貝絵アートの貝殻キャンパス製造は、障がい者福祉施設で作ってます!
貝絵アート展示会・コンテストは、SDGsの17の目標がいろいろな面でつながりあっていることに気が付いて始まりました。
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標8 働きがいも経済成長も
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさもまもろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう
障がい者の人たちは、一人一人が様々な障害をかかえて生きています。それは身体面でも社会面、精神面でもハンデとなっていますが、そうした障害を乗り越えて生きていこうとしています。貝絵アート展示会・コンテストはそんな障がい者の人たちを何かで応援できないか?と考えていた時に私の地域で始めていきました。
私の地域の特産物であるヒオウギ貝は、食用のために養殖されます。養殖中に斃死した後に残る貝殻、流通中に斃死した後に残る貝殻、食用後に残る貝殻、みな これまで廃棄され焼却処分となっていました。
また、一方で養殖中に斃死し残った貝殻は、事業者が適正に廃棄処分せず山中に不法投棄したり、海洋に投棄したりして地域の海山川の環境に負荷を与えていることも多々あったのです。
こうした不法投棄や焼却処分を減らしCO2の発生も削減するにはどうしたらいいか? 貝殻を何かに活用できないか? 鮮やかでカラフルな色彩を持つヒオウギ貝の貝殻を何かに使えないか?
そのころ、養殖場でヒオウギ貝を清掃している映像番組を見ていて、ふと私も貝殻を清掃し研磨してみました。8cmくらいの大きな貝殻だと、海の付着物やフジツボを除去するのに30分くらいかかります。
先の尖ったアイスピックや金ブラシを使って、ヒオウギ貝の貝殻の深い溝に固まって付着している海の付着物をはじいたり、こすったりしていくと徐々にヒオウギ貝の貝殻は、その鮮やかでカラフルな色彩を取り戻していきます。
きれいに研磨されたヒオウギ貝の貝殻を何に使おうか?あれこれ考えていたら、たまたま平安時代の貴族がハマグリの貝殻に絵を描く貝絵を見つけました。
ヒオウギ貝にも絵の具で描くと、描けます。これだぁ! 貝殻キャンパスにして子供たちに絵を描いてもらおう!
でも、一枚に30分も研磨にかかるのでは私一人では、どうにもなりません。
そこで私のうちの近くに障がい者の福祉作業所があったので、これを障がい者の人たちにやってもらったら、障がい者の人たちのリハビリや社会参加、技能訓練、そうして何より貝殻の研磨を作業工賃として払って仕事にできるようになったのです。
たくさんの障がい者の人たちが、楽しみながらこの貝殻キャンパス製造の仕事をしてくれるようになりました。
障がい者の皆んなが、グループを作って、手分けして研磨してくれます。障がいの度合いによって、やれる作業を分担することで、わずかな力でも、社会のために仕事をしたいという障がい者の人たちの願いがかなえられてきました。
私はこの貝絵アートを全国に広げて、もっともっと多くの貝殻キャンパスを製造し障がい者の人たちの仕事を増やしていきたい。
将来は、地域で廃校になった小学校の校舎を活用して、障がい者の人たちの研磨工場をたくさん作りたい。地域資源であるヒオウギ貝の貝殻を使ってローカルSDGs(地域循環共生圏)を目指したい。そんな未来の目標に向けてバックキャストの視点から、少しづつ試行錯誤を繰り返しながら計画を進めています。