ピビンパな日々

韓国で働きながら日々感じたこと、思うことをすこしずつ。

音楽の力。

2010年01月18日 16時42分31秒 | 日々思うこと
冷静と情熱とあいだって映画を観ただろうか。
正直、映画自体にはなんか期待したほどの感銘はなかった。

映画館でも観なかったし。
たしかDVD屋で借りてきて、ソファにちぢこまった状態で座り、毛布にくるまって電気を消した暗闇の中で観た気がする。それが決まって一人暮らしをしていた頃の私の「映画を見る体勢」だった。
この条件の何か一つが欠けてもしっくりこなかった。

誰かと一緒に観ることもあったし、すっごい体や心が疲れて眠れないときに一人で観ることもあった。

…仕事をしながら、音楽をイヤフォンで聞いてたら急にその音楽が流れてきた。

ふいうちだった。

最初は正直、聞きなれた曲だけど、(あ…この曲何の曲だっけ?って感じだった。)

でもなんか曲を聴いた瞬間、すっごい苦しいような、もうどうしようもなくつらいような、むかし感じた懐かしい感覚をを久々に思い出した。
思い出し始めたら、もう止まらなくなって急に一度にわーっと忘れてた感覚がこみ上げてくる感じがして、すごいびっくりした。あのときかいだ匂いまでを一瞬にして思い出してた。
なんとなくいつも不安で、たくさんでいると疲れるけど、ひとりでいると余計なことまで
いろいろ考え込んでしまったあの当時の懐かしい感覚。
なんか急にあの頃とは何もかもが変わったこの環境の中で、急に気分だけがむかしに
戻った気がして、懐かしい反面、急に怖くなった。


むかし、ぽっかり空いてた心の穴がまた開いたのかと思った。


曲が何曲かながれ、ようやく落ち着いてくると、また…あの感覚はなんだったんだろうって思う。笑

むかしはなんか全部が全部不安定で、不安で、どこにも何も自分が定まっていない状態で、でもそれをどうすればいいかもわからない行き場のない戸惑いがいつも身近にあって、こんなだったなぁって。
いっつもベランダで空見てたなってのも思い出した。




そんなに暇ではなかったはずなのに。結構いろいろ忙しくしていたはずなのに、そうやってすごした時間は長かった気がする。

過去形だったと思ったものがこんな風にふいに現れて「今」の自分をびっくりさせて通り過ぎてく。
それは道端で聞いた音楽だったり、掃除していて見つけた手紙や写真だったり。
光よりも速い速度で過去の忘れていた記憶を呼び覚ましてしまう。

感情や味わった苦しみっていうのは
時間がたてば、忘れてしまうのではなく、心のもう少し深いところにしみていくのかもしれない。そして不意に何かに刺激されて生々しくよみがえって来てしまう。

音楽ってすごいなぁって思う。
なんかひとの心も忘れかけてた匂いも、一瞬にして思い出させてくれる。

いつどこで誰とどんな気持ちで聞いたかによって全然ひとによって違うから、正直こうやって話しても理解してもらえることはないのかもしれない。
でも、だれでも似たようなものはあるんじゃないかなって思う。
音楽が特に好きじゃなくても、やっぱりむかしどこかで聴いたり流れていた曲とか、映画やドラマの曲ったりとか、そんなのってあるんじゃないかな。

私は専門的に音楽をやったことがないから、よくわからないけど、それでもやっぱりむかし真剣にピアノの練習してたころは、弾きながら感情が高ぶって涙が出てくることもあった。
もともと感情を表現することが苦手だったから、いつも先生に怒られて、背中をぐいぐい押されて、そんな感じで弾いてたけど、ある程度仕上がってきた曲をひとりで弾いてると、感傷的になったりしたものだ。

boysⅡmen のアカペラで歌った Yesterdayを聞けば、中学生の多感な時期にいろんな考え事をしながら家に歩いていく帰り道を思い出すし、
エクスストリームの more than wordsを聞けば、試験前に友達といた高校の放課後の教室を思い出すし、
ビヨンセを聞くと、横浜でのひとりの時間と友達とわいわい遊んだ時期を思い出す。

そんな記憶と一緒に音楽は生きてるんだなぁって。そしてこれからもそんな曲が自分の中にどんどん残っていくんだなぁって思う。




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