くるみ日和

徒然に、想いをことばに乗せていきたいと思います

海の底の、あたたかい場所

2020-10-08 21:28:00 | くるみ日記
恥ずかしい話で、
20歳の私が聞いたら驚くと思うけれど、

毎日一緒にいて、
仕事と子育てのつまった生活をしていると

時折視界が曇ってしまい、
大切なものを見失う。

そうして一番大切なひとと、
どうしようもなく
傷つけあってしまう日があるのだ。

傷つけあってしまった次の日に、
ただそばに座っただけで、
私たちは思い知る。

ここに、ずっといたい。

本当は、そう、

一番大切なきもちがいつもあって
それがあるからこそ
2人でこうして歩いてきて
家庭を築いている。

時折こんなことがあって
思い出すのだ。

彼が帰ってきて気づく。
理屈や、現実とはなんら関係なく
私はただこの人の隣にいたい
近くにいたい、ただそれだけなんだと。

18歳だったあの時、あの喫茶店で伝えた、離れたくない、という言葉。

それがすべて。
今でも、なんにも変わらない。

どうして帰ってきたの?と聞く私に

君が泣いている気がしたから、

と答えた彼。

それだけで、
自分のすべてが、
許されて満たされた気がした、
そんな秋の夜。

いい大人がそんなことでどうするの、と
20歳の私に笑われそうな
出来事でした。








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くらげの水槽

2020-10-04 22:26:00 | くるみ日記
夢からはっと、覚めて
温かさの余韻に戸惑う。

何が現実かわからずに。

じわじわと冷静さを取り戻して
身体は冷えてゆく。

彼との間になにがあったのか
何も思い出せず
ただ温かかった温度と
その笑顔だけが離れない。

名前をつけてしまえば
ありきたりなもので
ありふれたただの感情なのかもしれない。

だけど誰もが知っているその言葉の
本当のところを
一体どれだけのひとが感じたことがあるんだろう。

例えば水族館のくらげの水槽の前で
例えば夜の首都高で
例えば海のみえる丘で

一緒にこの場面にいたい、
この気配を一緒に感じて
同じ景色を覚えておきたい。

誰といても、急に押し寄せるその想い。

強くはなく、ただ圧倒的に柔らかくしなやかな想い。

どこへ告げることもできない想いに
全身をすくわれてしまう。

ボタンひとつで繋がれても
本当のことはたぶん伝わらない。


あのね、本当は話をしたいの。

よるじゅう、海辺で
裸足で
隣に座って
ふたりきりで
ただ
くだらない話や、些細な話をしたいの。

あなたも、少しはそんな気持ちを持ってくれていると
思う時もあったり、

すごく遠く感じる日もあったり。

隣に座ったり、隣を歩いたり、
当たり前だった頃のことを
思い出す。

もしも魔法をつかえたら、
満月の夜は、同じ夢をみられますように、と願うだろう。

少女のように、ためらいもなく







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