ちまっと観劇(感激?)生活

四代目猿之助丈の舞台をはじめ、主に歌舞伎の感想を。

キャスト(マシュー・ボーンのシンデレラ2018)

2018-10-14 00:23:00 | バレエ

大好きなマシュー・ボーンのバレエ。

今回も全16公演の内、5公演を堪能。

そして、細かいキャストを見極めようと頑張った成果をまとめました。

 

<シンデレラの家族>

  ロバート(父)

    =アルフォンソ(カフェドパリのバンドリーダー)
    =3幕3場テムズ川北岸通りのココア店?の店員

  イレーヌ(金髪の長女)
    …バスターというボーイフレンドがいるが、カフェドパリでディック(ハリー友人)を気に入る

    =3幕2場ロンドンの地下鉄でタンバリンをもっている制服の何かの団体職員のような人

  ヴィヴィアン(茶髪の次女)
    …スタンというボーイフレンドがいるが、ちょっと冷たい

    =3幕2場ロンドンの地下鉄でハリーと抱き合う娼婦

  マルコム(ゲイの長男)
    …洋服を作ったり編み物をしたり。バスター(イレーヌのボーイフレンド)といい仲

    =3幕2場ロンドンの地下鉄で制服を着て出てくる何かの団体職員のような人

  ヴァーノン(足フェチの次男)
    …ジュディというガールフレンドがいる

    =3幕3場テムズ川北岸通りで、シンデレラの靴をハリーから取り上げ投げ合うチンピラの1人

  エリオット(飛行機遊び好き三男)

    =3幕1場ロンドンの通りでシンデレラの靴を拾う子供
    =3幕2場ロンドンの地下鉄で毛布にくるまってる
    =3幕3場テムズ川北岸通りでシンデレラの靴を投げ合うチンピラの1人

  

<ボーイフレンド>

  バスター
    …イレーヌ(長女)のボーイフレンドだが、マルコム(長男)といい仲

    =3幕2場ロンドンの地下鉄の男娼
    =3幕4場療養所でシビル(継母)を連行する医師の1人

  スタン
    …頭に小さな帽子?を着けているヴィヴィアンのボーイフレンド。
     カフェ・ド・パリで階段を下りてくるときにパイロットに間違えられる 

    =3幕2場ロンドンの地下鉄で娼婦の相手の男
    =3幕3場テムズ川北岸通りのココア店?の客
    =3幕4場療養所で咳払いする医師


<ガールフレンド>

  ベティ
    …眼鏡にパンツスタイル、道化的役 

    3幕2場ロンドンの地下鉄の娼婦の1人

  ジュディ
    …スカート姿の制服。ヴァーノンのガールフレンド?

    =3幕1場ロンドンの通りでシンデレラの靴を拾う子供の母親
    =3幕2場ロンドンの地下鉄の娼婦の1人
   

<ハリーの友人(カフェ・ド・パリから登場)>

   トム
    …ヴィヴィアンと踊る。

    3幕3場テムズ川北岸通りタキシード姿の男性の1人

  ディック

    …腕に金色の三本線がある黒っぽい制服姿。イレーヌ(長女)と踊る。

    =3幕2場ロンドンの地下鉄の男娼の1人(上手側少し手前にいる)
    =3幕4場療養所でシビル(継母)を連行する医師の1人
   

<カフェ・ド・パリの客>

  フローラ
    …主にウィルフレッドと踊る。

    3幕5場パディントン駅で最後にエンジェルに肩をたたかれる女性?

  メイベル
    …主にモンティと踊る。

    3幕3場テムズ川北岸通りハリーに手を差しのべる女性

  モンティ
    …主にメイベルと踊る

    3幕2場ロンドンの地下鉄の男娼の1人 

  モンティ
    …主にフローラと踊る

    3幕2場ロンドンの地下鉄の男娼の1人
    =3幕3場テムズ川北岸通りタキシード姿の男性の1人(ハリーを殴る方?)

  


ワンピース歌舞伎 大阪公演 見どころ(ネタバレ満載)

2016-03-18 07:31:10 | 歌舞伎

先日、どうして観たくって弾丸で大阪公演を見に行ったは良いものの、東京公演との違いが多すぎて、レポにするのが一苦労。
書き終わるまでには相当時間がかかりそうなので、とりあえず見どころだけ、例によって箇条書きにしてみた。

東京公演の見どころとかぶるところもあります。


<第1幕>

・ケイミーちゃんの水槽がリアルっぽくなった。

・大チョッパーの出。花道から「こっちだよ~」という声に、知っているからと言って振り向かないと損(郁治郎さんが花道まで出てきて、「あっちあっち」と指差す。)

・乗り込んできた中将ストロベリーが、電伝虫を使っている。

・サンジの『ムートンショット』が膝乗りを入れ、スケールUP。

・立ち回りの後にケイミーをお姫様だっこして出てくるサンジ。

・ ウソップ(チャルさん)が「すっとする方と迫り来る危険とどっちがいいんだよ!?」というとナミ(春猿さん)とロビン(笑也さん)「すっ~とする方」と答えるとき、ウソップがすっ~とする方でやる動作を真似する2人。(日替わり)

・ハンコックの美しさに倒れる戦士。1人目が三久太郎さん、2人目の蔦之助さんの野太い声。「あ」「ぅえ」
日によって言葉が違う

・ルフィを助けたマーガレット。笑野さんを見れるのは、大阪公演まで。

・ハンコックの湯浴み準備の時のエニシダ(段之さん)&ラン(喜昇さん)のやり取り。

・宴で侍女たちに泳げないことをからかわれ、すねるルフィがかわいい。

・宴での猿之助さんのキレッキレのダンス。

・「俺、ゴムだけど…」と麦わらの一味を思うところ。舞台後方上段に、麦わらの一味。始まってすぐ、ゾロに怪しい物を注がれるウソップ。

・1幕最後のハンコックが小林幸子。


<第2幕>

・サディちゃんのSMプレイ(ハンニャバル、特にマゼランとのやり取り)

