行政書士横田幸一が綴る日々の感想

私の個人的な回顧録です。

正義の犠牲者

2009-11-19 18:50:01 | 日記
「正しいことを正しいと言えない世の中は間違っている。」

「正義だと思ったことは貫くべき。」



先日、某テレビ番組で、企業の不正を告発した方の特集がありまして、夕飯を食べながら観ていました。

番組の趣旨も、クローズアップされた方も、正義というものを貫徹する尊さを訴えかけてきているように私は感じたのですが、告発された会社は食品会社でしたので、当然社会的信用は失墜し、ついには解散という末路をたどりました。

「不正は不正なのだから告発する」つまり「告発=正義」だから「正しい事としてまかり通って当然」という論法らしいのですが、つぶれた会社の不正に携っていない社員の方々全員が、これを果たして素直に認めることができたのでしょうか?。そして連鎖倒産した会社の皆さんは?。

そこをフォローするようなエピソードも番組内で紹介されていましたが、私の個人的な感想としては、疑問符がいくつも残る内容だったなあというところです。


そもそも何が正義で何が悪で、正しいことと間違っていることの境界線は何処にあるのか、私にははっきりとは判りません。

一方、正しいことと適切であるということは、これまた違うのではないかという認識もあります。しかし適切、不適切の別も私の中に明確な基準がありません。

10、20代のころはもっと明確にそれらを判断していたような気がします。しかし年齢を重ねるごとにだんだんと曖昧になり、現在に至ってはもう何がなんだかサッパリ判らなくなってしまいました。

それでも私が一つ思ったことは、

「貴方にとってそれは正義の行為かもしれないが、ある人にとっては憎むべき行為として受け取られても仕方が無いこと。」

ということです。
なんだか久しぶりに世界の縮図を見た感じです。正義と悪は二者一体、二律背反とはよく言ったものですね。

さらに告発した本人もその後自社倒産という憂き目に会いますが、努力して何とか復活なされたというお話でした。
あきらめなければ道は開ける、等終始正義を尊ぶエピソードで番組は終了しましたが、突然降って湧いたような災難に飲み込まれ、努力むなしく復活できなかった方もいらっしゃるでしょう。

「一度や二度つまづいた位で人生は終わらない。」

「あきらめなければ必ず云々、、、。」

ここはさすがに私でもはっきりと明言できます。

そんな保障は人生においてありません。ただ、そのくらいの気持ちで生きなさいよ、というただの言葉です。一度のつまづきが致命傷になることも確かにあります。

正義という行為が、時に大きな波紋となり、係りたくない人たちも容赦なく呑み込みます。
その波紋で沈没してしまった船の犠牲者には、一体誰が責任を持つのだろう?。

そこはやはり曖昧に過ぎていくのでしょう、そんなん言い出したらきりがないッスもんね。

どうしようもないんだけど、そんな具合にまた世の中は今日という日を終えようとしています。くわばらくわばら



新規格車とは

2009-11-02 21:58:13 | 日記
高速自動車国道及び道路管理者が指定する道路を通行できる車両で、総重量が20tを超え、かつ、最遠軸距が7.0m以上のものにあっては最高総重量限度25t以下。
5.5m以上7.0m未満に対しては22t、ただし各々車長により例外が云々,,,,,


車両制限令によりますと、この後更に色々と諸源の説明が続きますが、運送業者の方ならすぐ分かります。

フロントボディーに白地の丸いワッペンが貼られていて、その中に

  「20t超」

と書かれているあの車です。


今日なんて日はお客さんに頼まれていた書類を届けに行ったところ、雑談のふとした流れから話は新規格車におよぶ、

「こういう車は許可いらないんだよね?。」

「残念ですが○○さん、許可いりますよ。」

「え!?。だって特例でこのクラスなら許可無くても何処でも走っていいって何年か前になったんじゃないの??。」

「さすがにどこでもってわけじゃないですよ。確かに許可のいらない道路だけ走るなら話は別ですが、実務上、めったにそんなことあり得ませんよ。」

「じゃあこれ買ってきたら許可証は,,,,?。」

「この営業所の場所からいって、取らないとダメですね,,,仕方ないですよ、こればっかりは。」



今日に限らず、こういったやり取りが近頃結構あります。

なかでも  《新規格車→無許可で走れる》  といった誤情報が横行しているのですが、せっかくトレーラやホイールクレーンなんかで真面目に許可証を取得されて事業をなさっているのに、こんな誤解で取り締まられて処分を受けたら、私が事業主であればとても複雑な気分になると思います。

もちろん正確な情報を収集するのも事業主の責任ですし、私たち行政書士の責務でもありますが、もう少し行政側からもなにかしら案内や教示など、周知努力があってもいいのではないかと改めて感じました。
 


それではおやすみなさい。