我が家に来た時には震えてばかり、こけてばかりでやんちゃの片りんも見せなかったさくら。
今ではすっかり意思表示も上手になり、撫でてほしいときは「なでれ!」とばかりに手をつついてきたり、おしっこが出れば「片付けれ!」と呼ぶ。
膝に乗りたい時には「背中を押して!」とまた違った手のつつき方をしてくるように。
抱っこすれば実に満足げな表情で膝に伸びて座り、ウトウト。
何故かお風呂は好きで、皆が風呂に入っていると「自分も!」と入っていく。
基本的に玄関先の廊下(4畳分くらい)がさくらの部屋になっているが、最近は家族の集まる土日になると「入れて~!」とキッチンや居間に続くドアをカリカリ、きゅんきゅん・・・。
今日などは大掃除の始まりとしてキッチンを掃除したりバタバタしていたものだから、いちいちドアを開け閉め出来ずさくらちゃんイケイケの状態に。
おかげで好きなようにみんなについて行く事が出来て、ストレスフリーのさくらちゃん、かなりウロウロと色々な場所を探検出来たようである。
しかし、それだけに危険もいっぱい。
口に入れてはいけない物を食べて病院に担ぎ込まれるペットの話はごまんと聞いているし、やはり気が抜けない。
掃除をしつつも常にさくらの動きをマークしていたが、それでも忙しい時間はどうしても散漫に・・・
「あ!さくらがなにか食べてる!」誰かの声で伴侶が慌ててさくらを抱き上げた。
何やら口をもごもごしている。
「?」
牛乳瓶キャップのプラスチックを牛のように口から出しながらカミカミするさくら・・・
呑み込めてしまうようなものでなかったのでほっとしたが、何でも口に入れてしまうさくらには油断できない。
目の離せない歩き始めの赤ちゃんのようなさくらに、伴侶もついつい気になってしまうのか、何かとお世話をしてくれる。
私が家事をこなす傍ら、さくらの世話をする伴侶に「さくらばっかりかまって!そんな女(メス)どこがいいの!?」とふざけると「若さかな・・・」と。
確かに負けたわ・・・・。
ちなみに寝床は階段したのペットキャリーの中。
階段下にカーテンをつけ暖房を入れてあるので、一度入ってしまうと遮光されていて独立した空間になっている。
朝から散歩で走り回りくたくたのさくらは、ご飯を食べてお風呂を済ませるとカーテンの向こうに消え、出てこなかった。
楽しい反面とても疲れてしまうのだろうと思うと、まだまだ7か月の赤ちゃんなのだと実感する。
私がお風呂を済ませて2階に上がるころ、カーテンを静かにくぐってさくらがトボトボと出てきた。
よく眠っていたらしくぼんやりと私を見上げ、少し離れたところから私が2階に上がっていくのを見送り、またカーテンの奥に戻って行った。
こうしてたっぷり眠って充電して、また翌朝大はしゃぎで私達を迎えてくれるのだ。