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ウトピア

真実と欲望が出会うところ

宇宙戦艦大和とは?

2010-12-13 21:40:12 | エッセイ
「昨今、宇宙戦艦ヤマトのことがまた話題に上っておるが、どうも昔のことを思い出してしまう」
「どんな事を思い出すのですか老師よ。アニメのヤマトもすごく抒情的でかっこよくて、何というか勇ましくて、人間ドラマがあって、日本人の心情にぴったりという感じでしたが、今度の映画のヤマトもきっと素晴らしく感動的だと思いますよ」
「まあそうじゃろう。日本人を泣かすつぼをプロは心得ておる。特にこの種のものは・・・。わしがひっかるのは、アニメのヤマトが放送され始めた時も引っかかっておったことじゃ。つまり、そのまえの宇宙戦艦大和のことじゃ」
「アニメになる前の宇宙戦艦大和があったんですか?!」
「もちろんだよ!日本の青年よ。戦艦大和は日本人の時代錯誤的な巨艦巨砲主義の優越感で、世界最強と日本人は大体思い込んでおったから、さまざまな戦艦大和の少年向けの物語があったと思う。少年漫画雑誌には昔は漫画だけでなく小説や特集記事なんかもあってのう、宇宙まではいかないが空飛ぶ大和、つばさをもった大和の連載小説がマガジンかサンデーにあったように思うが、それではなくて、たしか、わしの記憶が間違いでなければ、松本零二作のSF漫画で、ロケット型の宇宙戦艦大和が登場している。松本さんはなぜ、ロケット型から船方にしたのだろうか?これがわしのひっかるところじゃて。戦う相手は勿論、地球侵略をはかる地球外生命の極めて機動化された軍隊じゃ。ロケット型大和はこれを宇宙で撃破するために作られた。」
「珍しい話ですね??でも、やはり船の形の復活した大和でないと、ピンときませんね。日本人としては」
「ふーむ?・・・・・。つらつら考えるにこれは、松本氏のうらんかなの商売気と年取ったものが抱くノスタルジアが結びついたものであろう。地球侵略に対抗するのは日本人だけではないのに、日本人だけが乗り込んで、日本人が作った日本人の国の名前をつけた戦艦が地球を救うなど、いささか現実離れしておる。しかし、これは日本人の優越感をくすぐるに十分なものだ。もともと松本さんは第二次大戦の戦闘機ものをよく描いておった。彼自身の露骨な欲望が表現されたのだろう。アニメの制作会社やテレビ局は視聴率さえ稼げれば、このウルトラ国粋物語は大歓迎であろう。しかし、ここには人間の情感にかくれて、国粋主義、日本中心主義のいじましい主張、今日本が中国や新興国に追い抜かれつつあることに対するコンプレックスを幾分でも和らげるようなそんな気分を帯びているように思えるのう。もっと、現実を見て、未来の大和を作り上げねばならぬのに、旧態依然とした形の大和、日本人だけの大和、波動砲による一発逆転の思考停止的解決。宇宙戦艦ヤマトは未来への展望に期待を抱かせるものではなく、昔はよかった式の感情でこの閉塞日本を慰めるだけであろうな~。未来の大和をつくって船出しようではないか日本の青年たちよ!」

正義とは?

2010-12-13 01:18:02 | Weblog
「正義とは強者の利益にほかならない」(プラトン)
観念的道徳的な考察のみでは正義とは何か、正しいこととは何か、翻って悪いこととは何か、は明確でないことは明らかである。しかし、世間は自明のようにこれが、マスメデイアや法律の規範を基準に考えられている。すでにある、基準というものに疑いの目を向ける必要がある。