「好き」でしかたがないのでしょう。
朝食を食べる私の横で、いつものごとくまったりくつろぐマロン。
そこへ近づく足音。
「ちゃっちゃっちゃ」
「(ふ〜)どすん」
やれやれ疲れたわ〜、といった具合に、座りこむ音がします。
みれば、マロンが伸ばした二本の腕の中に、くつろぐ子犬。
「え、・・ここ(にすわるの)〜?」
とばかりに、困惑顔のマロンが私を見上げます。
そりゃぁ困るよね、ちょっと、近すぎます。
子犬のラキさんは、昔からマロンが好きで好きでたまらないのです。
いつだって、どんなときだって。
純真にまっすぐに「好きでしかたがない」なにものかを見るのは、
とってもとっても、微笑ましいものです。
ちょっとだけ、遠い記憶にある、誰かを好きになって
胸をどきどきさせている友が眩しくってかわいくって愛おしいような、
そんな感覚を思い出すのです。
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