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カワセミRの終活ノート

カワセミRが寝たきり、痴呆になっても意志は伝えたいので書き残し(遺し)ます。KとSは、参考にしてください。

闘病より逃病

2019年10月30日 | 治療
カワセミ「病気とは戦いません。仲よく付き合います」
検査・治療は不要

※週刊ポスト2017年12月8日号
がん治療せず「逃病」を選んだ人はどんな最期を迎えるか

治療を拒否するという選択をした人は?

 体に不調を覚えると、医師の診断を受けて病名と治療方針が示されたのち、病気が治るまで投薬や手術を受け続ける──これが一般的な「闘病」のプロセスだ。しかし、必ずしも正面から向き合うことばかりが病気との闘い方ではない。自分の人生を最後まで自分らしく生きるために、治療を拒否する「逃病」という選択をする人がいる。

 75歳のとき、肺に2cmほどのがんが見つかった玉木雄一さん(82)は、医師から「治療しなければ余命2年」と告げられて抗がん剤治療を開始したが、副作用に苦しめられて2か月で治療を中止、「逃病」生活を始めた。

「治療を受けませんでしたが、がんが見つかってから2年経っても日常生活に支障は出ませんでした。

 今年でがんになってから7年。宣告された余命よりだいぶ長生きしています。たまに胸水がたまって苦しくなるときがありますが、時間がたてば自然になくなるので、苦しい間だけ鎮痛剤を投与してもらっています」

 玉木さんのように、「逃病」を選んだ結果、余命宣告より長生きすることはめずらしくない。日本在宅ホスピス協会会長で『なんとめでたいご臨終』(小学館刊)の著者、小笠原文雄医師が指摘する。

「私の経験では、在宅ホスピス緩和ケアを受けた末期がん患者のうち、約3割が余命宣告より長生きしています。闘病のストレスから解放され、不安や痛みを取り除くことができることが、余命を延ばすことに繋がっているのではないでしょうか」

一方で、がんを放置することにはリスクもある。

 72歳の富田聡さんはステージIIの大腸がんが発覚したが、本人の意思で治療を行なわなかった。血便が出るたび、腹部にギリギリと締め付けられる痛みがあったが、短時間で収まるためあまり気に留めなかった。

 やがて腫瘍が腹部の皮膚に転移すると、今度は臭いに悩まされるようになった。

「痛みまでは我慢できたんですが、お腹から膿が出てきて部屋中に腐った臭いが充満するようになると、耐えきれず皮膚がんだけ切除しました」(富田さん)

 がんは成長を続けると、やがて腐って形が崩れ、皮膚を突き破ることがある。富田さんのような状態に到ることは、手術や抗がん剤治療を行なっていればほとんど起こらない。

◆「逃病」で幸せな最期迎えられるの?

 このように「逃病」を続けていくと、どのような最期を迎えるのだろうか。

 自らも10年前に顎の下にしこりを発見し、「これは、がんだ」と直感しながらも、その後精密検査を受けず「逃病」を選んだ社会福祉法人「同和園」附属診療所の医師・中村仁一氏(77)がいう。

「がんの場合、まず食が細くなり、毎日目に見えて痩せてきます。進行すると、今度は限られたものしか食べられなくなるので、栄養バランスが崩れて体がむくむようになる。最後には体が食べ物も水分も受け付けられなくなって脱水症状に陥り、ウトウトしながら眠るように亡くなります」

 多くの人は死の間際に訪れる痛みを怖れるが、実際には、死は穏やかで安らかなものであると中村医師は指摘する。

「進行したがんが神経まで侵食すると、しびれるような激しい痛みを伴います。しかし、この痛みは鎮痛剤で和らげることができる。むしろ、大半のケースでは鎮痛剤を打たなくても体が食物を受け付けなくなると、脳からモルヒネが分泌されて、苦痛から解放されるといわれています。

 例えば、大腸がんなら多少の出血により貧血を起こしたりするケースが出てきますが、そこまでがんが進行すると、1週間から10日程度で苦しまずに亡くなる人が多い。私が看取った患者たちは、まどろみながら安らかにあの世に旅立つ人ばかりでした」

※週刊ポスト2017年12月8日号

抗菌薬

2019年10月14日 | 治療
抗菌薬が効かない
「薬剤耐性(AMR)」が拡大!
一人ひとりができることは?
風邪を引いたからと抗菌薬をもらいに病院に行っていませんか?そもそも風邪などウイルスによる感染症に抗菌薬は効きません。抗菌薬は主に細菌に対して効果があるものであり、不適切な使い方により、その抗菌薬が将来効かなくなることがあります。いま、世界中で抗菌薬の効かない耐性菌が増加していることを踏まえ、政府は「あなたのリスク ほどよいクスリ」をキャッチフレーズに、薬剤耐性の拡大防止に取り組んでいます。薬剤耐性の仕組みと危険性 、拡大防止のために私たち一人ひとりができることを紹介します。

