「北海道・鉄道開業140年」が先日、無事閉幕を迎えました。
会期は4月25日(土)~7月1日(水)としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言のため、やむを得ず4月25日~5月25日を臨時休館とさせていただき、5月26日(火)より皆様にご覧いただけることとなりました。
当初のスケジュールより1ヶ月短い会期となってしまい、ご観覧をご予定いただいていたにも関わらずお越しいただけなかった方には大変心苦しく感じております。
北海道初の鉄道である官営幌内鉄道が札幌~手宮間に開通したのが1880(明治13)年。今年は北海道に鉄道が通ってから140年目となります。本展では写真とグラフィック・デザインという表現方法の異なる作家の作品を「鉄道」をテーマにつなぎました。
なお、本展は北海道教育庁がおこなう「アートギャラリー北海道」の事業の一環として、有島記念館(ニセコ町)、北海道立図書館(江別市)、北海道立近代美術館(札幌市)の協力のもと開催しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/8d/0e71929c6dd4e8476e43da3a899cc304.jpg)
展覧会の観覧券は、国鉄の硬券をイメージしたデザイン。受付で「パチン!」と入鋏してから展示室にお入りいただきました。
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ちらし、ポスターは春らしい鮮やかな黄色が印象的です。
Part1 急行「ニセコ」1971年冬~蒸気機関車C62栄光の記録~ 荒川好夫写真展
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国鉄の専属カメラマンとして活躍した鉄道写真家の荒川好夫(1946生)。現在にいたるまで全国各地で鉄道を撮影しています。本展では1971(昭和46)年冬、C62重連(連結された2両の蒸気機関車)がけん引する急行「ニセコ」の雄姿を、駅舎のたたずまい、機関士や旅客らの表情とともに、情感深くとらえた写真作品57点を展示しました。
荒川氏が写したのは、C62の凛々しい姿だけではありません。機関士や駅長など懸命に働く国鉄職員の働く姿、駅に集ったり、車内でくつろいだりする市井の人々……。鉄道をとりまく人間へのリスペクトと愛情深いまなざしを、モノクロームの階調の中に感じられます。
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6月20日には「鉄道写真家と学芸員の鉄道・あいトーク」を実施しました。
ご登壇いただいた伊藤大介氏(ニセコ町有島記念館主任学芸員)の横には……荒川好夫氏の等身大パネル?!
東京在住の荒川氏はご来館いただけなかったものの、イベント中に電話をお繋ぎして、リアルタイムでお話を伺うことができました。
Part2 ロマンチック北海道への旅~ 栗谷川健一ポスター展
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栗谷川健一(1911~1999)は岩見沢市生まれのグラフィック・デザイナー。
映画の看板描きや印刷工の仕事を経て、戦後からフリーのデザイナーとして活躍しました。官公庁から民間企業まで、さまざまなクライアントの仕事をこなす中でも栗谷川の名を広く知らしめたのが、北海道の国鉄をPRし、北海道への観光を呼びかけるポスターでした。
ポスターには北海道各地の自然ゆたかな景観、この地に生きる動植物、そして人々の姿が、まるで映画のワンシーンのような構図で描かれます。国鉄の観光ポスターは全国の国鉄の駅に貼り出され、日本中の人々の旅情を誘いました。
本展覧会では国鉄のための観光ポスターに加え、「さっぽろ雪まつり」や「札幌冬季オリンピック」など、栗谷川健一の仕事を語る上では欠かせない作品、スケッチやエスキースも含め、主に北海道立近代美術館のコレクションから計104点を展示しました。
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展示室内には「のりもの絵本コーナー」も。機関車や列車、電車はいつの時代も子どもたちのドキドキ、ワクワクを誘ってきました。北海道立図書館の蔵書から、戦後~近年に出版された選りすぐりののりもの絵本をご紹介しました。(感染症予防のため、実際にお読みいただけなかったのが残念です)
臨時休館に伴い、「北海道・リモートミュージアム」として担当学芸員が展覧会を紹介する動画を作成しました。
現在も公開していますので、ぜひ何度でもご覧ください。
5月14日~6月21日に開催した〈新収蔵展示 「時の啓示」 池田良二版画展〉の動画もご覧いただけます。
動画の作成にあたり、北海道教育大学釧路校の佐々木宰教授、同大学大学院修士課程の木田美也子さんに多大なるご協力をいただきました。
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ただいま、釧路芸術館では〈毛綱毅曠の建築脳〉を開催しています。
釧路市生まれの建築家、毛綱毅曠(1941~2001)が建築に込めた思いや哲学、この建築の中で時を過ごす人々の言葉……。地域の文化遺産としての毛綱建築を、没後20年を前にした今、もう一度見つめる展覧会です。
釧路芸術館の近くには「フィッシャーマンズワーフMOO」「釧路キャッスルホテル(現・釧路センチュリーキャッスルホテル)」、少し足を伸ばすと「反住器」「ふくしま医院」「釧路市立博物館」「釧路市立東中学校(現・釧路市立幣舞中学校)」などの毛綱建築がございます。ご来館に合わせて、毛綱建築をめぐる散策をしてみるのも楽しいかもしれません。皆様のご来館をお待ちしております。
