プレーヤーとリハビリの狭間で

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帰還、中学、公認レフリー!

2010年08月27日 22時48分24秒 | Weblog
 お久しぶりです。
 一昨日に菅平から帰還いたしました。
 現地ではじぶんの高校の練習試合を計11試合担当、人生でもっとも笛を吹いた10日間となりました。
 10日間で11試合、1日1試合ならいいのですが、途中で関東協会のB級公認試験や、関東トップレフリー研修などと重なり、うちの試合が協会に提供されたため、1試合も笛がない日があるのですね。
 ということは、1日で2試合担当する日もざら。ひどい時は1日に3試合、6ハーフ担当の日もありました。 この日はさすがにぐったりでしたね……プレーヤーは1日2ハーフ前後とはいえコンタクトを伴うゲームをこなしているのだと思い頑張りましたが、集中力が持ちませんね。
 いろいろな学校と、いろいろなグレードの試合を吹いて、また協会からいらっしゃったレフリーにもコメントをいただけて、収穫の多い合宿であったかなと思います。
 チームも強豪校相手にいい試合をしたようです。全勝とはいきませんでしたが。
 しばらく練習試合はないみたいで、レフリーはお休みですね。



 さて。
 この菅平で、どれだけBIG4が適用されているのか?
 また、自分の担当する試合で、どれだけ適用シーンがあるのか?
 これをしっかり確認しておくことがテーマにありました。
 結論から言うと、まず自チームにおいてBIG4、中でも目玉だと思われるホールディングのペナライズは、驚くほど減りましたね。自分やコーチによるプレーヤーへの意識徹底が功を奏したのでしょうか。中には、ディフェンスプレーヤーがボールキャリアーを“リリース”することのアピールである上半身の動き、いわゆるChicken Wingを行うプレーヤーもいましたね。

 で、他のレフリー、とくに協会派遣のレフリーの方々が、このホールディングをペナライズしていたのかどうか。随所に見られました。それも、外から見ていて納得いく基準での笛です。僕の感想としては、「字義通り確実にペナライズされていた」という感じです。
 ただ、協会のレフリーではない場合はまったくペナライズされていなかったり、その基準にばらつきを感じることも多かったですね。各校レベルでの周知は今一つといった感じでしょうか。

 とはいっても、これはつまりシーズンに入ればちゃんとペナライズされる気配があるということになりますから!



 菅平から帰ってきて、付属校の先生に声をかけていただき、初めて中学ラグビーの笛を吹く機会を頂きました。
 20分×4ハーフ吹いたのですが、これがもうさんざんでした…
 普段、自チームの試合を吹き慣れすぎているせいか、まずグラウンドに到着してからのアウェイ感に堪えられず……完全に挙動不審に陥りました……
 困ったことです。この先、自チームでない試合を吹くことになった時、一体どうなってしまうのでしょうか。
 そんなことで試合前からペースを崩されっぱなしでキックオフ。
 まず感じたことは試合がものすごく静か。暑かったからでしょうか?3年生の試合なのに、高校とは比べ物にならないほど選手同士のコミュニケーションの声がない。すごい違和感を感じてしまい、なぜか僕がペースをつかめません。普段の、選手たちのやかましいほどのコーリングではないのです。
 そして、こちらのプリベントのコールやジェスチャーが、通じている気がしない。。。中学生に分かりやすいようにと、高校の時よりは丁寧にかけてあげたつもりなんですが、なんというか…こう一方通行で…
 全くキャッチボールになっていないのですね。ですから僕がなんか1人でがんばってるみたいになってしまって、やりにくいこと。

 そんなこんなで最後までペースをつかみ切れず、なかなか悲惨な感じで終わりました。唯一うまくいったことと言えば、ポジショニングかなと。ターン→ボールラインの動きもスムーズだった気がするのですが、よくよく考えてみると15人制より3人もFwが少ないのですね。そりゃぶつかることもないってことで、ポジショニング◎の要因は“人が少なかった”ことではないかと。。。

