朝からゲネプロの様子をニュース番組で取り上げられ、痩せて、テンション低めの猿之助さんを見て、不安が大きくなってくる。
不安と期待が入り乱れ、軽い胃痛を感じながら、劇場へ。
入り口には、素敵な絵看板が。
劇場前にはTV局もいて、ロビーなどもざわつき、落ち着かない雰囲気。
そして…
<第1幕>
まずは、ナレーションが入る。
筋書によると、この声、今月夜は勘九郎くん、昼は七之助くんというごちそう。
来月は、誰?
板付きはやっぱり猿三郎さん。オークション司会。(正確には支配人ディスコ)
何ででしょう?幕開きの第一声率高くない?
可愛い人魚ケイミーは、猿珠さん。
確かに、人魚姫みたいにかわいいから適役だな。
肝心の麦わらの一味は、花道からの出。
やっぱり出てくる時はテンションあがった~
なんだかんだ言って、皆クオリティが高いというか、原作のイメージにかなり近づけてある。
しいて挙げるなら、ルフィ以外の男性が原作にかなり近い。
心配されたチョッパーは、ウソップがパペットとして使いながら登場。
うんうん、チョッパーはあの姿がかわいいんだよね~
石橋直也くんは、デカいver.のチョッパーで一安心。(サイズ的にそんなことだろうとは思ってたけど)
デカいver.の出は、“四の切”をアレンジ。
あの「出があるよ!」的な(実際は「こっちだよ!」だった気も…)な花道烏屋からの呼びかけ、もっとはっきりしないと分かりにくい。
鳴物のドロドロと、揚げ幕のシャリンという音にかき消されていた。
チョッパーは2幕目でも小ネタ?あり。
麦わらの一味は、この第一幕前半だけ。
一応最後にも出てくるけど、ホント形だけだし。
フランキーが最後まで誰なのかピンと来なくて、家で筋書みたら、なんと猿若さんじゃないか~!!
く~、私としたことが…
フランキーを始め、皆化粧がすごいから、お弟子さん達を認識するのは苦難の技。
段一郎さんファンの私でさえ、今回は吹き替え要員だから、お役はなし?
なんて思って筋書みたら、瀧二朗さんと一緒に護衛兵として出てたことが判明。
なんてこったい…
多分あそこかなという所があるので、次回ガン見しちゃる!
立ち回りも楽しかった~
それぞれの得意技も披露。
ゾロの“鬼切り”とか、サンジの足技とか。
名乗りもちゃんとあって、『プレミアの巣窟』とかで稽古場の風景はここ。
このときのナミ(春猿さん)、ちょっとドキッとさせられて、更にちょっぴりカッコいい。
そうそう、ナミって気っ風のよい江戸っ子っぽいところがあるよなぁ。
バーソロミューくまに吹っ飛ばされ、 ルフィが飛ばされた女ヶ島アマゾンリリーの場。
出てきました、ハンコック!
素敵!
なんだけど、早変わり特有の眉バンド(正式名称わかんない)が、ちょっと浮いてて、いかにも~って感じ。
あれ、もうちょっとピッタリしたものにならないのかな?
そしたら、もっと、「おおっ!」って感じになると思うんだけどな。
ハンコックの海老ぞり。
正面向いたままだったので、ちょっと残念。
あれは横向いてやった方が、インパクトあるのでは?
アマゾンリリーの場は、女形の女子力の高さに脱帽。
春猿さんはなにもいなくても女!って感じのところに、サンダーソニアの口裂きをちゃんと描いてあってgood!
笑也さんは、ちゃんと胸を作ってあるし。
段之さんも黒髪でホントに美しかった~
最近婆さん役が多かったから、惚れ惚れしちゃった。
また、段之さんと喜昇さんのやりとりがすでになんだかおかしくって、
ここは千穐楽までいろいろアドリブでいじって来るんじゃないかな?
アマゾンリリーでの宴では、話題になっていたゴムゴムのアナログver.を披露。
ここでは、な、なんと、
スキップする猿之助さんが見られる!!