会期は4月25日(土)~7月1日(水)としておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言のため、やむを得ず4月25日~5月25日を臨時休館とさせていただき、5月26日(火)より皆様にご覧いただけることとなりました。
当初のスケジュールより1ヶ月短い会期となってしまい、ご観覧をご予定いただいていたにも関わらずお越しいただけなかった方には大変心苦しく感じております。
北海道初の鉄道である官営幌内鉄道が札幌~手宮間に開通したのが1880(明治13)年。今年は北海道に鉄道が通ってから140年目となります。本展では写真とグラフィック・デザインという表現方法の異なる作家の作品を「鉄道」をテーマにつなぎました。
なお、本展は北海道教育庁がおこなう「アートギャラリー北海道」の事業の一環として、有島記念館(ニセコ町)、北海道立図書館(江別市)、北海道立近代美術館(札幌市)の協力のもと開催しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/8d/0e71929c6dd4e8476e43da3a899cc304.jpg)
展覧会の観覧券は、国鉄の硬券をイメージしたデザイン。受付で「パチン!」と入鋏してから展示室にお入りいただきました。
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ちらし、ポスターは春らしい鮮やかな黄色が印象的です。
Part1 急行「ニセコ」1971年冬~蒸気機関車C62栄光の記録~ 荒川好夫写真展
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国鉄の専属カメラマンとして活躍した鉄道写真家の荒川好夫(1946生)。現在にいたるまで全国各地で鉄道を撮影しています。本展では1971(昭和46)年冬、C62重連(連結された2両の蒸気機関車)がけん引する急行「ニセコ」の雄姿を、駅舎のたたずまい、機関士や旅客らの表情とともに、情感深くとらえた写真作品57点を展示しました。
荒川氏が写したのは、C62の凛々しい姿だけではありません。機関士や駅長など懸命に働く国鉄職員の働く姿、駅に集ったり、車内でくつろいだりする市井の人々……。鉄道をとりまく人間へのリスペクトと愛情深いまなざしを、モノクロームの階調の中に感じられます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/b2/2bb45ece19230714163f163a43f8df7a.jpg)
6月20日には「鉄道写真家と学芸員の鉄道・あいトーク」を実施しました。
ご登壇いただいた伊藤大介氏(ニセコ町有島記念館主任学芸員)の横には……荒川好夫氏の等身大パネル?!
東京在住の荒川氏はご来館いただけなかったものの、イベント中に電話をお繋ぎして、リアルタイムでお話を伺うことができました。
Part2 ロマンチック北海道への旅~ 栗谷川健一ポスター展
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栗谷川健一(1911~1999)は岩見沢市生まれのグラフィック・デザイナー。
映画の看板描きや印刷工の仕事を経て、戦後からフリーのデザイナーとして活躍しました。官公庁から民間企業まで、さまざまなクライアントの仕事をこなす中でも栗谷川の名を広く知らしめたのが、北海道の国鉄をPRし、北海道への観光を呼びかけるポスターでした。
ポスターには北海道各地の自然ゆたかな景観、この地に生きる動植物、そして人々の姿が、まるで映画のワンシーンのような構図で描かれます。国鉄の観光ポスターは全国の国鉄の駅に貼り出され、日本中の人々の旅情を誘いました。
本展覧会では国鉄のための観光ポスターに加え、「さっぽろ雪まつり」や「札幌冬季オリンピック」など、栗谷川健一の仕事を語る上では欠かせない作品、スケッチやエスキースも含め、主に北海道立近代美術館のコレクションから計104点を展示しました。
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展示室内には「のりもの絵本コーナー」も。機関車や列車、電車はいつの時代も子どもたちのドキドキ、ワクワクを誘ってきました。北海道立図書館の蔵書から、戦後~近年に出版された選りすぐりののりもの絵本をご紹介しました。(感染症予防のため、実際にお読みいただけなかったのが残念です)
臨時休館に伴い、「北海道・リモートミュージアム」として担当学芸員が展覧会を紹介する動画を作成しました。
現在も公開していますので、ぜひ何度でもご覧ください。
5月14日~6月21日に開催した〈新収蔵展示 「時の啓示」 池田良二版画展〉の動画もご覧いただけます。
動画の作成にあたり、北海道教育大学釧路校の佐々木宰教授、同大学大学院修士課程の木田美也子さんに多大なるご協力をいただきました。
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ただいま、釧路芸術館では〈毛綱毅曠の建築脳〉を開催しています。
釧路市生まれの建築家、毛綱毅曠(1941~2001)が建築に込めた思いや哲学、この建築の中で時を過ごす人々の言葉……。地域の文化遺産としての毛綱建築を、没後20年を前にした今、もう一度見つめる展覧会です。
釧路芸術館の近くには「フィッシャーマンズワーフMOO」「釧路キャッスルホテル(現・釧路センチュリーキャッスルホテル)」、少し足を伸ばすと「反住器」「ふくしま医院」「釧路市立博物館」「釧路市立東中学校(現・釧路市立幣舞中学校)」などの毛綱建築がございます。ご来館に合わせて、毛綱建築をめぐる散策をしてみるのも楽しいかもしれません。皆様のご来館をお待ちしております。