退屈日記。

料理が好き。
どんな毎日でも、作って、食べて、考えて。明日も楽しく料理をしよう!

慣習の壁

2010-09-28 | 労働問題研究
家に帰ると次の日のお弁当が楽しい。
今日はパエリア。
外出のない日の会社って、ランチしか楽しみがないわ。
だから本当は2時間くらいかけて外に食べに行った方が気分転換にもなるのだけど、
みんながワンコイン弁当を食べるから・・・・。


昨日の夜、ロスジェネ世代(知人)と団塊世代(父)に働き方の話をしてみた。
私としては、

人間らしい豊かな生活というものを問いたい(価値観を問いたい)
  ↓だから
労働時間短縮の話を持ち出す
  ↓するとなぜか
「受注確保しなければならないために長時間労働はやむを得ない、それで仕事が無くなったらどうする」
「自分自身の評価にもなるしチャレンジしたいから長時間労働になってもいい。」

という話になり、議論の焦点が変わった。
が、よくよく内容を考えてみると、土俵は違っても根本にあるのは価値観の問題である。

とりあえず、この2人の視点には違いがある。
・団塊世代
①中小企業の保身の視点、②労働者自身の保身の視点
・ロスジェネ世代
自分自身のやりがい的な視点

ここでロスジェネさんの「自分自身のやりがい的な視点」は、私が日頃問題視している「豊かな生活」に関する問題ではあるのだけれど、
自分自身に働き方の裁量がある上での選択肢になってくるから、今回はとりあげないことにします。

まず、①のような発想になるのは、大企業が下請けを選べて自己利益を中心とした経営をする(ことが当たり前)、だという考え方が根底にあるから。
そして②。労働者自身がそれを断った場合はクビになるかもしれない、
という労働者の経営者に対する立場の弱さから労働者自身には選択肢がない、と考えているから。
(昔は労働者は会社に忠誠をつくすことで、永年雇用で企業が労働者を守ってくれた面もある)
今、正規社員なのだから自分の保身を第一に考えなければいけない、
そして、非正規の人は気の毒だけど自分は置き換わることはできないしどうしようもない、
という個人主義的な考え方が垣間見える。


ということで、国が社会保障や法規制で労働者を守る仕組みがない中、
企業に忠誠を尽くしていれば自分とその家族は安泰、
豊かな生活とはおカネがあれば実現できるという価値観の中で働いてきた人に対して、
(おカネを減らしても豊かな生活、雇用の分配をするために、という考え方を含んだ)労働時間短縮の是非、
を持ちかけても話し合いにならないことが分かった。

だけどそういう人達が、今、労働社会を牛耳っている。


労働時間を減らして、給与も低くなっても、全体としての雇用者数をあげる。
そうすることで、生活が貧しくなるわけではなく、人間的な生活ができるはずだから。

私の言いたかったこの2行に立ちはだかる壁は、想像以上に大きい。


労働問題研究会

2010-09-17 | 労働問題研究
天敵(部長)との戦いは毎日続いている。
一触即発状態ながらも表面上は友好を装い、必要最小限しか会話をしない日々。

部長を本音で好きになれない理由はここで説明するものじゃないけれど、
何せ、この会社において部長ひとりが権限を持つ権力者だから、
契約社員である私をクビにしたければできる。
私への悪印象を持たれれば持たれるほど、私にとって不利なだけ。
というより、私があれこれ苛々しているこの状況、考えたこともないだろうし、感じてないだろう。

マネジメントしない、従業員のモチベーションを考えない、余暇の重要性や働き方のことなど眼中にない・・・などなど。
結局のところ、この人の労働に対する価値観が嫌なんだよね。
私が研究会を開きたいと考えている諸問題の根源にある、その価値観が。
そして、権力者である彼の価値観を受け入れる従業員だけが、生き残っている。

これが日本である。
メンバーシップ型。
普通、日本以外の国では、雇用契約はその人の職務に支払われるジョブ型。
だけれども、日本の場合、査定の対象が「職務においてどれだけの成果をあげたか」よりもむしろ、
「職務を遂行する能力、や、職務に対する意欲、努力といった主観的な要素」が重要視される。
つまり、企業のメンバーとしての忠誠心との契約。
これが、メンバーシップ型。
研究所のような小企業の場合は企業=オーナーもしくは権力者といった構図になります。
そして権力者(部長)の価値観に基づき査定される。
研究所にどれだけ長時間いたか、それが「がんばってるな!」という最も評価される指標になるというわけ。


先日話をした名大の労働政策の先生や、最近もっぱら参考にしている濱口桂一郎さんの本やらブログやらを読んでいると、
現在日本の労働環境が改善されるカギはすでに明白なように思う。
濱口氏も和田氏も同じように諸外国との比較から日本の課題を浮き彫りにしているが、
その方法は(国際的にみて)常識的な議論の展開だと思う。

EUのインターバル規制(1日につき最低11時間の休息時間)、
これをさっさと導入できれば、日本人の労働者の価値観も変わってくると思うのに・・・

多くの日本人が基本的に部長派だから、
世界の常識、日本の非常識というわけでなかなか一筋縄にはいかない。

自分の労働問題にこそ問題山積みで、私のモチベーションも上がったり下がったりだけど、
この世界の非常識を何とか他の人たちにも伝えたいと、思う毎日です。