時の記憶の中に入り込み
迷い子になったぼくを探しに旅にでた
いくら探しても探しても
ぼくが見つからない
もうあきらめようよ
ぼくなんていないんだから
ぼくなんてまぼろしなんだから
ひらひらと 枯れ葉が風に吹かれて 舞い降りてくる
闇が広がっていく
誰か ぼくを見つけてよ
誰か ぼくの手をにぎってよ
お願いだよ ぼくをみつけてよ
自分で自分を探さなくちゃならないんだと わかっているけど
いまだけでいいから ぼくを見つけてよ
ぼくの手をにぎりしめてよ
ぼくを抱きしめてよ

自分のいまと ひとのいまが
たとえ 交わることがないとしても
そのひとのいまがあり
自分のいまがある
いまは誰にでも平等にあり
誰にも や さ し い
時に自分はひとを見失い
時にひとは自分を見失い
時に自分が自分を見失う
それでも 今という時は 誰にでもあり
ただここにある いつまでも今がある
遠い昔 小さな小さなころに まいもどる時
それは 小さな少年が 今の自分を訪ねてきてくれているのだ
その子が 今を生きているのだ
少年は手をにぎってもらいたいのだ
抱きしめてもらいたいのだ
今の私に出来ることは その少年を そっと そっと 腕の中に抱きかかえ
やさしく 限りなくやさしく 抱きしめてあげることだけだ