日本聴導犬・介助犬訓練士学院の学生ノート

(福)日本聴導犬協会付属・訓練士学校の学生によるブログです。

63.ボク達の1日^・ω・^

2011-08-23 21:08:41 | Weblog

東日本大震災で被災されたみなさま、原発の影響、台風ので避難をされている皆様

に謹んでお見舞い申し上げます。

 

みなさま、お久しぶりです

(福)日本聴導犬協会附属「日本聴導犬・介助犬訓練士学院」準教授だいすけ(3才,甲斐犬とシェトランドシープドッグのMIX,デモンストレーション犬)です。

 

 

今回は、ボク達の1日を少しみなさまにお見せしたいと思います。 

 

まずは朝、学院生さんやスタッフと一緒におうちに帰ったボク達は、協会のドッグランで遊んで^・ω‐^vから協会の中へと入ります。みんなで追いかけっこしたり、かくれんぼしたり、とっても楽しいんだ。

暑さや寒さなんて関係なくなっちゃうくらい!その後、2階に上がり、足をきれいにしてもらって協会の中へ。足もね、ボク達のことを考えて、足をひっぱらないように。とか、例えば長野なので、冬は雪を溶かす為に塩化カルシウムがまいてある事があるんだ。だから足がただれないように、お湯の中で足を洗ってくれたりもするんだよ。冬は暖かくて、ホッとしちゃうんだ^。‐ω‐。^ 

 

協会の中へ入ったら、ボク達の待ちに待った朝ごはんω^vみんな、そわそわしちゃうよね!ごはんもそれぞれの体調に合わせたフードを、体のバランスを見て、ボク達に合った量をくれます。朝ごはんは、ペロリと食べちゃうよ。

でも、協会ではそんな時こそ訓練を・・・ボク達は聴導犬の候補として協会にやってきました。だから、ごはんの時に太鼓を叩いて、太鼓の音の中でご飯を食べるんだよ!どうしてかって?・・・・・・

 

それは、お耳の不自由な方のイベントでは、大きな音や太鼓の音がたくさんなっていて、振動を体で感じて、音を楽しむ事があるんだ。でも、お耳が不自由なので、ボク達が音にビックリしてしまっても、それを感じ取ることって、とっても難しいんです^・ω・;^そこで、ボク達の大好きなご飯の時間に太鼓を叩く事によって、太鼓は怖くないってことをボク達に教えてくれているんです。おもしろいでしょ? 

 ごはんの後は、(福)日本聴導犬協会附属「日本聴導犬・介助犬訓練士学院」の学院生さん達と歩行訓練や社会化のお勉強です。それぞれの候補犬に合わせて、スーパーへの歩行訓練だったり、まだお店に入れるレベルではない子達は、協会の周りを歩いてきちんと歩行ができるようにしたりします。もちろん、協会の周りを歩くだけじゃなくて、人に会ったら学院生さん達が声をかけてくれて、知らない人からもごほうびをもらったりして社会化をするんだよ。外での訓練だけじゃなくて、施設の中で歩行訓練をしたり、聴導犬や介助犬の訓練もするんだ。やっぱりこれも訓練の段階にあわせて行ってくれます。ボクも1期生さん達の時は、毎日午前と午後と一緒にたくさん訓練したんだよ^・ω・^

 今では、みなさまの前でデモンストレーションをする事が大好きになりました。みなさまも機会がございましたら、ぜひボク達に会いにデモンストレーションを見に来てください・ω・ 

 

午前の訓練が終わると、みんなのお昼の時間です。ボク達だって食べたいんだけどね・・・ここでも訓練?マナーのお勉強です。人が食べている時にテーブルに手をかけたり、人の食べ物を欲しがったりしないように、人のご飯の時間もみんなと一緒にいます。そうすることで、人が食べていてもテーブルの下で落ち着いていられたり、寝ていられたりするんです。もちろんボクはみんなが食べているときも落ち着いていられます。 

 

そうそう、ボク達の協会では、犬舎に入る事がないんだ。よく、訓練をされる犬達は、訓練の時以外は、人と離れて犬舎に入っていることが多いと思うんですが、ボク達の協会では、オフィスケネルと言って事務所にボク達が自由な状態でいるんです。だって、お耳の不自由な人が音を教えて欲しい時に、自由に動けないと教えられないですよね?だから、訓練をしていないときでもスタッフや学院生さん達とずっと一緒にいます。

 

みんなのお昼が終わるとやっぱり、歩行訓練や聴導犬の訓練などをします。夕方になって、夜ごはんを食べると、みんなが歯磨きをしてくれるんだ学院生さん達のお掃除が終わると、学院生さん達と一緒に帰る子達は、みんなと一緒に帰ります。あとは、スタッフと一緒に帰ったり、協会でスタッフと一緒に寝たりして、明日に備えるんだ^・ω・^

デモンストレーションやイベントがあると、また違った一日になるんだけど、ボク達の毎日は大体こんな感じです。これから、デモンストレーションシーズンです。僕もたくさん活躍できるようにがんばります

 

準教授  だいすけ

              

朝かエクササイズを兼ねて介助犬の訓練         施設の外でもマナーのお勉強

     

一緒に遊んで、一緒に寝るのもお勉強なんだ!おもしろいでしょ?