・サディちゃんのムチムチの太ももとぷっくり艶々の真っ赤な唇。

・ボン・クレーの「これもなにかの“えん”之助!」が「これもなにかの“えん”“えん”猿之助!」とアレンジ。

・囚人たちが奥から花道に走りこんでくるとき、囚人の一番後ろからダズ・ボーネスが、トテットテッと走り方がおかしい

・花道からルフィとボン・クレーがやってくるとき、後ろから来るボン・クレーが転んで「“おかま”いなく」といった後のルフィの「もう!!」

・穴に入ったルフィのために監視をしているボン・クレーに横からかかってくるハンニャバルの息のあった立ち回り。

・毒の息にやられらルフィにボン・クレーが2回「死なないで~」いうと、待ってました、ニューカマーランド。

・檻を両脇に動かすメイド達の足が後ろにかわいく跳ね上げている

・ブルーグリーンのおかっぱの矢絣メイドが穴井さん。切れ長の目と、なんといってもセンターでばっちり踊る。

・生死をさまようルフィに声をかけるちびチョッパー(猿くん)。猿之助さんが抱っこ。

・勢ぞろいでバラ持ってダンスの前に、ダズ・ボーネスにハチマキをかけようとするチャルさん。やり取りを指差すボン・クレー。
イワ様のセリフ「前向きな悪人が好き」に合わせ、親指を立ててウインクするボン・クレー。

・イワ様(浅野さん)の「革命の“か”の字」のパントマイム。
それに続くイナズマ(隼人)とのやりとり。(ボッ!)

・ラインダンス。左側中央から2番目。人一倍足があがっているのが、穴井さん。

・ニューカマーのケイ(チャルさん)のセリフがご当地ver.で関西弁

・今はすっかり外さなくなった、イワ様(浅野さん)の乗り地のセリフ。 合わせる猿之助さんもカワイイ。

・ボン・クレーver.のハンニャバルの赤いほっぺ。

・本水の前、赤い幕の前で見送るイワ様とニューカマー達。黄緑色のアフロ(嘉島さん)がわざとイワ様(浅野さん)の邪魔している。東京より邪魔度UP

・本水の前、赤い幕の前での猿四郎さんと市瀬さんの立ち回り!


・本水の前、赤い幕の前でのサディちゃんとマゼランのSMプレイ
サディちゃん「私は守りなんて嫌!」
マゼラン「もっと!もっと!」

・本水。マゼランの毒の息を避けようとボン・クレーが傘をさすが、たまに壊れて開かないときがある。

・本水。 後半でハンニャバルと署長マゼラン、サディちゃんにやられそうなボン・クレーヘの、イナズマの叫び。「ボン・クレー!!!」

・ボン・クレーのおかま六方への一連の流れ

・ラストの宙乗り。澤路さんに「G-SAWA(じーさわ)!!」って声をかけると喜んでくれる。

・右近くんや平さんが囚人姿で舞台でうろうろしている。
右近くんはよく猿くんを肩車してる。


<第3幕>

・おつるさんの「しようのないこだね~」。

・白ひげのグラグラの実の力で、背景が揺れるとき、客席両壁の映像も揺れてる。

・白ひげとルフィの対面。白ひげのハナったれ発言に対して、ルフィの「ジジイは寝てろ!」

・マルコの宙乗りがめちゃめちゃカッコいい

・エースと対面したルフィのところにくる青雉クザン。『氷河時代』の時の助走がすごく速い!

・それとエースにやられて、「なんじゃこりゃ」

・エースとともに戦うルフィ。お互い目で合図をする。

・ルフィとエースの立ち回りの時の平さんのジャケットプレイがいちいちカッコいい。
とくに、二の腕見せ。

・海軍に火の攻撃をするエース。花道からの『火炎』 で、ドーベルマン(澤五郎さん)のヘルメットも火を噴き、ヘルメットを脱いで頭を確認する澤五郎さん。

・赤犬サカズキ(嘉島さん)とエースの戦い全部!

・マグマの様子を客席両壁に映し出している。

・“サカズキVSエース” と読めるところ。

・サカズキに刺されそうになるルフィを助けようとするときの、エースの表情。(サカズキとの距離感をちらっと確認するところがリアリティがある)

・シャンクス。(東京公演よりガラッと変えてカッコいい)ただし、ユニクロのステテコか?

・マリンフォードの場のあとに花道からルフィを探すニョン婆とベラドンナ(竹三郎さん)の「ルフィ~」が本当に心配して探している感じ。

・星が浜での猿之助さんの早変わり。

・最後の出航のとき、壁や天井に虹や鳥などが映し出されている。

・カテコの最後に囚人服姿で名題下の最下手にならぶルフィの吹き替えの段一郎さん(松竹座では見逃してしまった…)


本当はちゃんとレポを書きたかったけど、忙しくて間に合わないので、ザザッと書いてみた。


私的に、ここだけは今回本当に見逃せないと思うのが、

1幕での猿之助さんのダンス。
2幕でのサディちゃんのプレイ。
3幕でのマルコの宙乗り。平エースのジャケットプレイ。

far far timeはお約束。


ワンピース歌舞伎 大阪公演1回目

2016-03-13 17:48:53 | 歌舞伎

東京公演と違って、大阪公演では遠征になるので、そうそう見に行けない。

もともと連休を使っての遠征で複数回観るつもりだったけど、
演出をかなり変えているといろいろな情報が飛び交っており、そこで大人しくしてられない私。
毎日戻り券をチェックし、虎視眈々と弾丸日帰り観劇を狙い続け、行けるタイミングと良席が見事にマッチ。
今日の弾丸日帰り観劇に至った。

気づけば松竹座に着いたのが、開演20分前。
ワタワタしながら劇場内へ。
ロッカーに行ったり、番附(関西では筋書って言わないんだよね)を買ったりしている間にあっという間に開演時間。
まともに番附をチェックする時間なし。


まるで東京公演初日の時のような緊張感。


<第1幕>

昼の部の今日は、勘九郎くんのナレーションで始まる。

「富。名声。…」

この言葉を聞くと背筋がのびるような感じでより緊張が高まる。
そして、“TETOTE”のslow ver.が流れると泣きたくなるような感じでジーンとしてしまう。

このときルフィとエースの子供の頃のエピソードが映像で流れるんだけど、東京公演よりも絵が大きく感じた。
ゴールド・D・ロジャーの絵も今までは影としか見えなかったけど、今日は顔の部分がうっすら見えた。

