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日本聴導犬・介助犬訓練士学院の学生ノート

(福)日本聴導犬協会付属・訓練士学校の学生によるブログです。

62.明日は、パピークラス

2011-08-06 20:59:43 | Weblog

 

 このたびの東日本大震災で被災されたみなさま、原発の影響で避難をされている皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

ボク達の協会で何かお力になれることを考えながら、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

みなさま、お久しぶりです。(福)日本聴導犬協会附属「日本聴導犬・介助犬訓練士学院」準教授のだいすけ(3才,甲斐犬とシェトランドシープドッグのMIX,デモンストレーション犬)です。なかなか更新ができず、申し訳ございませんでした。

明日は、パピークラスです。今回は、宮田村で行わせていただきます。

みなさまご存知の通り、ボク達は保健所や動物保護センターなどから、日本聴導犬協会のスタッフが適性をみて、選ばれてきた仲間達です。そんなボク達は、親や兄弟がどんな性格なのか?1度捨てられたり、保護されるまでの間、どんな経験をしてきたのか分かりません。そこで、協会に来てから大切になってくるのが“社会化”です^・ω・^b

 

社会化って何?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。社会化とは、人の社会と犬の社会の環境やマナーを学ぶことです。だから、ボク達が訓練に入る前にお世話をしてくださるボランティアさん達をソーシャライザー「社会化をする人」って呼んでいるんです。良く知られている盲導犬では、子犬育てのボランティアさんをパピーウォーカーって呼んでいますよね。

 

将来、聴導犬となるために、人が好きで、人といるとリラックスできる事がボク達に必要となります。なので、ソーシャライザーさん達はボク達に「人間社会のマナー」を教えてくださるんです。日本聴導犬協会では「ファン・トレーニング(犬にとって楽しい訓練方法)」を行っています。犬を飼った経験のない方でも大丈夫です。駅や商店街など、あちこちに一緒に連れて行っていただくことで、どんな状況にも対応できるような、社会性(ソーシャライジング)をボク達が身につけさせていただくのが、 一番の目的です。また、育成の委託期間(28ヶ月)は、協会が行う毎月1回の講習会(パピークラス)に参加していただき、子犬の成長度をみて決めさせていただきます。

 

そんなボランティアさん達と月1回のパピークラス。昨年、9月のお話です。9月のパピークラスは、駒ヶ根市のふれあい広場で行われました。参加したのは、じゃむちゃん(1才半、只今社会化中),あさひちゃん(4ヵ月,柴犬Mix),たま君(1才,秋田犬Mix),ゆうちゃん(5ヵ月,Mix),そしてベル母さんがソーシャライザーさん達と一緒に長野まで来てくれました。残念ながら、今回のパピークラスには、ボクは参加をしなかったんだけどね・・・^・ω;^

 

毎年参加をさせていただいている駒ヶ根のふれあい広場では、たくさんの人達が来るため、ただイスに座って、歩いている人達を見るっていうことだけでも社会化になるんだよ。ボク達は歩いていたりすると怖いものがあったとしても、気がまぎれて周りが見えなくなってしまうこともあるからね。それに、お祭りだから、太鼓を叩いていたり、踊っている人もいたりして、ボク達のお勉強にはとってもいい環境なんだ。

 

 太鼓も大きな音でなっていたけど、ボク達はへっちゃらだよ!社会化中のボクの弟や妹達には、まだ苦手な子もいるかもしれないけどね。以前お話した事がありますが、お耳の不自由な方の集まるお祭りでは、太鼓を大きな音で叩いて、その振動を体で感じて太鼓を楽しむんです!こうした事があるため、協会に戻ってきた子達は、毎朝、ご飯を食べるときに太鼓を叩いている中でご飯を食べます。そうすると、太鼓を大きな音で叩いていたとしても、だんだんと怖くなくなっていくんです。

 

 こうした事を積み重ねていくと、大先輩のみかんちゃん(大阪で活躍をしていた引退犬)や、しん君(日本初のタンデム(ご夫婦で1頭の聴導犬を活用する)聴導犬),聴導犬もりちゃん(東京都で活躍中),かるちゃん(長野県第1号聴導犬,ビーグルMix)達のような立派な聴導犬へとなっていくんです。ボクはまだまだ、お勉強中です^-ω-;^

 

 でも、そのためには訓練に入る前に、ソーシャライザーさんがボク達にたくさんの愛情を与えてくれているからこそ、ボク達は人を信頼したり、好きになったりすることが出来るんだよ。だから、ボク達のお父さん、お母さんには、とっても感謝をしています。そして、聴導犬,介助犬にならなかったボク達の仲間も、新しいお家で幸せに暮らしていけます。

 

準教授  だいすけ


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