久高島土地憲章
前文 久高島土地憲章(以下憲章という)は、次のことを確認して宣言する。
久高島の土地は、国有地などの一部を除いて、従来字久高の総有に 属し、字民はこれら
父祖伝来の土地について使用収益の権利を享有して現在に至っている。
字はこの慣行を基本的に維持しつつ、良好な自然環境や集落景観の保持と、土地の公正
かつ適切な利用・管理との両立を目指すものである。
第一条 土地の利用権を享受できる字民とは、以下の者である。
①先祖代々字民として認められた者およびその配偶者。
②字外出身の者で現在字に定住し、土地管理委員会および字会が利用権を承認する者。
第二条 字民は次の各種の土地について、次のような権利を有する。
①宅地
字 民は従来の屋敷地を利用することができる。字民は世帯主として家屋を築造するときは、
土地管理委員会の決定および字会の承認を得て宅地を利用することができる。
但し、土地使用貸借契約から二年以内に着工しなければ、土地を返還しなければならない。
また土地管理委員会は子孫不明または家祭祀の途絶えた屋敷地 についてはこれを回収
しなければならない。
②農地
字民は従来の割当地を利用することができる。字民は土地管理委員会の決定および字会の
承認を得て新たに農地を利用することができる。
但し、農地を五年以上放棄した者はこれを字に返還しなければならない。
③墓地字民は従来の割当地を利用することができる。字民は土地管理委員会の決定および
字会の承認を得て新たに墓地を利用することができる。
④その他字民は従来の利用地については、利用を継続することができる。
字民は土地管理委員会の決定および字会の承認を得て新たに土地を利用することができる。
但し、利用が済みしだい土地を原状に復して、字に返還しなければならない。
第三条 憲章にもとづいて土地の利用と管理を担当する組織として、土地管理委員会を久高島
離島振興総合センター内に置く。
第四条 土地管理委員会は区長、書記、字選出の村会議員、農業委員、郷友会代表者を含む
十三名で構成し、委員は区長(二回目からは土地管理委員会の長)の推薦をうけて字会が選出
する。
委員の任期は二年とし、再任をさまたげない。委員長は委員の互選による。
土地管理委員会の庶務は字の書記を充てる。
第五条 土地管理委員会は次の事項に関して審議および決定を行なう。
但し、決定は委員の三分の二以上の賛成を要する。
①土地の利用権の付与や回収など土地利用をめぐる一切の事項
②憲章等の違反に対する制裁に関する事項
③土地の改良・整備および植林・開墾に関する事項
④憲章の目的達成に必要または適当な事項
第六条 土地管理委員会は委員長がこれを主宰する。
委員長は定例会を一月と六月に招集しなければならない。
また委員長は必要と認めたときは臨時会を招集することができる。
第七条 委員長は土地管理委員会の業務状況について適宜字会に報告し、その決定については
速やかに字会の承認を得なければならない。
第八条 字は土地管理委員会の運営費として、毎年度予算を計上しなければならない。
第九条 憲章の基本原則を変更するには字会の総意を要する。
但し、その他の規則については、字会の定足数の三分の二以上の同意を得て改正することが
できる。
第十条 憲章を施行するための細則を別に定めるものとする。
附則
この憲章は昭和六十三年十二月三日から施行する。
附則(平成十一年八月十四日一部改正)
この憲章は平成十一年八月十四日から施行する。