愉しいデート

６０．６キロ　１６．６％
　昨日、一大イベントを無事にやり遂げた。後は来月のチョボチョボ仕事を２つ終えれば、１月からの激務は一段落だ。こんなに仕事をしたのは暫く振りだよ。
　昨日のイベントは腹心の部下・オオちゃんをアシスタントに抜擢し、長い時間を掛けて仕事をして来た。昨年までのアシスタントからは嫌味を言われたが、今後に蟠りを残さないように納得させた。オオちゃんを育てたい気持ちと、進行のやり易さでの人選だから文句は言わせない。オオちゃんの期待以上の働き振りに大満足だ。
　先日、部長に呑みに誘われオオちゃんの異動話を聞かされた。異動先は東京の営業職場だって。「冗談じゃない！」。時間をかけて徹底的に反対をしたが、「今の構想に彼女は入れられない」と言われた。翌日は２人で休日出勤だったので、掟破りだが異動話を聞かせて、再度、真意を確認。健気にも「今の仕事が好きです」。人情派の俺は泣けちゃうのだ。「分かった！まだ間に合う。俺が絶対に異動を阻止する。一緒に大きなプロジェクトを開発するぞ！」。デカイ事を言ったが俺が出来る事なんてしれている。やれる工作は全てやった。どの程度の影響があったかは分からないけど、無事に異動は阻止できた。今の彼女には、とにかく実績を作ってやりたいのだ。
　イベント終了後は、会場を後にして社に戻り盛大な打ち上げ。スッカリ親しくなった？専務を捕まえてクダをまき、周囲の取り巻き共をドキドキさせたらしい。専務の周りなんてイエス・マンしか居ないのだろう。次の標的は以前の上司。現在は関連会社の重役だが、当時は週に何度も新橋のガード下で呑んでいたオジサンだ。この人にも取り巻きが居るので面倒臭いね。そうだ！この人達を利用すれば、兵隊の異動なんて簡単にコントロールできるのかもね。専務の部屋に呼び出されると、人事に関するファイルが開き放しで剥き出しで置いてあったりするのだ。今朝の会議で「昨夜、畏れ多くも専務に意見した○○クン」と名指しされたので、「ハイ、聞きたいことは全部聞きました」。多分、バカだと思われてるんだろうね。「裸の王様」が次期社長じゃ、俺達みたいな兵隊が困るんだヨ。
　打ち上げ終了後に、会場の後片付けをしていたオオちゃんを誘って呑みに行った。「葉巻・カクテル」で２人で呑み直しだ。実はこの酒が呑みたくて頑張った様なモノ。単純だから、こんなコトでモチベーションが上がるのだ。店は相変わらず空いていて、デートをするには絶好の雰囲気。上司と部下とか、職場の先輩と後輩という関係で呑むなら仕事の話が中心になるだろう。以前「友達の作り方が下手なんです」と言うので、「俺が友達になってやる」と言った。友達の呑みなので、仕事の話は最小限にして、プライベートな時間を愉しんだ。この娘とは呑む程に味わい深い話が出来る。生き方や結婚観、自分の内面みたいな話から、趣味や日常生活までと幅広くて面白い。帰り際に「友達って少ないとダメですか？」と聞かれた。自分だって友達が多いとは思えないし、作り方だって上手ではない。「厳選しろ」と言い残し、手にも触れずに途中下車して帰宅した。
　上気しながら電車を乗り換えた。終電近い電車なのに、運良く着席できた。目覚めると知らない駅だったので慌てて下車。降りるの早過ぎた。ラーメンを食べてタクシーで帰宅。