり、
小学生の頃の土曜日のお昼といえば、常にTVの坂田師匠と共にあったと言えるでしょう。
もちろん、私の周りでも「ありがとさ〜ん」や師匠の歌の「アホの坂田」は流行っており、
似顔絵を描いていたクラスメイトもいたように記憶しています。
実物の絵が似ていたかは思い出せないのですけれど、彼女も坂田師匠が大好きでした。
個人的な感想ですと「アホの坂田」は、歌詞がアレなのに、
男女のコーラスもバックの音楽の編成もとても(というか無駄に?)豪華で全編を貫く明るさ。
全てに、関西でいうところの「アホやなあ〜」的な感じを醸し出しているところもいいですね。
「アホの坂田」昭和だから成立したコンセプトとキャラクターでしょう。
令和だったら絶対に無理ですね…。
師匠、それでも最後までブレず、芸風を変えず、芸人魂を見せて下さいました。
不世出のアホキャラ、真のプロフェッショナル。
いつも楽しく明るい笑いをありがとうございました。
老衰とのことで、寛平師匠ご夫妻に見守られながら旅立たれた坂田師匠。どうか安らかに。
これであの「あっちこっち丁稚」に出演していた三人の丁稚さんは、寛平師匠だけに。
今年の日本の芸能界は、私には馴染み深い方達の訃報に接することが多く、
最後に坂田利夫師匠、とても寂しいです。