意外とリズム感あります。(失礼?)
やっぱり歌舞伎俳優は基礎がきちんとできているので、ダンスはできるってことかな?
この幕の終盤に、エースが登場。
火拳も披露したけど、なぜか拍手おこらず。
なんで?
次回は拍手しなくちゃ。
幕間には素敵な定式幕が。
<第2幕>
ハンコックに協力してもらい、インペルダウンへ。
入口に門番の兵が4人並んでいるんだけど、右から2人目に瀧二朗さんが!
この瀧二朗さん、地味(?)に小ネタを仕込んで笑わせてくれる人。
“ヤマトタケル”の時も隠れてた瓶が割れて出てくるのに、被り物だったり化粧がおかしかったり。
今日は、黒縁丸眼鏡に頭のてっぺんにちょこんと俵おにぎりのような髪の毛がのってた。
これもいじってくるのでは?
この第2幕の見ものはなんといっても、
みっくん(巳之助くん)のボン・クレー!!
多くの登場人物の中で一番クオリティが高いというか、原作そのまんま!
配役を聞いたときから、これは絶対みっくんならうまくやるはずと思ってたけど、最高!
白鳥を背中に背負ったときには、
キター!! って1人ガッツポーズ取っちゃったよ。
だみ声なのが、ホントにボン・クレー!って感じなんだけど、初日からこのテンションだと、喉が保つのか本当に心配
ボン・クレーにショックを受けているのもつかの間、そこに続くニューカマーランドもまた衝撃的!
隼人のイナズマは、原作と違う感じ(筋書のイラストと比較して)だけど、美しいから許す!
群を抜いているのが、やっぱり浅野さんのイワンコフ、通称イワちゃん。
原作はこのあたりほとんど読んでなくて、
1ヶ月位前にアニメの再放送でちょうどインペルダウン監獄からの脱出をやってたのを少しだけ見たので、イワちゃんは大体分かる。
浅野さんのイワンコフが出てきたときは、最初ピンと来なかったけど、よくよく見ると、薄紫のパンチパーマでなるほどという感じ。
少々?貧弱だけど、濃ゆい感じがイワちゃん。
ま、あの拵えは、イワちゃんだろうとなかろうとホントに衝撃的!
見るだけで笑っちゃう。
それと、私の中でもう一人衝撃的な方が…
その名は、猿四郎さん!!
澤瀉屋の立師として、いつも敵役など渋めのお役が多いんだけど、な、なんとハイレグ&網タイツ姿で登場!
ソロのダンスパートでは、バラをくわえて 踊っちゃうし、見てて、え?え?いいの?え?
と、こっちは同様が隠せず…
その姿での立ち回りもあって、私は気づかなかったけど、ちゃんと内股で動いていたそうだ。
ニューカマーランドは、いろんな人が本当にオカマ!っていう拵えで出てくるから、面白かったけど、悪夢を見そうな…
そして、本水での立ち回り。
今回は隼人(イナズマ)とみっくん(ボン・クレー)。
若者よ!がんばれ!
猿之助さんが今回かっこいい所は、若手にと言っていたのは、こういうことか…
猿之助さんがいた方がこっちとしては更に盛り上がるんですけどね(笑)
センターブロックは3列目までビニールシートの配布が。花横はもうちょっと後ろまで、配られたみたい。
初日は手加減してるのか、感覚がつかめないのか、3列センターでもほとんど水はかからず。
次回は、最前列だし、開演して1週間経ってるし、危険かも…
そして、白鳥を背負ったみっくん(ボン・クレー)が花道を六方で引っ込んだら、いよいよ猿之助さんの宙乗り!!
今回は斜め宙乗りという変わった技法。
更に、波乗りということで、足に小さなサーフボードをつけての宙乗り!
よく見ると水色のサーフボードの裏には、金色で三ツ猿が!
ゆずの北川悠仁さん提供の『TETOTE』が流れ、オカマさん達が手を叩いて歌いながら客席に流れてくる。
客席も一体になって、リズムを取る。
猿之助さんはゆずのライブを観て、客席と一体に慣れる演出をしたいと言っていたので、これは成功では?
