葛飾北斎 富嶽三十六景 コレクション
青山圓座枩 あおやまえんざまつ
江戸名所の一つであった青山竜岩寺の庭中の笠松、円座松。笠を置いたような松のこんもりとした姿と突き出た三角形の富士山との形の対比で、この円座松を絶妙の構図で描いています。酒を酌み交わす人々の姿から豊かな庶民生活をうかがい知ることができます。そして画面左下には、松を支える支柱に混じって、落ちた松葉を掃除する人の足が見えるのは北斎のいたずらでしょうか?
円座の松は、原宿村の龍巌寺境内にあった名木で、一抹の松が三間(約5.6m)にも枝を広げていたという。北斎は笠松を小山のような半円に描き、富士を極端に尖った大きな三角形であらわして対照させた。築山には松と富士を肴に酒宴が開かれている。
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