そして第一声はもちろん猿三郎さんのディスコ。
ここは変わりなくて嬉しい。
ふと見ると、拡声器みたいなもの持ってる~!
電伝虫とは違う感じ。

東京公演と同じように奴隷、悪魔の実の紹介。
そして、人魚のケイミーちゃん。
下手から出てきたのは、ハンコックの入浴シーンのような円柱状のものにカーテン。
??
カーテンが開くと中にケイミーちゃん。
それが光の屈折をうまく使って水槽っぽさを出していた。
さらに、ケイミーちゃんの足がちょろちょろ動くのが、本当に人魚のようだった。
もちろんケイミーちゃんは美しい猿珠くん。

東京公演では、ケイミーちゃんのオークションが始めるにあたって、
猿三郎さんがハンマーを叩く瞬間に合わせて、
花道烏屋から麦わらの一味の「待った、待った~」の声がかかって、麦わらの一味が登場したので、
そのつもりで待ち構えていると、なんとセンターのセリからチャルロスが


東京公演では、花道から椅子に座って奴隷達に運ばせていたのに、今回は奴隷達を椅子代わりにして登場。

ケイミーちゃんのことをうまそうだみたいなことを言って、ディスコが「チャルロス様のお買い上げ~!」と叫んだところで、
「待った、待った~!」と麦わらの一味が花道に登場!
と、なんと一番後ろにははっちゃんが!
確かはっちゃんって、ケイミーちゃんのオークションを止めに麦わらの一味が現れて、そこに上手から出てきたんじゃなかったっけ?
「いけねぇよぅ」みたいなこと言いながら。

で、ゴチャゴチャ揉めてるところに
「待て!俺の仲間に何すんだ~」
とルフィのパンチ が飛んでくる。
この「待て!」って東京公演では、「待ぁて~」っちょっとためた言い方だったのが、今回は「待て!」と短い言い方に。

そして、舞台奥上段にルフィが登場!
髪が短くなってる!!
噂には聞いていたけど、以前より少年っぽさが出てる。

でも、ちょっと太った??気のせい?


東京公演では、奴隷市場の兵隊達と戦って、麦わらの一味達の名乗り。
一息ついてから、海軍が現れて戦闘。
黄猿が現れて、バーソロミューくまに飛ばされるという流れ。

今回は、ルフィ登場の後、
花道から海軍中将ストロベリーがいつものように電伝虫を使いながら登場。

そして、麦わらの名乗り。
演舞場は広かったので、奥の上段に全員並べたけど、
松竹座は狭いので(横の座席数で比較すると演舞場は42、松竹座は26で間口の狭さが明らか。)並べない。
階段を使って、ハの字に並んで名乗り。

   ロビン ルフィ ナミ
  サンジ       ウソップ
 ブルック
ゾロ    チョッパー  フランキー

大チョッパーの出の「こっちだよ~ん」は郁治郎さん。
誰が言っているのか確認するために、思わずそっちを見てしまった。


そこから、戦闘シーン。
サンジの戦闘は、スケールUP。
絡んでくる海兵の膝に乗るシーンも。
このシーンの舞台写真発売されたら買っちゃうかも(笑)

ゾロの『鬼切り!』も東京公演より言うタイミングを少し間をあけた気がする。

一通り戦闘を終えて集まってくる麦わらの一味。
その時に、サンジがケイミーちゃんをお姫様抱っこしてくる。
東京公演の時は、海兵との戦闘が始まる時にケイミーちゃんをお姫様抱っこして袖にはけていた。

そして、「万が一の時は3日後」と東京公演では言っていたはずが、今回は、深夜に待ち合わせを決めていた。
幕が振り落とされ、シルエットでバーソロミューくまに飛ばされ、麦わらの一味が散り散りになってしまうのを表現するけど、
東京公演より、バーソロミューくまの動きが分かりやすく、手で弾かれて飛ばされているのがよく分かった。


麦わらの一味が次々と吹っ飛ばされ、
最後に残ったウソップが、ルフィの行方について説明して、暗転したと思ったら、次の瞬間、ニョン婆が花道七三に!

幕が開くと、喜昇さんのランがセンターで侍女たちの踊りが始まった。

え、えっ?

戦士たちは???

と思ったら、途中から戦士たちが加わった。

花道でのアマゾンリリーの戦士たちの踊りがなくなってしまった
穴井さんが先頭でダントツに上手いダンスを見せてくれて、
東京公演ですっかり穴井さんに魅せられた私には、見逃せないポイントだったのに~

そして「ハンコック様の御帰還~」で幕が開くかと思いきや(東京公演では幕が開いて階段最上段に猿之助ハンコック)、
花道烏屋からハンコック!  後ろからエニシダ(段之さん)

エニシダの拵えが!
金髪にブルーのアイシャドウ。モンローさんだ~
案の定、ラン(喜昇さん)との例の問答の後上手袖に引っ込むとき、

「私、誰かに似てるって言われるんです。ププッピドゥ~」

よく見ると、ほくろもある。
こっちもおもしろいけど、私は東京公演のエニシダが美しくって好きだったな~

ハンコックの入浴シーン。
幕が開くと、なんと真ん中にバスルーム。
しかも、猿之助ルフィが花道から登場。(東京公演では下手袖から登場
松竹座の小ささを逆手に取った上手い演出。

ハンコックの手を取って、「お前案外いい奴だな」で、ハンコックがメロメロになり、ニョン婆の「さもありなん。鼻血は出てないかい?」もちゃんとある。


そして、アマゾンリリーの宴の始まり!
「女ども!宴だ~!」のルフィのかけ声で、条件反射的に観てるこっちのテンションがあがる。

幕が開いた!と思ったら、チャンチャラチャチャンって、花笠音頭?
東京公演では、東方神起張りのダンスから始まってノリノリ~だったのが、思わず拍子抜け。

でも、侍女達に泳げないことなどをからかわれ、拗ねて花笠を投げるとノリノリのダンスの始まり!
キタ~!しかも、グレードアップしてる!
かっこいい~!