1.薬剤耐性(AMR)とは?
抗菌薬が効きにくくなる、または効かなくなること。耐性菌が世界中で増えています。
細菌やウイルスなどの病原体によって引き起こされる病気のことを「感染症」といいます。こうした感染症の中で、細菌が原因で引き起こされる病気に有効なのが、原因となる細菌などを殺したり、その増殖を抑制したりする働きを持つ「抗菌薬」です。抗菌薬(※1)により、様々な感染症の治療が可能となりました。
しかしながら、1980年以降、従来の抗菌薬が効かない「薬剤耐性(AMR(※2))」を持つ細菌が世界中で増えてきており、すでに、抗菌薬への耐性を持つ様々な細菌が確認されています。このため、感染症の予防や治療が困難になるケースが増えており、今後も抗菌薬の効かない感染症が増加することが予測されます。

※1 抗菌薬
実際の医療では、細菌に対して作用する薬剤の総称として使われており、抗生物質や抗生剤とも呼ばれています。本稿では細菌に限定して記載しているため、抗菌薬と表記しています。

※2 薬剤耐性:AMR (Antimicrobial resistance)
特定の種類の抗菌薬が効きにくくなる、または効かなくなることを、「薬剤耐性」と言います。本稿では、耐性を得た細菌を「耐性菌」としています。なお、薬剤耐性は、細菌だけではなく、ウイルスや寄生虫(原虫)でも確認されますが、本稿では細菌に限定して記載しています。

耐性菌が増えると、抗菌薬が効かなくなることから、これまでは、感染、発症しても適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が、治療が難しくなって重症化しやすくなり、さらには死亡に至る可能性が高まります。

特に、免疫力の弱い乳幼児や妊婦、高齢者、また、持病を持つ人は、感染症にかかると重症化しやすいため、耐性菌が広まり使用できる抗菌薬が減ると、命の危険が高まります。
薬剤耐性(AMR)の拡大防止は、私たちにとって非常に重要なことなのです。

2.薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐには?
抗菌薬は、必要な場合に、適切な量を適切な期間、服用しましょう。

薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐためには、感染症にかかり抗菌薬を必要とする機会を少なくすることや感染症を周りに拡げないようにすることに加え、医療の現場で、ウイルスによる感染症を始めとして、必要のない抗菌薬を処方しないという取組が重要です。そのためには、医師に自分の症状を詳しく説明し、医師が適切な診断を下せるようにしてください。

それと同時に、私たち一人ひとりが抗菌薬を適切に使用することも重要です。
例えば、「この薬は必ず5日間、飲み切ってくださいね」と医師から指示された薬を、症状が軽くなったからといって途中で止めてしまったことはありませんか?また、「1回2錠を飲んでください」などと指示された薬を、勝手に1回1錠に減らして服用したことはありませんか?
医薬品は、医師や薬剤師の指示から外れた使い方をすると、十分な効果が期待できません。特に抗菌薬については、こうした不適切な使い方をすると新たな耐性菌が出現するリスクが高まります。
薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐためにも、抗菌薬を服用する際は、医師や薬剤師の指示を守って、必要な場合に、適切な量を適切な期間、服用しましょう。

もしも以前に処方された抗菌薬が残っていても、それを自己判断で飲むことは止めましょう。似たような症状でも、原因となる細菌が異なる場合がありますし、例え同じ細菌だとしても、中途半端な抗菌薬の使用は、耐性菌を増やす原因になりかねません。

また、耐性菌には、有効な抗菌薬がないことがあるため、まず感染しないことも重要です。感染を予防するためには、日ごろから、正しい手洗いの徹底やアルコール消毒、マスクの着用、うがいなどが重要になります。また、生活や食事、休養などに配慮して、健康に気をつけることも大切です。
私たち一人ひとりが、抗菌薬に対する正しい知識を持ち、正しい使い方をすることで、薬剤耐性を広げないようにしましょう。

コラム1
なぜ薬剤耐性(AMR)が広がるの?
必要のない抗菌薬を服用することで、体内にいる細菌がその抗菌薬への耐性を持つ可能性が高くなります。また、処方された抗菌薬の服用を自分の判断で途中で止めるなど、指示された服用方法を変更してしまうと、残った細菌から耐性菌が出現する可能性が高くなります。こうして生まれた耐性菌が周囲の人々に感染していくことで、薬剤耐性は広がっていきます。そして、抗菌薬の効かない細菌が広まることで、感染症に対する有効な治療法がなくなってしまうのです。

