ライト.a精神科学研究所では、毎月一回メールマガジンを発行しています。
2023年10月のメールマガジン163号のテーマは「家庭と社会の差から学ぶ」」-犯罪者を作らないために- です
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精神分析の理論を学ぶと、親・大人から教わったことや、自分が育つ過程で、社会で習い覚えた事の間違いを知ります。
例えば、門限を決められ遅れると怒られる。
躾と称して、日常の行動について注意されたり、お手伝いをさせられる。
本来家庭とは親の庇護の下に安心・安全の場です。
今、安心して親に甘えられた、これがまた次にも甘えられる。
今の安心から未来の予測性を子どもは作ります。
ここで怒られる、怒鳴られるなどの恐怖の体験が極力ないことがベストです。
もし、間違った時には怒るのではなく、説明され納得できるなら、
子どもは自分の可能性を十分に発揮できると考えます。
色んな物事に関心・興味を持って、対象に向かっていきます。
安心の予測性が信頼に繋がり、予測性は後の約束になっていきます。
家族の中では自由に振る舞い、怒られ裁きを受けない。
これを一般に“わがまま”といいます。
親や大人はこのわがままを子どもに許しません。
わがままを恐れます
家庭の中でこんなわがままをしていたら、きっと学校など社会でも家庭の中と同じようにわがままをして、社会適応できず人に迷惑をかけて、結局子ども自身が困るだろうと思います。
そのために、あれこれうるさく言って子どもを躾ます。
多くの人はこうして育てられたと思います。
ところがこれでは、家庭と社会の区別がありません。
どちらでもきちっと親や大人が言う事を守るしかありません。
どこで子どもは心を解放できるのでしょう。
家庭の家族の中では自由で、何をしてもいい。
しかし一歩外の社会では、していけないことがある。
この差があるから子どもはしていいことと、悪いことを学びます。
家庭と社会の差・区別がないと、どちらもしてはいけないことだらけで、していいことと悪いことを学べません。
この区別がつかないということは、犯罪者に向かう種を作っていることになります。
超自我の内在化ということにも関わります。
子どもは大人が考えるより賢く、差からどうあるべきかを考え学んでいきます。
していいことは、したいことをすること、これは欲望に繋がります。
それは、「欲望することはいいことだ」になります。
一方、家庭と社会の差がなく、してはいけないことが学べないので、社会でもどこでもやりたい放題です。
またはしたいことがあるができなくて、そのうちに自分がしたいことが分からなくなり、「欲望することはいけないこと」になっていきます。
これでは、自分のしたいことをして活き活きと生きていけません。
家庭の役割と機能と、社会のそれは全く違うものでした。
人間の心がどのようにして発達していくのか、それを全く知らないで家庭を作り、親になることは無謀なことだと精神分析に出会って知りました。
それを学ぶ場を社会の中に探すのは簡単なことではありませんでした。
遅ればせながらも、真理に出会えたことは幸運でした。
ライト.a精神科学研究所 登張豊実
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