 リベンジしたいですね、中学ラグビー。



 さて。
 ジャパンラグビートップリーグ2010-2011は、9月3日の秩父宮、三洋電機ワイルドナイツ vs 東芝ブレイブルーパス で幕を開けます。
 そして、このトップリーグを担当する、平成22年度 日本協会公認A級・A1級レフリーが先日、発表されました!!!
 http://www.rugby-japan.jp/about/committee/refree/2010/top_ref.html

 昨年度A級の藤さんは今年度Aを辞退してA1級に。そして昨年度A1の麻生さんがAに昇格されています。
 注目すべきは今年度A1昇格の4氏ではないでしょうか。工藤さん、塩崎さん、藤内さん、真継さん。全員存じ上げていますが、4人もA1に昇格したということがすごく新鮮です。そして、藤内さんは僕の所属する神奈川県出身です!うちの高校も練習試合で吹いて頂いたことが何度もあるので、藤内さんの笛はなんども見ていてなじみ深いのです。そんな藤内さんの笛をトップリーグで見られるということで、ここ数日テンションあがりっぱなしです!!!
 何より、こうして4人も昇格すると、何か、すごい刺激を受けますよね。なぜか自分のことのように嬉しいです。何ででしょうね?真継さんは去年度の花園でみましたし、工藤さんには吹いて頂きました。塩崎さんは未だお目にかかっていないのですが。
 昇格されたレフリーの方々、応援しています!!!

 ■平成22年度 日本協会公認 A級レフリー
○8名、今年度昇格1名、辞退1名。
相田 真治 Shinji AIDA
麻生 彰久 ※ Akihisa ASO
桜岡 将博 Masahiro SAKURAOKA
下井 真介 Shinsuke SHIMOI
谷口 かずひと Kazuhito TANIGUCHI
戸田 京介 Kyosuke TODA
原田 隆司 Takashi HARADA
平林 泰三 Taizo HIRABAYASHI
※昇格

■平成22年度 日本協会公認 A1級レフリー
○13名、今年度昇格4名。昨年度A1級レフリーで今季認定なしは4名。
大槻 卓 Taku OTSUKI
河野 哲彦 Tetsuhiko KAWANO
工藤 隆太 ※ Ryuta KUDO
久保 修平 Shuhei KUBO
塩崎 公寿 ※(*) Kimitoshi SHIOZAKI
藤内 有己 ※ Yuki TONAI
藤 実 Minoru FUJI
細樅 勇二 Yuji HOSOMOMI
堀江 学 Manabu HORIE
牧野 伸孝 Nobutaka MAKINO
松岡 辰也 Tatsuya MATSUOKA
真継 丈友紀 ※ Tomoyuki MATSUGU
吉浦 忠孝 Tadataka YOSHIURA

※昇格
(五十音順)

注: 平成21年度日本協会公認A級レフリー
藤実レフリーは、本人都合により辞退。(10月6日付)
注: 平成21年度日本協会公認A1級レフリー
篠原克行/山田智也の2名は、本人都合により辞退。

(*) 崎は正しくは「山」へんに「竒」


菅平

2010年08月05日 21時17分34秒 | レフリー
 こんにちは!
 ごぶさたぶり(ごぶさた+おひさしぶり)です。
 前回の更新から2カ月近く空いてしまったでしょうか。

 さて、うちの高校も菅平合宿の時期が近付いてまいりました。
 県の選抜メンバーに選ばれている選手は一足先に上がっていますが。
 少し前ですが、菅平高原に土砂崩れ警戒情報?が発令されていたようです。菅平、涼しいですしグラウンドも整備されていますし合宿には最適な環境だと思うのですが、唯一欠点なのがその気候ですね。都会のゲリラ豪雨ではないですが、夕立というか、急な雷雨に襲われることが多い。尋常じゃない雨量です。そして、割とすぐに止んでしまう。
 嫌な気候ですね。