3.薬剤耐性(AMR)への取組はどうなっているの?
各国が協調して拡大防止の取組を本格化

もし、世界のどこか1か国で耐性菌による感染症が流行した場合、人や物の交流を通じて世界に拡大するおそれがあります。薬剤耐性(AMR)の拡大を防ぐには、国際的な取組が必要です。
こうした状況を踏まえて、WHO(世界保健機関)は、次のような注意喚起を行っています(※)。
「薬剤耐性により、これまで以上に増加している細菌、寄生虫、ウイルスや真菌が引き起こす感染の効果的治療や予防が難しくなっている。
薬剤耐性は、世界規模の公衆衛生にとって深刻化する脅威となっており、全ての政府機関や社会が行動を起こす必要がある。」
※WHO:Antimicrobial resistance Fact sheet
参考)・公益社団法人日本WHO協会「薬剤耐性対策の状況分析」

薬剤耐性菌について

2019年10月14日 | 治療
薬はいりません。以下参照(カワセミ)

薬剤耐性菌について
2017/9/1

皆さんこんにちは。感染症科の矢野と申します。

皆さんは「薬剤耐性菌」という言葉を聞いた事がありますか?今回は、最近よくニュースで耳にする「薬剤耐性菌」の話と、皆さんでもすぐにできる対応法についてお話ししたいと思います。

薬剤耐性菌って?
抗菌薬(抗生物質)が効かない菌のことです。私たちは普段、肺炎などの細菌感染症の患者さまに対して、原因となる菌に合わせた抗菌薬を使用して治療しています。しかし薬剤耐性菌が原因の場合は、通常用いる抗菌薬が効かないことがあります。全ての抗菌薬が効かない場合は治療方法がなくなってしまうのです。これは世界的な問題であり、2016年には伊勢志摩サミットでも議題として取り上げられ、日本でも国が薬剤耐性(AMR: antimicrobial resistance)対策アクションプランを作って対策を進めています。

薬剤耐性菌はどうして生まれるの?
薬剤耐性菌は抗菌薬を使うことで生まれます。菌を殺すための抗菌薬を使うことで、なぜ抗菌薬が効かない菌が現れるのでしょうか。

おおざっぱに説明しますと、細菌も生き物なので、生活環境が悪くなると生き延びるために環境に合わせて自分を変化させます。抗菌薬で自らの生存が脅かされる時には、抗菌薬に耐えられるように自らの性質を変えたもの(耐性菌)が一定の割合で出現します。抗菌薬を使えば使うほど、その数も増えることになり、私たちの前に現れるのです。

耐性菌を生まないために私たちができることは?
私たち医療従事者ができることは、患者さまに抗菌薬が本当に必要かどうかをよく吟味して、不要な場合は使わないことです。また、必要な場合はその患者さまに感染症を起こしている菌だけを狙い、他の菌には影響を与えない抗菌薬を無駄なく選ぶこと(これを抗菌薬の適正使用と言います)です。

私たち感染症科は病院内では血液から菌が検出された患者さまをはじめとして、他の診療科からご相談をいただいた患者さまを一緒に診察させていただき、抗菌薬の適正使用に取り組んでいます。院外では、感染症に関する勉強会や、学会などの活動を通して、抗菌薬の適正使用に関する情報を発信しています。

次に、皆さん(患者さま)がすぐにできることをお話しします。

まず、抗菌薬に対するイメージを変えて欲しいと思っています。時々、「熱が出たら抗生物質」と思われている方がいらっしゃいます。抗菌薬は魔法の薬ではありません。熱がでる病気でも、抗菌薬が必要なものと不要なものがあります(表)。必要ではない状況で使われてしまうと、耐性菌を生み出したり、かえって体によくない副作用も起きてしまうことがあります。

抗菌薬が不要な感染症の代表格は「風邪」や「ウイルス性腸炎」です。抗菌薬(抗生物質)は細菌による感染症しか治せず、ウイルスによる病気を抗菌薬で治すことはできません。皆さんがもし発熱や風邪で医療機関を受診された時は、主治医に抗菌薬を求めるのではなく、どのようにすれば症状がよくなるかを相談してください。

病気(疾患) 一般的な原因 抗菌薬?
ウイルス 細菌
かぜ/鼻水、気管支炎/せき・たん(元々元気な成人/こども)、インフルエンザ、咽頭炎(溶連菌以外)、滲出性中耳炎、
溶連菌咽頭炎 〇 要
百日咳 〇 要
尿路感染症 〇 要
(出典 https://antibioticawarenessjp.jimdo.com/資料集/)

もう一つ、皆さんができることは「手指衛生」です。耐性菌は人間の手を介して広がることもあります。亀田総合病院には泡状のアルコール製剤が各所においてあります。病室、診察室、検査室から出る時などはこのアルコール製剤を使って「手指衛生」につとめてください。

以上、簡単ですが耐性菌のお話しをさせていただきました。このコラムを読んでいただいた皆さんが、明日から抗菌薬の適正使用にご協力くだされば幸いです。