BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

義理に生きる

2021-12-21 | 日々新た

愛を語る。自由を知る。そして、義理に生きる。3大噺というわけではない。語と意味のことについて、愛、自由、義理と。
次に、「義理」について、その意味の変遷を知る。
義理の関係、義理をつくす、義理がある、など、用いる語である。義理チョコも流行ったが、義理を通すという難し気なことがある。
よく義理と人情が対比される。

ことわりに古代哲学の基本原理は東洋思想にあるものを入れた。
五行思想 木火土金水 例えば、相克 
儒教 仁義礼智信 五つの道また三綱五常

広辞苑に常套句があるので見ると、その意味内容は捉えがたい。



ぎ‐り【義理】
①物事の正しい筋道。道理。沙石集3「無尽の―を含めり」。「今さら文句の言えた―ではない」
②わけ。意味。愚管抄2「真名の文字をば読めども、又その―をさとり知れる人はなし」
③(儒教で説く)人のふみ行うべき正しい道。
④特に江戸時代以後、人が他に対し、交際上のいろいろな関係から、いやでも務めなければならない行為やものごと。体面。面目。情誼。「―人情」「―を欠く」「―が悪い」「―で出席する」
⑤血族でないものが血族と同じ関係を結ぶこと。「―の母」
⇒義理ある仲
⇒義理一遍
⇒義理と褌欠かされぬ
⇒義理にも
⇒義理を立てる
⇒義理を張る

ぎり‐あい【義理合い】‥アヒ
義理にからんだ関係。交際上の情誼じょうぎ。つきあい。
○義理ある仲 ぎりあるなか
血族でなく、親子や兄弟姉妹の関係にある間柄。
⇒ぎ‐り【義理】
○義理一遍 ぎりいっぺん
世間に対するつきあい上、心からでなく形式的にすること。通り一遍。
⇒ぎ‐り【義理】
ぎり‐いっぺん【義理一遍】
⇒ぎり(義理)(成句)
ぎり‐がた・い【義理堅い】〔形〕[文]ぎりがた・し(ク)
他人との交際上の義理をおろそかにしない。
ぎり‐しらず【義理知らず】
義理をわきまえないこと。また、その人。恩知らず。
ぎり‐ずく【義理尽】‥ヅク
義理を立て通そうとする意地。
ぎり‐ずくめ【義理尽め】‥ヅクメ
義理のありたけを尽くすこと。また、義理のために身の自由を縛られること。浄瑠璃、傾城反魂香「こちや―になつたかと」
ぎり‐ぜめ【義理責め】
義理で責め立てること。義理づめ。
ぎり‐だて【義理立て】
義理を立てること。義理を固く守ること。仮名文章娘節用「やつぱり誰にか―か」
ぎり‐づきあい【義理付合い】‥ヅキアヒ
義理のために仕方なしにつきあうこと。
ぎり‐づめ【義理詰め】
①物事の道理を正して話すこと。理屈づめ。世間胸算用3「物静かに―に、外のはなしをせず」
②義理をたてにして迫ること。また、義理でどうしようもなくなること。義理ぜめ。浄瑠璃、心中天の網島「引くに引かれぬ―にふつといひかはし」
ぎり‐づよ・し【義理強し】〔形ク〕
義理をまもる気持が強い。義理がたい。
○義理と褌欠かされぬ ぎりとふんどしかかされぬ
どんな場合にも義理を欠いてはならないという意。男が常にしめていなくてはならない褌を引き合いに出して強調した語。
⇒ぎ‐り【義理】
○義理にも ぎりにも
本心ではないにしても。かりにも。どんなによく言おうとしても。多く下に打消の語を伴う。「―上手だとは言えない」
⇒ぎ‐り【義理】
ぎり‐の‐しがらみ【義理の柵】
義理にしばられて思うままにならないこと。
ぎり‐ば・る【義理張る】〔自五〕
①度をすごして義理を立て通す。
②交際上の馳走や贈答の度が過ぎる。
⇒義理張るより頬張れ
○義理張るより頬張れ ぎりばるよりほおばれ
義理張って社交上の無理をするよりも、自分の利益をはかるがよい。
⇒ぎり‐ば・る【義理張る】
○義理を立てる ぎりをたてる
つき合いや恩義を考えて、相手の立場を優先する。
⇒ぎ‐り【義理】
○義理を張る ぎりをはる
(→)「義理張ばる」に同じ。
⇒ぎ‐り【義理】

