宵山や山鉾という言葉をまったく知らなくて
(京都のみなさま、ごめんなさい。)
途中、森見さんの作り言葉かと思って検索してしまいました(笑)。
それほどに幻想的な物語です。
バレエ教室に通う姉妹の妹と姉の宵山での物語から、宵山をキーワードにして繰り広げられるいくつかの物語に現実と妄想の狭間を見た気がしました。
それが乙川くん(何者なのか??)の仕業だとしても
騙されたくないけど、騙されるのも悪くないなと思ったり。
今、自分がいる世界が
一瞬にして異空間になるかもしれない不思議さが溢れる本。
森見さんのオタク的要素、執拗に鏤められている難しい日本語が、今回は普通の物語のような始まりに「おやや」と思っていたら、ひょいと足元を掬われる感覚を味わいました。
面白かった。宵山を万華鏡で見たら、自分を惑わす妖に出会ってしまうかもしれませんね。
けれど、ちょっと見てみたい。そう感じました。
見たら、現世にはきっと戻れないんでしょうけれど。
こ、怖いですねーー!
どうして人間って怖いもの、みたくなっちゃうんだろうな(笑)。