東京公演の後半でも注目してしまっていたのが、ルフィが麦わらの一味を思い出すところ。
舞台奥上段で麦わらの一味のそれぞれ好きな酒を飲んでいるけど、
後半からゾロがウソップに怪しい飲み物を注いで、それを素直に飲んだウソップのリアクションが楽しめる。
時には、あまりのまずさに声が出ないことも。

今日はどうかな~?って、猿之助さんには目もくれず、ゾロ&ウソップをガン見。
あ!何か液体注いでる!
飲んだ!咳込んだ! ウソップ、セリフ言えてないよ!ってことはやられた?
どうやら東京公演同様にゾロにいろいろやられてるっぽい。

(チャルさんのTwitter情報では、松竹座では今日が初めてだったって。
毎日どんなものが注がれているか、Twitterで教えてくれてる)

笑ってる場合じゃなかった。
エースが捕らえられているという情報から、黒ひげとエースの戦い。
東京公演では、セリ上がりだったのが、なんと麦わらの一味の後ろに張ってある船の帆がはずれて登場。

来ました。 平エース!
うん!かっこいい!

ただ残念なのは、自分の頭の中が完全に福士エースで擦り込まれてて、違うと感じてしまう自分がいたってこと。
平エースもなんとなく手探り感があった。

戦桃丸が「エース、生け捕ったり~!」と勝ち鬨を上げると海軍勢揃い。
東京公演では、花道スッポンからセンゴク(浅野さん)に舞台上段に海軍三大将と海兵だったのが、
今回浅野さんの姿はなく、なんと舞台センターからつるさん(門之助さん)が椅子に深く腰かけて、足を組んで登場。
ちゃんと“正義”のマントを着てて、三大将と一緒に“正義”を見せるところも。

そして、第1幕ラスト。
ハンコックの見せ場。
ちょこっとだけ噂でパワーUPしてるとは聞いていたけど…
度肝抜かされちゃいました~!

猿之助さんがリフトでセリ上がると共に松竹座の舞台全面に広がる衣装。

小林幸子だ~!! 

しかも、確か東京公演では舞台上に金色の紙吹雪が降る程度だったのが、両袖から噴射。
ホントスゴ過ぎる…


<第2幕>

喜猿さんらしき声で、インペルダウンの説明が流れる。

すると、舞台から、パシッ!パシッ!と鞭を打つ音が!

ん?東京公演と明らかに違うぞ?

な、なんと第2幕の初っ端から、右近くんのサディちゃんが、平エースを拷問!
サディストっぷりを見せつけてくれた。
漫画のサディちゃんは露出が多い、きわどいコスチュームだけど、歌舞伎でそこまで露出するわけにはいかない。
でも、ピンクのヒョウ柄のピッチピチの衣装で、日本舞踊を踊る人特有のパンパンに張った太腿が目立つ、目立つ。
結構再現率高いんじゃない?


東京公演では、第2幕は、ハンコックがドレスにルフィを隠して、インペルダウンに連れてきたところから始まって、ハンニャバルと看守がハンコックにデレデレで、ハンコックの美しさとルフィへの暴走愛を表現していたところだったけど、それが丸々カット

「あ・り・が・と・う」=「ア・イ・シ・テ・ル」  が、無くなっちゃた~(泣)

あそこ好きだったのに~ 


第2幕のオープニングがガラッと変わってしまって、まさかハンニャバルもいないの?なんて心配してたら、上手からちゃんと出てきました(笑)

ここでもサディちゃんは、看守に向かって、
「サディ“ちゃん”ってお呼び!」とかSっ気たっぷり。


そろそろルフィに話を戻してみる?

ダズ・ボーネス達がいる監獄でルフィが看守達に見つかり、パンチで吹っ飛ばすところ。
ガッツポーズがかわいい!
東京公演でも最後の軽いガッツポーズはあった気がするけど、今回は力の入りっぷりが違って、足も上がっちゃう。

そこで
「麦ちゃん!」と声がルフィにかかる。
ルフィ「ん?誰だ?」

「あちしよぅ!ボン・クレーよぅ!」
と来ましたボンちゃん!と思ったら、ん?囚人服の色が違う!

東京公演では、ピンクのスパンコールの縞だったのが、黒のスパンコールに。
ちょっと地味っていうか、パンチにかけるっていうか…

多分サディちゃんのカラーがショッキングピンクで、被っちゃうからなんだろうなぁ。
その辺の色のバランスは歌舞伎的なのかな?

でも、巳之助くんのボン・クレーは健在!

ルフィが牢獄を抜け出した後を、追いかけるボン・クレー。
「こんな地獄でダチとの再会!これもなにかの“猿”之助!」でポーズを決める(見得ではないよね)けど、今回は、
「これもなにかの、縁!えん!猿之助!」と3ポーズ(笑)
この辺もパワーUPしてる。

マゼランの毒に傷ついたルフィに、チビチョッパーが語りかけるところ。
東京公演では、花道スッポンからチビチョッパーが現れて、舞台センターにいるルフィと話しかけ、
ルフィに駆け寄って来て、「お肉食べて~!熱く燃えて~!」と体を揺すって、
最後2人でガッツポーズでセリで降りていく。


今回は、ルフィの「俺、このまま死ぬなぁ…」とセリフに対して、
花道七三にパペットチョッパーが現れ、「死んじゃダメだよ!ルフィ!」というセリフの後、
うすどろが鳴るという一段階を経て、スッポンからチビチョッパー(猿くん)が登場!
やっぱりチビチョッパーかわいいなぁ~ 

ルフィが七三に歩み寄り、一連の会話は花道七三で。
最後のガッツポーズで、なんと猿之助さんが猿くんを左腕で抱っこ!
子供好きの猿之助さんらしい演出でかわいい!