62.明日は、パピークラス

2011-08-06 20:59:43 | Weblog

 

 このたびの東日本大震災で被災されたみなさま、原発の影響で避難をされている皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

ボク達の協会で何かお力になれることを考えながら、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 

みなさま、お久しぶりです。(福)日本聴導犬協会附属「日本聴導犬・介助犬訓練士学院」準教授のだいすけ(3才,甲斐犬とシェトランドシープドッグのMIX,デモンストレーション犬)です。なかなか更新ができず、申し訳ございませんでした。

明日は、パピークラスです。今回は、宮田村で行わせていただきます。

みなさまご存知の通り、ボク達は保健所や動物保護センターなどから、日本聴導犬協会のスタッフが適性をみて、選ばれてきた仲間達です。そんなボク達は、親や兄弟がどんな性格なのか?1度捨てられたり、保護されるまでの間、どんな経験をしてきたのか分かりません。そこで、協会に来てから大切になってくるのが“社会化”です^・ω・^b

 

社会化って何?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。社会化とは、人の社会と犬の社会の環境やマナーを学ぶことです。だから、ボク達が訓練に入る前にお世話をしてくださるボランティアさん達をソーシャライザー「社会化をする人」って呼んでいるんです。良く知られている盲導犬では、子犬育てのボランティアさんをパピーウォーカーって呼んでいますよね。

 

将来、聴導犬となるために、人が好きで、人といるとリラックスできる事がボク達に必要となります。なので、ソーシャライザーさん達はボク達に「人間社会のマナー」を教えてくださるんです。日本聴導犬協会では「ファン・トレーニング(犬にとって楽しい訓練方法)」を行っています。犬を飼った経験のない方でも大丈夫です。駅や商店街など、あちこちに一緒に連れて行っていただくことで、どんな状況にも対応できるような、社会性(ソーシャライジング)をボク達が身につけさせていただくのが、 一番の目的です。また、育成の委託期間(28ヶ月)は、協会が行う毎月1回の講習会(パピークラス)に参加していただき、子犬の成長度をみて決めさせていただきます。

 

そんなボランティアさん達と月1回のパピークラス。昨年、9月のお話です。9月のパピークラスは、駒ヶ根市のふれあい広場で行われました。参加したのは、じゃむちゃん(1才半、只今社会化中),あさひちゃん(4ヵ月,柴犬Mix),たま君(1才,秋田犬Mix),ゆうちゃん(5ヵ月,Mix),そしてベル母さんがソーシャライザーさん達と一緒に長野まで来てくれました。残念ながら、今回のパピークラスには、ボクは参加をしなかったんだけどね・・・^・ω;^

 

毎年参加をさせていただいている駒ヶ根のふれあい広場では、たくさんの人達が来るため、ただイスに座って、歩いている人達を見るっていうことだけでも社会化になるんだよ。ボク達は歩いていたりすると怖いものがあったとしても、気がまぎれて周りが見えなくなってしまうこともあるからね。それに、お祭りだから、太鼓を叩いていたり、踊っている人もいたりして、ボク達のお勉強にはとってもいい環境なんだ。

 

 太鼓も大きな音でなっていたけど、ボク達はへっちゃらだよ!社会化中のボクの弟や妹達には、まだ苦手な子もいるかもしれないけどね。以前お話した事がありますが、お耳の不自由な方の集まるお祭りでは、太鼓を大きな音で叩いて、その振動を体で感じて太鼓を楽しむんです!こうした事があるため、協会に戻ってきた子達は、毎朝、ご飯を食べるときに太鼓を叩いている中でご飯を食べます。そうすると、太鼓を大きな音で叩いていたとしても、だんだんと怖くなくなっていくんです。

 

 こうした事を積み重ねていくと、大先輩のみかんちゃん(大阪で活躍をしていた引退犬)や、しん君(日本初のタンデム(ご夫婦で1頭の聴導犬を活用する)聴導犬),聴導犬もりちゃん(東京都で活躍中),かるちゃん(長野県第1号聴導犬,ビーグルMix)達のような立派な聴導犬へとなっていくんです。ボクはまだまだ、お勉強中です^-ω-;^

 

 でも、そのためには訓練に入る前に、ソーシャライザーさんがボク達にたくさんの愛情を与えてくれているからこそ、ボク達は人を信頼したり、好きになったりすることが出来るんだよ。だから、ボク達のお父さん、お母さんには、とっても感謝をしています。そして、聴導犬,介助犬にならなかったボク達の仲間も、新しいお家で幸せに暮らしていけます。

 

準教授  だいすけ