京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

ハッカといえばこの2種になるのだそうです

2020-09-07 12:06:09 | 雑学・蘊蓄・豆知識
賀茂川河川敷の土手沿いが草刈りされてきれいになっていたので「遅かったか!』と思いましたが、葵橋と出町橋に挟まれた河川敷で少しだけ残っていました。ニホンハッカ(日本薄荷)です。ぽつぽつと花を咲かせ始めています。




ニホンハッカはワシュハッカ(和種薄荷)と呼ばれたり、単にハッカ(薄荷)とも呼ばれますが、狭義のハッカとは2種だけなのだそうですがご存じですか。じつはセイヨウハッカ(西洋薄荷)と呼ばれるペパーミントと本種の2種類が狭義のハッカで、精油の主成分がメントール(和名では薄荷脳)のものをこう呼ぶそうです。もちろんミント類の総称の和名として広義の意味でハッカが使われることもありますので、ミント類に対してハッカと呼んでも間違いではないですよ。

そのニホンハッカとペパーミントのメントール含有率ですが、どちらのほうが多く含んでいると思いますか。ペパーミント? ニホンハッカ? それとも同じくらい? じつはペパーミントが精油成分の6割程度であるのに対しニホンハッカは8割以上なので、ニホンハッカのほうが多く含んでいます。なお、近縁種のスペアミントは精油の主成分がカルボンやリモネンになり、メントールはほとんど含まれていません。意外でしょ。


さてニホンハッカとペパーミントですが、一つひとつの花は同じようなかたちですが、つき方がちょっと違います。ニホンハッカは最初の写真のように対生の葉に腋生して茎を取り囲むように花がつく輪散花序で、このような状態が頂芽まで続きます。それに対しペーパーミントは穂状花序と言えます。




ただし西洋にもペニーロイヤルミントと呼ばれるメグサハッカという種があり、これがニホンハッカと同じような花の咲き方をしますが、精油の主成分はプレゴンだそうです。匍匐性のあるメグサハッカは花の時期だけ花茎を立ち上げるようにして花を咲かせます。

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