ベルばらダンス(勝手に命名。薔薇を持って整列して踊るから)が始まる前に、
ニューカマー“ケイ”(チャルさん)が、
「イワンコフ様!ダズ・ボーネス以下6名、我等と共に戦いたいと申しております!」
というところが関西弁に!
(関西人ではないので、違うと思ったけど、うまく再現できず…)
なんかいい感じ。

浅野さんの乗り地、外さなくなったなぁ。
東京公演の時は、観客も俳優陣もハラハラしながら、観てたのに(笑)

松竹座では、ニューカマーで嘉島さんと市瀬さんのお役がチェンジ。
今回は、青いネコ耳頭に、シルバーのジャケット、蝶ネクタイのニューカマー“ミー”を市瀬さん。
黄緑色のアフロ頭に羽を背負ってるニューカマー“サッチン”を嘉島さん。

東京公演の嘉島さんの“ミー”がさすがちび玉!って感じでかわいくって、今回のお役チェンジは、残念~って思ってた。

でも、お役チェンジにはそれなりの理由がちゃんとあるのよぅ!

なんとベルばらダンスの後、本水の場の前。
赤い幕の前でニューカマー達の立ち回りで、シミズ(猿四郎さん)とミー(市瀬さん)の立ち回りの場面が追加!
東京公演では、お盆を使った簡単な立ち回りだったのが、
脇差し(?)を使って、音楽もちょっと仕事人風(ギターでジャラランみたいな)のを流して、一つの見せ場に。
立ち回りの得意な2人にきちんと見せ場を作るところがニクイ!
その前の場面の、小汚ねぇオッサンのシミズの話との対比も面白い演出。


ボンちゃんver.のハンニャバルも健在。
ほっぺに赤い丸(●^o^●)をつけて、ボンちゃんver.って分かりやすくなってた。


ここからは、サディちゃんが加わった事で、結構演出が変わってた。

東京公演では、海兵を騙して追い払ったところにマゼラン署長が出てきて、バレちゃった~みたいな流れ。

今回は、追い払ったところにサディちゃんが現れたので、

ハンニャバル「こら、サディ!(←ここポイント)なにをしている!」

サディちゃんはハンニャバルを鞭で叩き、
「ハンニャバル様は、私の事をサディ“ちゃん”と呼んでくれます。」
そこで舞台袖から、
「そうだよねぇ!サディちゃ~ん!」
と声がして、マゼラン署長が現れる。

さらにここからが、面白い!!(やり過ぎの感もあるけど。)

マゼラン「サディちゃんは、守りを固めて下さい。」
サディちゃん「守りなんて、嫌~!私は攻めたいの~」

とサディちゃんは、マゼラン署長を鞭攻め。
そこはやっぱりオメッティ(男女蔵さんと呼ばず、あえての。)

お尻を突き出し、「う~ん、もっともっと~!」

ってそんな演出でええんかい!

さらに、その後オメッティは、(原作知らないけど、これはマゼラン署長ではなく、完全にオメッティのキャラな気がする)
「ハイ、分かりましたよ!」(この言い回しが…)

なんだかなぁ、もう…

サディちゃんは、ハンニャバルをよつんばにさせ、
「あたしの足をお舐め~!」 って、右近くん、なりきってます。
マジでそっち?って不安に…

あまりの演出に、笑いを通り越しで目がテンになりつつ。

その後の花道でイナズマとサディちゃんの立ち回りがすごい!
若さなのか、スピーディー!

イナズマの「我が身は捨て石になろうとも~」に対して
「そうはさせるか、二枚目野郎!そのイケメンをブッサイクに変えてやるわ!」とサディちゃん。
ブサイクの言い方がかわいい。(笑)

本水の立ち回りには、サディちゃんも乱入。
地味~に蹴り上げたりして、水かけやってます…
ラストの大量の水は、東京公演では、イナズマだけにかかってたはずが、
今回は、イナズマを中心に、マゼラン、ハンニャバル、サディちゃんも一緒に。
迫力が半端ない。


<第3幕>

大幅に演出を変えたという第3幕。

噂では、もう一人宙乗りをするということでそこもかなり気になる。


しかし、1、2幕で体力を使い切るのか、3幕は遊びが少ないからか、私、3幕のレポが苦手…


1幕でセンゴクが出て来ない演出になったので、この幕の最初で初めてセンゴクが出てくる。

この幕でまず最初に違う!って思ったのが、白ひげ海賊団。
あのかっこいい尺八の音楽と共にせり上がってくるのは、同じだけど、並んでいる仲間が全然違う。
東京公演では、白ひげにマルコなど他10人。しかも半数は海賊としか役名がなかった。
今回は、各隊長をちゃんと出してきて、なんと12人。
(この辺は原作を読んでいない所だから、再現率については不明)

で、右近くんのマルコがかっこいい!
何でしょう、面長の顔が再現率をあげてる?(笑)

海軍に追い込まれる白ひげ海賊団。
白ひげを目標に砲撃の指示をするセンゴク。
ここは、プロジェクションマッピングで壁にセンゴクが映しだされて、
「続きは地獄でやりたまえ。」というのだけど、東京公演よりも、残忍というか、厳しい印象を与える。

そういえば、喜楽くん達からマルコ役を取り上げちゃう分、他に役をちゃんとあげますって言ってたけど、
確かにここで、喜楽くんのリトルオーズJr.に見せ場がある。

ちなみに同じくマルコ役だった坂東八大さんも、16番隊隊長イゾウ役がついてる。


そこで、3階の方からのマルコ(右近くん)の声。

「待てぃ、海軍ども!そうはさせねぇ。白ひげ一家、逆襲だよい!」

なんと3階の烏屋からマルコが飛んできた!
その飛んでいる姿がまさしく不死鳥マルコ。
鳥のように美しい姿!
しかも、途中で回転。花道の上で再び上昇し、回転!
もう、すげー!しか言えない!
むちゃむちゃかっこいい~

着地後、「この覇気を食らえ!て~ぃ!」もかっこいい。

もう、右近くん、大活躍! メロメロ~

全体的に平エースはまだ固い印象。
旗の扱いも、赤犬サカズキ(嘉島さん)に負けてます。
でも、平エースはまだ始まったばかり。この先の成長?変化?が楽しみ。

青雉クザンの攻撃を受けて傷ついたルフィを介抱する平エース。
「お前に助けられる日が来るとはな」がちょっと照れくさくいうのが兄貴って感じでステキ。

ルフィとエースが共に海軍と戦い、「俺達は永久(とこしえ)に兄弟だ!」と見得をきるところが、
東京公演では花道まで二人で来てたのが、
今回は、本舞台で左右に別れて、それぞれで見得を切っていた。
う~ん、前の演出でこの二人のver.が観たかったなぁ。

平エースで、私が刺されたのは、赤犬サカズキに殺されそうになったルフィを全力で助けに行くときの表情。
ホントに必死で、マグマの刃との間合いを確認しながら、間に入る。
福士エースの時には、気づかなかっただけなのか?

