大師堂の前で声を揃え般若心経を唱えるグループがいた。 私は既に33番目と云うのにまだソラで読めない。目の前のグループの人も私と同じように経本に目を向けて読んでいる。私ばかりじゃないと少しばかり安心した。同時に、年齢のせいかな、せめて88番目には経本に目をやらず読みたいもの。弱気とやる気が頭の中を行ったり来たりしてた。 『 遍路日記』より