歌舞伎役者・中村勘三郎さんの襲名披露公演のチケット代など約２１００万円を勤務先から詐取したとして、警視庁は９日、東京都渋谷区の「ヤマノホールディングス」元社員野田喜一郎容疑者（４０）＝横浜市港北区小机町＝を詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。
捜査２課と原宿署などの調べでは、野田容疑者は「ヤマノホールディングス」のブランド管理課長を務めていた時、同社が傘下企業の顧客のために購入した襲名披露公演のチケット約７００枚分の代金や協賛金などをだまし取ろうと計画。０５年２～３月、勘三郎さんの後援会名義の請求書を偽造し、勘三郎さんの所属事務所に支払う約２１００万円を自ら開設した後援会名の銀行口座に入金させ、だまし取った疑い。容疑を認めている。
だまし取った金はリース業やタレントのマネジメント業など自分が経営する複数の会社の運転資金などに使ったという。捜査２課は、逮捕容疑分を含め０５年１～１０月に計３千数百万円を詐取したとみて裏付けを進める。