あの必死な表情には、本気が溢れていた。


エースが死に、傷ついたルフィが引っ込み、シャンクスの出。

背景も違うんだけど、今回のシャンクスが、
めちゃめちゃかっこいい~!!

東京公演の時に、再現率が本当に低くてがっかり~っていう声が届いたのか、
ガラッと変えて、かっこよくなってる!再現率も上がってる!

但し、厚底ブーツは健在。しかも、履いてるのは、UNIQLOのステテコ?という感じ。
でもかっこいい

星が浜の場。
ハンコックから傷ついたルフィへの早変わりの方法が変わった。
東京公演では、ジンベエが上手袖に投げ、戻って来た時にはルフィだったのが、
その場面はなく、気づいた時にはルフィに。


あれ?見逃したみたい?  久々にやられました。

再現率の高かったシルバーズ・レイリーの場面が無くなったのは寂しいけど、
最後に間延びしちゃってた感じがなくなり、すっきりまとまったラストにはなった。

 

こんなに演出が変わるとは… 東京公演とは別物と思えるほど。

俳優、劇場に合わせた演出にできるって本当にすごい。 



元禄港歌 大阪大千穐楽

2016-02-14 14:35:10 | 歌舞伎
演出は東京千穐楽と変わった感じはない。
(御贔屓さんの話では違うらしいんだけど)


Twitterのフォロワーさんから、大阪公演もパンフレットは変わらないと聞いていたので、追加購入はなし。


ちょっと気になったのは、コクーンで掲示してあった上演スケジュールは、1幕、休憩、2幕となっていたけど、パンフレットを読むと3幕構成になっていた。

とりあえず今回は前後半としてみる。


<前半>

波の音が聞こえてくるだけで、胸が締めつけられる気がした。

東京公演は2回観たけど、そのどちらも下手側。
今回上手側だったということと、3回目ということで猿之助さんをガン見せず、あちこちに目を配ることができた。


幕開きの人形、よく見ると最後に上手にすーっと引っ込む後ろ姿に尻尾!!
まさしく狐の白い尻尾で、『葛の葉子別れ』で猿之助さんの後ろで舞う白狐だったのか!


東京公演の時から思っていたけど、この舞台のセットは椿の木。舞台全体に椿の木がまるで森のよう。
これも信太の森を思わせる。


一転、賑やかな港町の様子。
万次郎が荷車(大八車?)に乗り込んできて、騒ぎが始まる。
この場面って万次郎がやんちゃなあほボンって印象を観客に一発で植えつけている。

ふと、万次郎の荷車の後ろにどこぞかの番頭さんらしき2人が話をしている。よく見ると段之さんじゃん!
最初から出てたのね~

騒ぎの中、糸栄達とはぐれてしまった初音が、信助と出会う。
その中で、子供の時に出会っているかもなんていう会話が。

もしかすると実は本当に信助と初音は子供の頃に会っていた。
信助は全く覚えていないが、初音は初恋でその思い出を大切にしていた。

実際に港町に瞽女の一団が現れ、お浜が、「信助が帰ってきたから、うちに来て演奏してくれ」と糸栄に伝えた時、初音にも「えっ!?」みたいな緊張感が走ったように見えたことから、初音が信助さんのことを知っていたと考えられる。

つまり初音は幼い頃の思い出から、信助のことをずっと思っていた。そこに再び優しくされ、思いを募らせていく。

一方、信助は昔の記憶はないが、初音の美しさと儚さにやられて、恋心が一気に燃えていった。

これなら信助と初音があっという間に思いを交わすのが納得できる。

深読みすぎ?


糸栄の『葛の葉子別れ』の弾き語り。

下手に座る筑前屋の男3人の聞き方が三者三様。

信助だけが正座。
ここで信助の人柄と糸栄に対する思いが出ている。

平兵衛は胡座で手酌。
いかにも大店の主人という威厳が感じられる(体格の問題?)
でも、声を詰まらせる糸栄をみて、感じることがあるようで、渋い表情に。
また、お浜が「糸栄は年頃の頃はべっぴんで、若い男達が夢中になっていた」という昔話をすると、焦って酒を口にする。

万次郎は、最初は俺は特に興味ないし~という感じでマイペースで呑んでいる。
しかし、歌春に見合い話があると聞き、落ち着かない様子で続けざまに酒を口にするが、信助に制される。

耐えられず席を立つ万次郎。
出て行く時に、そっと歌春の左肩に触れる。
また、歌春がその触れられた肩を愛おしそうに触れるところが、かわいいんだよね。

弾き語りから、合奏になるとき後ろの襖を模したものを使用人が開けてるんだけど、なんと下手側が澤路さんではないか!
澤路さんが、ブログで見つけにくいと言ってたのはここか!
一瞬だったけど、上手側は段一郎さんだったような…

『葛の葉子別れ』をお浜の後ろで泣きながら聞く番頭の段之さん。
手拭いで何度も涙をふくんだけど、よく見てるとその手拭いで、あの高そうな水牛の撥を包んでる!
いいの~?

