エリア55レポート 

趣味を追求するオタクな日々

『女帝の古代王権史』読みました

2021年05月25日 | 読書
書影は版元ドットコムさんから


『女帝の古代王権史』で語れているのは
今まで女帝は“中継ぎ”だと思われてきたが
実はそうではなく
ちゃんと実権があり実力を評価されて天皇になっていた
と言う内容です

今まで何冊か天皇について書いている本や
女帝、女系天皇に関する本を読みましたが
“女帝は中継ぎ”と書かれていて
ずっとそうだと思っていました

私は歴史を専門に勉強した人間ではないので
当然のように今現在の感覚で歴史を見ていますから
系図を眺めながら
男帝の間に存在する女帝を見つけては
なるほど次になる男帝までの繋ぎなんだと納得していました

パッと見そう思えるんですよ
直系男子(息子)がいないように見えたりするので
(その系図が子を網羅している確証は無い)

推古天皇から孝謙天皇までは
女帝と男帝がほぼ交互に即位している
という文が初めの方に出てくるんですが
それには横っ面を張り飛ばされたような感覚になりました
系図を見るのが好きでよく見てるのに気づかなかったです!

単に交互に即してるから実権を持っていたとしてるわけではありません
在位期間に行っていることなどもそうなんですが
年齢が熟年で即位してるんですよ

今の感覚だと天皇が死んだら子が即位するのが当たり前ですけど
平安時代なんかは譲位が盛んに行われてて
幼帝が多く出てますよね
で実権を持ってるのが上皇や摂政です
ま、わかりやすいですね
子どもは政治できませんから…
反対に考えると熟年、壮年の大人が天皇に即位してた頃は
実際に政治を主導してたのは天皇だと考えられるわけです

そして今みたいに継承順位がはっきりと決まってるわけではないんですよ
こういう歴史の本を読み始めた頃一番意外だったのがこれです
継承順位が決まってない!!!
目から鱗でした
いや〜今の感覚で見ちゃいけないですよねw
システムが未熟というか
システムが決まってない時代なんです
それが政治闘争なんかを経て決まっていく
新しいシステムに切り替わっていくわけです

古代女帝の時代は天皇が実際に政治を行っていたので
考え実行できる年齢に達している必要があったし
一族の長老でなければ周りが従わなかった
反対に実力があり長老としての信頼もあれば男性女性は関係なかったんです

最初は父系原理/男系継承ではなく
双系的親族結合と長老原理だったので
実力のある女性も天皇になっていたということなんです

この事は歴史研究者の間では常識らしいです

今現在の男系男子のみが天皇に即位できる
継承順位があらかじめ決まっている
この二つが当たり前だと思っていると
いろいろ間違った受け取り方をしてしまうんですね
もちろん以前は歴史研究者もそういった間違った先入観で
女帝を“中継ぎ”としてしまっていたわけです


ヴァイキングの女性戦士もそうですね
ヴァイキングの遺跡から出土した高位の戦士の骨は
長いこと男子と考えられてきたけれど
DNA解析できるようになってから女性と判明してるんです
そうしたら今度は女性といってもトランスジェンダーだったのではないか
みたいなことをいう研修者も出てきたとか

先入観て怖いっすね!


『女帝の古代王権史』はとても読みやすかったし
内容も面白かったです
古代史や天皇制に興味のある方は是非読んでみてください










**コメントありがとうございます
OGULA AZUKIさん
胡瓜の最初の方の花は実らないってうちだけ?
私は常識かと思ってました^ ^;
今年は土の栄養が豊富なのか葉っぱがグングン大きくなってて
これからがすごく楽しみです^ ^












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