クジラの大きな風船が、客席の上をそよぎ、気分爽快で3幕目へ。
幕間の舞台も見所かな。
<第3幕>
一幕目でも出てきた黄猿ボルサリーノの猿四郎さん。
パンチパーマにグラサンって、前の幕のオカマとのギャップありすぎでしょ~
黄猿、青雉、赤犬、それぞれの悪魔の実の能力の見せ場があって、カッコいい。
青雉クザンのヒエヒエの攻撃は、紙吹雪を飛ばすのと同時に、客席の頭上をグルッと回る宙乗り。
SHOCKの演出にこんなのなかったっけ?
凍らされてしまったルフィを助け出すエース。
抱き合うシーンにちょっぴり涙。
見所の一つがエースと赤犬サカズキの対決。
エースのメラメラの実で火を操り、サカズキはマグマグの実でマグマを操る。
この火の戦いは、旗を使って、まさに『ヤマトタケル』の“焼津の場”のよう。
“焼津の場”は大好きな場面なので、この二人の戦いもすごく気分があがってくる。
舞台向かって、下手にエース、上手にサカズキが立ち、二人の間で立ち回りの方々が逆立ちしたりしてポーズを。
ここ、よく見ると、
《サカズキエース》
って読めるようになってる!
この演出好き~
エースが身代わりに殺され、ショックを受けるルフィ。
ジンベエ(猿也さん)が、
「ルフィ、しっかりするんじゃ!しっかり~!」
と、ルフィを抱えながら下手袖へ。
ん、もしかして、早変わりへの準備
そうしたら、出てきました赤髪のシャンクス!!
正直再現率低めだけど、ロングブーツという姿に、レア感があるので許します
数々の戦いで傷ついた身体に、追い討ちをかけられるエースの死でボロボロのルフィ。
アマゾンリリーで、癒やしてもらうことに。
女医ベラドンナとして、竹三郎さんが復活!
原作ではビキニ姿の若い女医(!)だけど、今回は控えめな優しい感じで。
80才を越えているとは思えない美しさで、思わずためいきがでちゃう。
星ヶ浜で、侍女達があかりを灯す場面は、
その前までの激しい立ち回りなどで高ぶっている私達観客の気持ちも鎮める良い場面だと思う。
「仲間がいるよ…」
(たしか原作では、仲間がい゛る゛よ゛と濁点付き)
まだ猿之助さんの中で消化仕切れてないのか、やや不自然な感じが否めず
大事な一言なので、心に響くセリフにして欲しい。
最後は、サウザンドメリー号に麦わらの一味が集結し、天竺徳兵衛のように船を動かし、船の舳先でルフィの、
「海賊王に俺はなる!」
決め台詞で幕。
しかし、冷静になってみると、俺は海賊王になる!(順番逆)にならなくて良かった~
ちゃんと言えるかちょっと心配だったからね
<カーテンコール>
ちょっと記憶があやふや…。
興奮してたし…。
まず、ハンコックの姿の猿之助さんがゆっくりとご挨拶。
幕がしまると、なんと、会場内に『TETOTE』が流れ、定式幕に原作、脚本、演出などが表示される。
幕が開くと、立ち回りなどの方、名題下の方、名題の方達というような順で、出てきて一礼。
そして、真ん中からルフィの姿の猿之助さんが!
ここでも早変わりを見せる猿之助さんの演出がにくい!
一度幕が下りて、もう一度上がると、
脚本の横内謙介さん、音楽の藤原道山さん、衣裳の竹田団吾さんが登場。
そして、何度か挨拶したあとに、最前列に並んでいたメインキャストのみ花道まで挨拶に。
満場のスタオベで幕。
3幕目ラストでの決め台詞。
「海賊王に俺はなる!!」
猿之助さんがこの台詞を言ったとき、猿之助さんの目が潤んでいた。
この話が来てから、本当に苦労しかなかったと思う。
作りながらもこれで観客が楽しめるのかと悩んだと思う。
猿之助さん、成功ですよ!!
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