信助との会話の後、奥へ移動する糸栄。
廊下で泣いてるんだけど、背中が泣いてるんだよね。
その横をお浜がしらーっと通るところが2人の関係性を暗に示している。


万次郎と歌春がいちゃついているところに、お浜がやってくる。
万次郎は早々に逃げ出し、残った歌春がお浜の相手をするんだけど、
お浜「あんさん、こんな所でなにしてるんだす?」
歌春「気分が悪うなって休んでいたんだすぅ」
とそのときお浜が行灯に掛かっている万次郎の羽織りに気づく。
母親の勘ってすごいなぁと思う。
そして、万次郎って詰めが甘いなぁって思ってたんだけど、意外とここにいたんですよっていうアピールだったのかも?なんて。

そして、阿弥陀堂の場。
今回も段田さんのお姫様抱っこではなく、東京千穐楽と同じくりえちゃんがしなだれかかり、段田さんが抱き寄せて奥へ入って行った。
完全に演出を変えたみたいだけど、やはり私はこの方が好き。
これが平さんと富司純子さんの組み合わせだったら、お姫様抱っこが素敵なんだろうなぁ。
キャラの違いか…

前半最後に巡礼の親子にひばりさんの歌声。
心にじわ~っとしみる。


<後半>

東京千穐楽に気づいたけど、後半の幕が開くと、ふわ~っと良い香りが漂ってくる。

お浜が着物に香を焚きしめるんだけど、平兵衛と話しながら香を焚きしめる様子が自然で、当時(今も着物を着る方はやるの?)の習慣を表現していて好きな場面。
これは舞台の下手でお浜がやってるから、下手側に座っている方が香りをよく感じるけど、今回は上手から見ていると香炉から煙が上がっているのがわかった。

お浜と平兵衛が言い争っているところへ、能の稽古が終わった万次郎と信助が戻ってくるが、万次郎は部屋に入る寸前に、まるでスイッチが切り変えるように一瞬真顔になった。そして、わざと大きな声で「ああ!疲れた~!」と言い、お浜に甘える。
この辺にも万次郎の内面が垣間見える。


考えてみたら、後半で猿之助さんが出てくるのって、最後の能舞台の場だけ?
過去の公演の配役とか、内容を考えると、本来は信助が主役なのかな?


今回は上手側の席だったので、やっと大鼓を打っている段一郎さんがバッチリ見えた~o(≧Д≦)o
今まで、段田さんにブロックされていたので3度目の正直(笑)
段之さんもだいぶ鼓の音が出るようになってたし良かった良かった。


そして、今回は(今回も?)歌春とお浜に泣かされた。

傷だらけの歌春を万次郎が抱きしめる。
万次郎を忘れられなかったと告げる歌春。

この悲劇って防げなかったのかといたたまれない気持ちになる。
もしも、和吉に歌春が正直に告げなかったら?
もしも、歌春が和吉と見合い話を断っていたら?
当時を考えると、万次郎と歌春の恋は身分違いでどうにもならなかったんだろうけど、想い合っている2人には幸せになって欲しかった。

万次郎もつらいだろう。
愛する歌春が殺され、自分の身代わりに兄信助が目を失う。
きっと自分を責めるだろう。
自暴自棄となるのか、はたまた、それを糧に筑前屋の跡取りとして商売に励むのか。
歌春の死が無駄にならないで欲しいと思う。


子別れした糸栄より、お浜の方が母性が強く感じる。
信助のことを思ってはいても、やはり育てた人にはかなわないのか?

万次郎が可愛いと公言していても、長年育てた信助もお浜にとっては子であることには変わりないと言うことなのだ。

ラスト。
手を引かれ歌いながら、去っていく糸栄。
その歌が今までの中で一番物悲しく聞こえた。
この悲しい物語をそれぞれの悲しみを唄っているようだった。

これから彼らを待ち受けているのは決して楽な道ではないはず。
今までは歌春がいたけど、見えない3人でどうやって暮らしていくのか?
それを考えるのは、無粋なのか?


<カテコ>

猿三郎さんのブログに、東京公演千穐楽でカテコが少なくて拍子抜けしたみたいなことが書いてあったから、この大千穐楽では、これでもかっていうくらいの拍手で、「え?まだ開くの?」って思わせてやるって固く決めていた。

確かに大千穐楽だけあって、客席から惜しみない拍手が。
猿之助さんは、最後まで糸栄だった。

最後のカテコ、猿之助さんの眼がうるうるしてたのを見逃さなかった。
後ろへ下がるのに振り返ったとき、岡田さん(蜷川さんの舞台にいつも出てる俳優さん)がうんうんと頷いていたのをみて確信した。
そしてそれを見て、もう一度泣いてしまった。


そういえば椿の花が落ちてくる音、気にならなかったなぁ。


元禄港歌 東京公演千穐楽

2016-01-31 18:59:50 | 歌舞伎
私にしては珍しく初日と千穐楽の2公演のみの観劇。

初日に買ったはいいものの、全く開いていなかったパンフレットを前日に眺めてみた。

初日に気になっていた降ってくる椿。
あれは初演からの演出で欠かせないらしい。

初日は全く予備知識がない状態での観劇で内容を追うのに精一杯だったけど、内容がわかっている今回は、伏線などいろいろ感じながら観ることができた。

<1幕>

幕開きの港の様子。
片肌脱ぎの段一郎さんは初日にもすぐ見つけられたけど、あれ?郁治郎さん両肌脱ぎじゃん!(//∇//)

そして、初日で見つけられなかった笑羽さんを発見!
まんじゅう売りだ~

弘太郎くんが、万次郎達と揉めるのを止める和吉(大石さん)。
これって2幕目は逆になるんじゃない?なんて思ってみたり。


客席から瞽女が出てくるところ。
先頭に杏ちゃんの歌春。
声がものすごく良く通る。

糸栄(猿之助さん)が舞台に上がる時に、猿三郎さんが手をかしているところにちょっと嬉しくなってしまう澤瀉屋贔屓。

猿之助さんはやっぱりすごいなぁと思う。
瞽女の一団を村(町?)の皆が歓迎して話しかけるのを、視線を向けるのではなく、耳を向けていた。
声のする方に集中している姿が、目の見えない人そのものだった。

そこで、お浜(新橋さん)が、今日は信助が帰ってきてめでたいから我が家に来て~みたいなことを話したとき、うっすら糸栄に緊張が走った。

江戸から戻った信助が、お浜に挨拶。
始めは久々に会った母親に嬉しそうに話し掛けるが、形ばかりの対応ですぐに万次郎に甘く話し掛けるお浜に、寂しそう表情をする信助。


筑前屋での糸栄の『葛の葉』の弾き語りから瞽女たちの合奏。
初日より音があってる気がする。初日は猿之助さんが途中で調弦し直してたし。

この時、真ん中に糸栄(猿之助さん)。下手に長兵衛(猿也さん)、信助(段田さん)、万次郎(一生くん)。
上手にお浜(新橋さん)が座ってるんだけど、お浜の後ろに番頭役で段之さんが!(◎-◎;)
気づかなかったよ~
糸栄の弾き語りを涙ながらに聞いて
三味線を弾き終わると、撥を袱紗で覆って三味線と一緒に持って行くのが、いつもの後見の姿でちょっぴりおかしかった。