広辞苑に「義理」で始まるの検索結果 1-21

日本国語大辞典

ぎり 【義理】
解説・用例〔名〕
(1)物事の正しい道筋。また、人の踏み行なうべき道。道理。
*米沢本沙石集〔1283〕三・一「癲狂が利口、世法自(より)仏法の無量の義理(キリ)をふくめり」
*幸若・満仲(寛永版)〔室町末~近世初〕「なんぢ寺へのぼりせばがくもんさいしょに法花経をよくよみおぼえ其外よろづのぎりをしるべし」
*童子問〔1707〕上・二〇「亦以読書講義理為非」
*浄瑠璃・蘆屋道満大内鑑〔1734〕四「ヲヲ道理道理それまでもなく一たびはたづねあはではかなはぬ義理(ギリ)」
*史記‐始皇本紀「外教諸侯光施文恵、明以義理」
(2)職業、階層、親子、主従、子弟などのさまざまな対人関係、交際関係で、人が他に対して立場上務めなければならないと意識されたこと。体面。面目。
*曾我物語〔南北朝頃〕二・祐清京へのぼる事「善き侍の振舞、弓矢のぎり、これにしかじと、惜しまぬ者はなかりけり」
*虎明本狂言・文荷〔室町末~近世初〕「『さいぜんから某(それがし)ばかりもった、又おぬしもたしめ』『あまりぎりをかたふいはずとも、あっちまでおぬしもってくれさしめ』」
*仮名草子・身の鏡〔1659〕下「見すて申さじと、義理(ギリ)の奉公仕たる心ざしは」
*浮世草子・好色一代男〔1682〕二・三「かたれと申。いはねばならぬ義理(ギリ)になって」
*浄瑠璃・山崎与次兵衛寿の門松〔1718〕下「親の許した女房は、ぎりと情(なさけ)の二面(おもて)。かけて思へどかひもなく」
*洒落本・傾城買四十八手〔1790〕やすひ手「ありゃぎりでした色さ。まだ小僧の時さ」
*読本・椿説弓張月〔1807~11〕後・二一回「苦しきものは浮世の義理、形(あぢき)なきは武士(もののふ)の意地なりかし」
(3)つきあいや社交の場でのべる口上や挨拶。→ぎり(義理)を述べる。
(4)特に世間的なつきあいの上で、仕方なしにする行為やことば。お義理。
*大田定吉宛か大田南畝書簡‐享和元年〔1801〕八月五日「旅館中之義理有之、贈答に困り申候。錦絵、団扇、東遊などにて俗人の義理を防ぎ申候」
*滑稽本・浮世風呂〔1809~13〕四・上「おめへのやうに義利(ギリ)を堅く覚ちゃア、今時は往(いか)ねへ」
(5)血縁以外の者が血縁と同じ関係を結ぶこと。また、その関係。
*読本・椿説弓張月〔1807~11〕続・三三回「王女(わんにょ)は義理(ギリ)ある子に侍れば、しかせんと宣ふとも、わが身にかえて助まゐらせん、とこそ思へ」
*人情本・春色梅児誉美〔1832~33〕三・一六齣「伯母といふは家付の娘で母の姉、義理(ギリ)ある中の言わけと」
(6)わけ。意味。また、字句の内容。
*令義解〔718〕考課・明経条「皆挙経文及注為問。其答者。皆須弁明義理。然後為通」
*今昔物語集〔1120頃か〕七・一二「新訳の経は猶、文詞甚だ美也と云へども、義理淡く薄し」
*愚管抄〔1220〕二・後堀河「僅に真名(まな)の文字をば読めども、又其義理をさとり知れる人はなし」
*仮名草子・浮世物語〔1665頃〕一・一「さればこそうき世なれといへば、いやその義理(ギリ)ではない」
*俳諧・三冊子〔1702〕わすれ水「苗代(なはしろ)の代(しろ)といふは、かはるといふ義理也」
*蜀志‐李伝「講論義理、五経諸子、無不該覧」
(7)(能で)劇としての筋、内容。また、その面白さ。
*風姿花伝〔1400~02頃〕五「されば、和州の風体、物まね・儀理(ぎり)を本(ほん)として」
*花鏡〔1424〕比判之事「二曲も物まねもぎりもさしてなき能の、さびさびとしたる中(うち)に」
*わらんべ草〔1660〕一「何事も心にいれて見るならば、おもしろきぎりも有べし」



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