 今年は、日本協会の掲げる「JRFU戦略計画2010-2019」に基づき、初の試みとして夏の菅平で中学生の全国大会、「第1回 全国中学生ラグビーフットボール大会」が開催されるようです。
 中学生って全国大会はないのですね。しいて言えば都道府県選抜チームが花園で「全国ジュニア・ラグビーフットボール大会」をやっているようですが、高校の花園のようなイメージとは程遠い。2019年のラグビーワールドカップ日本開催に向けた代表強化に、中学生から全国大会の実施が必要だと判断されたのでしょう。
 とは言っても、今年は第1回ですから、規模は小さめ。中学校の部とラグビースクールの部に分かれ、それぞれ4チームの計8チームが2日間、それぞれの部でトーナメントを行います。出場校は関東協会所属2、関西協会所属1、九州協会所属1と、三地域から代表が選ばれている格好です。どうやら三地域協会の推薦のようですね。
 “本年度より、三地域協会推薦による中学校チーム4チーム、ラグビースクール4チームによる大会を創設し、今後段階的に大会フォーマットを整備し発展させてゆくことを目指します。
 (日本ラグビーフットボール協会Webページより)
 ということですから、年を重ねるごとに発展していくことでしょう。楽しみですね!

 ルーリングにも大きな変更点が。ルール改正ではないようですね。ルール解釈の変更ですから、Lawsの文言に変更はない。

 今年はBig4と呼ばれる、4つに大別された変更箇所があります。ちょっと前に県のレフリー・ルール講習会がありました。そこでもだいぶ物議を醸していたというか、困惑というか、とにかく、レフリー・プレーヤーともに対応できるのかという不安を感じます。
 Big4は、

 ・タックラー
 ・スクラム
 ・ラインアウト
 ・キックオフサイド

 の4点ですね。大目玉はタックラーかと。競技規則第15条「タックル」6.(c);
 “(c) ボールキャリアーの相手側プレーヤーがボールキャリアーを地面に倒しタックルが成立したら、立ったままでいる相手側プレーヤーは、ボールとボールキャリアーを放さなければいけない。その後、立っているいずれのプレーヤーも、ボールの後方、かつ、自陣ゴールラインに近い側のタックルされたプレーヤーまたはタックラーのいずれかの真後ろから、ボールをプレーすることができる。
罰:ペナルティキック


 この条文の前半を解釈しなおしたということでしょうか。とにかく、タックルの成立(=ボールキャリアーがディフェンスプレーヤーに捕えられて地面に倒されること)にかかわったすべてのディフェンスプレーヤーは、一度ボール及びボールキャリアーを離してからボールにコンテストしなければいけない。究極のノット・ロール・アウェイですよね。
 反則名としては“ホールディング”だとか。ルールブックにシグナルも載っていますよ。あくまでも、ルール解釈の変更ですから、ちゃんと競技規則に載っている内容なのです。

 このルーリングを伝達されてから6試合ほど吹きましたが、けっこうありますね。特にうちの高校はジャッカルプレーを得意なプレーとして教えてきましたから、今までナイスプレーであったジャッカルプレー、ビハインドを取りに行くアシストタックルからのジャッカルなどが、すべてペナライズされてしまうわけです。たまりません。
 そして、この“ホールディング”の反則があるということは、ノット・リリース・ザ・ボールをペナライズするシーンというのは極端に減ってくるのではないでしょうか。ノットリリースの反則が最も起きるシーンって、タックル成立からラック形成までの間ですからね。

 このような話をプレーヤーにしたり、このルーリングでペナライズしていて言われたこと。「自分がボールキャリアーでボールに絡まれたら、自分から寝に行けば、ディフェンスプレーヤーはボールを放さなければならないので、ペナルティもらえるかボールキープできるんじゃないか」と。要するに、絡まれてやばいと思ったらとにかく寝にいく。膝をついてからも、ディフェンスプレーヤーがボールに絡みつつづけたら、それはホールディングとペナルティがもらえる。

 よく考えると、「タックル」とは「ディフェンスプレーヤーに倒された」場合ですから、自分から倒れたケースはこれに該当しない。したがってホールディングは取られませんね。
 でも、自分から倒れたか相手に倒されたかなんて、そう簡単に判断できるケースばかりではありませんから。。。
 レフリー泣かせのルーリングという感想ですね。

 実際、どのくらいの基準でペナライズされているのか。
 菅平でそのあたりをしっかり観察してきたいと思います。