goo blog サービス終了のお知らせ 
見出し画像

台風一家

保育参観日

今日は保育参観の日だったため、伴侶と一緒に幼稚園に向かった。
保育参観は母の日にちなんで、カーネーションをモチーフにした簡単な制作やお歌のプレゼントなどが行われる。
柵ごしに園庭を覗くと、大勢の園児たちがトイレに行ったり、先生と手を洗ったりとごった返している。
後で知った話では、どうやら交通事情が悪く、渋滞や遅刻の続出だったらしい。
園児たちは幼稚園に着いたばかりだし、親御さんは参観の開始に間に合わなかったりとハプニングもあったらしい。

不安と期待を抱えながら、私たちを待ちわびているであろう子供たちの驚く顔が見たくて、伴侶と二人でまず1階にあるこあら組のいっくんのクラスに向かった。
スピーカーからは主任さんの話や、保護者に対する説明が流れており、時間もあったが、すでに保護者の垣根が出来ている。
こあら組を覗くと、いっくんが椅子を揺らしたり、指をくわえたりしながら黒板の方を見ている。
あまり私たちが来る事に対する、待ちわびた様子は感じられない。
他の園児たちが保護者を見つけて嬉しそうに手を振る中、偶然(としか見えなかった)私たちと目があったいっくんはやっと顔を輝かせ、手を振ってきた。
が、クールなもので、すぐに笑顔を消すとまた黒板を見ながら椅子を揺らしてふざけている。

そうがっかりもしていられない、すぐに伴侶と二人で2階にあるこいちゃんのきく組に向かった。
人をかき分けながらきく組に向かうと、いっくんに反してこいちゃんは私たちが来るのをずっと探していたようで、すぐに見つけると満面の笑顔で手をふり、堪らず席をたち、こちらに歩いてきてしまった。
姉弟なのに、どうしてこんなに性格も、親に対する反応も違うのか、本当に不思議である。
他の園児は座っているのでやんわりと元に戻るように教えてあげてから、伴侶を残していっくんのこあら組に降りた。

教室の中に入り、いっくんの側の壁際にたつと、いっくんは嬉しそうににこにこと私を見た。
指をしゃぶり、鼻の穴に手をやっては、また口に戻したりしながら、椅子をがたがた。
注意したいのをぐっとこらえながら、いや、いっそのこと注意もせず他人を決め込んでしまえと、冷静にDVDを構える私の気持ちを知ってか知らずか、いっくんは椅子の間から体を滑らせて机に潜りながら全くじっとしていない。
昨日心配していた居眠りもそうだが、いっくんを見ていると安心していられる瞬間が本当に少ない。
「お母さんに内緒のプレゼントを渡しますよ~。お父さんとありがとうの練習してきましたか~」と先生が園児たちににこやかに声をかける。
お父さんと練習?そんな光景には全くお目にかかっていない、おそらく帰宅するころには忘れていただろう。
「端っこに、お母さん指でのりを塗ってくださいね~、つぎに葉っぱをこんな風に書きますよ~」と先生が折り紙を見せながら丁寧に説明してくれていたが、いっくんは全く前を見ず、手悪さをしている。
ペンの蓋の置き場所や、道具箱の片づけ方もきかず、箱の中のカスタネットを指にはめたり、筆を出しては遊んでいるのだ。
これは先が思いやられる…とうんざりしているところに伴侶から「(こいちゃんの方と)交代する?」とメールが来たのですぐさま「うん」と返信した。

こいちゃんはさすがに年中のため、葉っぱを自分で書き、書き終わったところで保護者を呼ぶように先生に説明されていた。
しばらく緑のペンをもち、紙に向かっていたが書き終わったのか「おとうさーん、おとうさーん!」と呼んだ。
私が顔を出すと、びっくりしながらも嬉しそうに「あ!おかあさんだ!」と笑った。
こいちゃんは何もかも自分でしたがった。
こいちゃんの制作はキッチンフック(クマの形をしたプラスチックマットにパーツのシールなどをはり、自分で作ったカーネーションの絵を飾る、フック付きボード)で、自分の名前を書くことも、シールを貼る作業も怒りながらでも私にさせようとはしない。
周りは親たちがてきぱきシールを貼っていったが、かんしゃくを起こすほどやりたがるこいちゃんに辟易して全て任せることにした。
名前はさすがに…と名字を書いたところで「つづきはこいちゃんが」と取り上げられた。
少々がたがたに貼りつけられたシールに苦笑しつつ写真を撮っていると「できあがったら、いっかい、おかあさんにあげる。けど、後でちょうだいね」と言う。
とろけるような笑顔で何度も「おかあさん、いつもありがとう、だいすき」と言うくせに、プレゼントは自分の物らしい。
道理でシール貼りさえさせてくれないわけだ、なぜなら自分の為のプレゼントなのだから気合いが入る。
「おかあさん」と言う歌を熱唱して、いつまでもいつまでも私に抱きついていた。
正面に座っていた母親は感動してぼろぼろ泣いてしまっていた。

参観が終わり幼稚園を後にする。
ちょっぴり、いっくんのありがとうも聞きたかったな…と思いつつ、二人の手をつないで、日差しの中を歩いて駐車場に向かう。
二人がしっかり「母の日」を理解して、自分からプレゼントなど選んで来たらどうしよう。
きっと感動して感動して顔が見られないのではないか。
汗ばんだ手を握りながらそんなことを想像して、思わず涙ぐむ親ばかであった。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「子供 育児 学校行事」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事