国立随想録

「文化と芸術の街」くにたちから発信中!

国立で 割り切りで

2006年01月23日 | 国立駅舎
国立で
割り切りで
私とは仕方なく仕事をしている、
小さくて
かつて爽やかな風を吹かせていた女性は、
中央線の車内で
隣にいても
ずっと
ずっと
無言なのです。

携帯で
イニシャルがMの男性にメールを送る手は
とても小さなものなのです。

この形の手は
海で漁をしている人の手の形。

だけど、
海の話は数えるほどしか、
したことは、
無いのです。

まだ相当に謎を残したまま
恐らく二度と謎は解き明かされない

携帯で
メールを送った後、
私なら有り得ない
合成皮革の手袋で
その手は覆われたのです。

傷を負った長い構築物

2006年01月18日 | 国立駅舎
それは年末の事でした。

冬休み期間中、
やはり国立から遠い場所へ向かうために、
立川駅北口にある
海外渡航手続きに必要な便利な場所に
私は
朝から
行こうとしていたのです。

立川駅まで向かうには、
『原幸』の脇を北に、
線路を越えるのです。

次々と工事が進む中央線。
新しい砂利が敷かれ、
新しい線路が敷かれ、
何もかも全部
新しいのですが、
それでも全ての工事が完了するまでは、
まだまだ
何年も
かかるのです。

新しくなるまで
何年も
かかるのです。


傷を負った長い構築物が
だらだらと
しかもかなり雑に慌ただしく
治療を受けて
いるように
見えたのです。

平日の朝 恋の系譜をたどって ~国立駅舎

2006年01月06日 | 国立駅舎
平日の朝 かつて赤かった三角屋根の国立駅舎を眺めながら、
かつて好きだった人との恋の系譜を
私は
一人で
たどっていたのです

お互いに取った
実際の行動を思い返してみて、
どうしてそのようなことをしたのか、
今の今は、実に不思議です。

仕事上、二人きりでいる機会が多く、
それがそもそものきっかけだったのですが。

国立から遠い場所で暮らす心の恋人さま

「確かに、最初に誘ったのは私の方でしたけれど、」
と、言われても、
それは、最初とか最後とか、
そういう話では、ありません。

かつて赤かった三角屋根を眺めていたら、

  おしまい、
  おわり、
  駄目、
  さよなら、
  お別れ、

くにたち駅舎から、
そういう声が、
漂っているように思えたのです。