BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

学文、学問

2022-05-08 | 日々新た

学問とは何か。
問いを学ぶと読み下していたフレーズが流行っていた。
それを聞いては大学総長にも学問はわからないのだろうかと思ったものだった。
しかし、その問いを考え、そして答えることが大学そのものにあるといささか哲学の命題のようであった。
学問は学文と書く。
しかし、次の用例がある。日国大から摘記する。
*続日本紀‐天平二年〔730〕三月辛亥「大学生徒〈略〉専精学問、以加善誘」
*十訓抄〔1252〕三・道長途上見出大江時棟事「匡衡につけて、学文をせさせられけるほどに、後には大江時棟とて、広才博覧の文士となれりければ」
*文明本節用集〔室町中〕「学文 ガクモン」
*孟子‐滕文公・上「吾他日未嘗学問、好馳馬試剣」
これは語義解釈に
>武芸などに対し、漢詩文、仏典、和歌など、広く学芸一般について学習し、体得すること。ものまなび。もと、男子のする漢学や仏典の学についていったが、のち、和歌、和文についてもいうようになった。
という。
また次の例などに、
*小学読本〔1873〕〈田中義廉〉一「人は、六七歳に至れば、皆小学校に入りて、一般の学文を習ふべし」
>先生についたり、また、書物を読むことなどによって学芸を身につけること
がくもん、学問ならぬ学文といったようであるから、中世、近世を通して、この例がわかりよい。

どちらかを決するというのが、近代の用法である。
>一定の原理に従って、体系的に組織化された知識や方法。哲学、文学、科学など。学。
*西洋事情〔1866~70〕〈福沢諭吉〉外・三「経済は畢竟一種の学文にて之を法術と言ふ可らず」
*百学連環〔1870~71頃〕〈西周〉聞書・総論「凡て学問には、学域といふありて、地理学は、地理学の域あり、政事学は政事学の域ありて、敢て其域を越へて彼是混雑することなく」
学問は百学連環の説明にあるような用語表記に従ってきているようである。
すると、もとは学文があった、これを連想するに、水文、天文、地文などの語があったこととの関連を思い合わせることになる。



学問とは「問いを学ぶこと」|ゐのせ|note

①問いの立て方
②問いに対する答えの探し方
私のゼミの教授は常に「あなたの問いは何?」「それに対するあなたの考えは?」ということを繰り返し質問してきました。
https://note.com/inose_note/n/nb02477ef819a



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