それと、糸栄が『葛の葉子別れ』を歌いながら、信助を思って声を詰まらせる時、歌春だけが、“あれ?お母はん、どうしたん?”と心配そうにチラチラと糸栄を気にしていた。


歌春(杏ちゃん)と万次郎(一生くん)のいちゃいちゃもさすが千穐楽ともなるとしっくりして艶っぽい感じが出ていた。
特に痴話喧嘩しながらも最後に万次郎に抱きしめられた歌春の
「あかん~」
がめっちゃ色っぽかった。
劇中、「ああ見えても万次郎と訳ありの中」という台詞がお浜から出るけど、本当にこう見えても“女”ですっていう感じが良く出てた。


阿弥陀堂の場。
猿之助さんが髪をおろして無造作に束ねてある姿がなんとも色っぽくて、好き~
見てるとドキドキしてくる(笑)

ここに和吉が現れるんだけど、歌春が良い返事をしてくれたのがうれしくて来ちゃった♪的なところが、お前、それじゃストーカーだろ!って感じ。
そのストーカー的なところが悲劇を呼ぶと考えると納得する行動なんだけど。


信助と初音の関係について、2度観ても納得できなかった。(-_-;)

初日の時は、段田さんがりえちゃんをお姫様抱っこして、奥へ入って行ったけど、今日はりえちゃんが段田さんにしなだれかかり、段田さんがりえちゃんの腰に手をまわして奥へ入って行った!
数日前からその幕切れらしいけど、それが、段田さんが腰を痛めたからなのか、単なる演出の変更なのか知る由もない。
大阪でどうなるのか楽しみ。

ただ、今日の方が艶っぽい感じで素敵だと思う。


<2幕>

お能の先生が猿三郎さんということで、そっちばっかり気になってしまう。


最初にも書いたけど、今回は人物それぞれの内面を考えた。

まず万次郎。
初日のときはホント単なるあほボンかと思ってたけど、よく見ていると微妙な表情がそこかしこに。

父親の平兵衛はなんだかんだで長男重視で、自分のことを認めようとしてくれない。だから、目を引こうとやんちゃをして…という悪循環気味。

信助がお浜の子ではないということに気づいていて、お浜が自分を可愛がるのはしようがないという思いと、そこに甘えている部分と。

チャラいようで、本当は歌春のことを本気で愛していたこと。

平兵衛。
妻のお浜がいるのにも関わらず、糸栄との間に信助をもうける。
平兵衛と糸栄の関係については詳しい説明はなかったけど、万次郎と歌春の関係にやきもきするお浜に対して、大したことではないと言い放つ。
つまり、自分と糸栄のことは大したことはないという考えということか?

いつになってもネチネチ責めるお浜に辟易することもあるが悪びれた感じはない。
平兵衛にとっては、相手が誰であろうと信助と万次郎は自分の子だし、気にすることはないということなのか?

舞台の会話から、平兵衛は丁稚あがりで筑前屋に婿入りしている。
つまり、最初は肩身が狭いと感じることもあったのでは?
そこに美しい瞽女糸栄が現れ、過ちを犯す。
平兵衛にとってはほんの過ちなんだよね。出来心的な。
この舞台の中では、平兵衛と糸栄に過去の思いは全くない様子。
だから、余計にこの平兵衛の過ちがなければ、誰も苦しまなかったのかもと思ってしまう。


お浜。
万次郎がかわいいって態度だけでなく、口にも出してしまう人。
正直な人なんだと思う。

信助が毒薬をかぶって目が見えなくなったときの「信助~!」という叫び。
紛れもなく、お浜は信助の“母親”なのだ。
この叫びは、胸が締めつけられる。

目の見えなくなった信助と糸栄が触れあえるように、手を差し伸べてあげるところは、この人優しさが溢れていた。
優しさと女心がせめぎ合い続け、なさぬ子の信助を我が子として育てる一方、実子の万次郎をかわいく思ってしまう。
でも、それってしょうがないんじゃない?
特に、旦那が長男だからと信助を可愛がるのを目の当たりにしたら、余計に我が子可愛さって感じになるよ。
人よりちょっと正直な人なんだよ、お浜は。

糸栄より、お浜の方がかわいそう。
特に、今日はお浜に泣けた。(T^T)


和吉が半狂乱で万次郎のところに乗り込んでくると、仲間の弘太郎くんやお店の番頭達(段之さん達)が止めようとする。
下手でワイワイやってるんだけど、そこで段之さんが、
「ちょっと!ほら、やめなさいよ!ねぇってば!」
って言っているように見えて(実際に言ってたかも?)、段之さんっぽいなぁって思ってしまった。


能舞台の場。
前回ほぼ正面だったため、段一郎さんに段田さんが、だだかぶりでほとんど見えなかったので、やや下手にずれたの今回の座席に賭けていたが…
やっぱり見えず!(泣)
チクショー(口が悪い)

大阪千穐楽は上手側からガン見してやる!(笑)


和吉に毒薬をかけられた信助の目から流れる血が、上演中落ち続けていた椿の花とだぶる。

上演中落ち続けている椿の花は、それぞれの血の涙を表現しているか?


そういえば、今日は自分が舞台に集中していたからなのか、はたまた、細工をしたのか、初日ほど椿の花が落ちるのは気にならなかった。


<カテコ>

今日の東京公演千穐楽でも蜷川さんの姿はなく…
入院されてるとのことで心配。

何回カテコがあったか忘れちゃったけど、ちょっと尻切れトンボ?って思ってたら、猿三郎さんがブログでまだ幕が開くつもりだったと!!

しまった~_| ̄|○

大阪千穐楽は、拍手しまくってこれでもかっていうくらい、幕をあけてやるぞ!