今日は超長文です。
昨日の日曜日は、
半年ほど前から関わらせていただいていた
児童養護施設の勉強会の最終回でした。
わずか12回ほどでしたが、この間、
生徒さんは、座っていられる時間が長くなったり、
「面倒くさい」「やりたくない」といった
ネガティブワードが減ったり、
何の勉強道具も持ってこなかった子が
自分から「100マス計算の競争をしよう」
と言うようになったり・・・
ものすごく成長してくれました。
その成長は、
日常の大きな流れの中で見てしまうと、
あまり変化と気づかないほどのわずかなものかもしれません。
勉強ができて何ができて、
100を120にしようとしている人たちからすると、
吹けば飛ぶようなものかもしれず、
手がかかって扱いに困ると思ってみる人たちからすると、
その度合いがぐっと変わったわけでもないでしょう。
もちろん、勉強が嫌いと言っていた生徒さんが、
一転して勉強好きになったわけでもありません。
でも。
0が1になり、1が2になるということは、
100が120になるより、
ずっとずっとすごいことだと思わずにいられません。
虐待などの体験を持ち、
本当なら得られたはずの勉強をする機会、
能力を伸ばす機会を持つことができないまま
来てしまった子どもたちにとって、
ほかの子が当たり前にできていること、
していることを、
当たり前にすることが
どんなにハンディの大きなことなのか、
今回の経験から、知ることができました。
そんなハンディに、生徒さん、
そして大学生が、
一丸となって立ち向かった半年だったと思います。
毎回、学習会の前には、みんなで、
どうしたら生徒さんにとっていちばんいいのか、
それを話し合い、
試しては修正を繰り返しました。
各大学生は、学習会の時以外にも、
それぞれに担当の生徒さんのことを思い、
心を砕いてくれていました。
ボランティア大学生のみんなは、
生徒さんのためを考えることで、
結局、自分たちをものすごく
磨いていたのだと感じます。
大学生のみんなも、この半年で、
まぶしいくらいにたくましく、
素敵になっていきました。
これまで、いろいろなことを
思うように「できない」という壁に
さんざん突き当たり、
無力感ばかりをつのらせ、
心を頑にしてきたであろう子どもたち。
その心の扉を開け、
彼らから屈託のない子どもらしい笑顔を引き出し、
「できないかも」を「できるかも」という思いに
変えてくれたのは、
そんな大学生のまっすぐな思いだったと感じます。
こうしたことは、
一人のカウンセラーやコーチ、
あるいは一人だけの大学生が頑張ったとしても、
なかなかできなかったことだと思います。
これは、複数の大学生たちが
生徒さんとともに作り出したチーム力、
あるいは「場」の力があってこそ、
できたことなのではないだろうか?
終わってみて、そう感じました。
養護施設で暮らす中学生の生徒さんに、
ボランティア大学生が勉強を教える、
という活動でしたが、
その目的は「勉強ができるようになること」が
決してメインではありませんでした。
「大学」というもの自体が
自分の世界には入ってこない境遇の生徒さんたちに、
そんな世界もあるんだよ、
ということを知ってもらったり、
それまでとは違う視点を持ってもらったりすることが、
大切な目的のひとつでした。
その意味において、
大学生は中学生の生徒さんたちの、
ひとつの新たな
ロールモデルとなってくれたのではないかと思います。
施設の職員の方が
「親がどうであっても、
自分たちは自分たちの道を選べることを伝えたい」
とおっしゃっていた言葉が、
とても印象に残っています。
最後にひと言、と言われ、
中学生の生徒さんと大学生とに話をしながら、
不覚にも涙があふれて言葉に詰まりました。
中学生のみんな、そして大学生のみんなが、
どんなふうに大人になっていくのか、
ずっと見守りたいし応援したい、そう思いました。
終わってから、大学生のみんなから思いがけず、
花束とステキなメッセージカードをいただきました。
こんなことにまで心を配ってくれたみんなに、
心から感謝です。
ここでも涙があふれて、
とうとうコンタクトレンズをはずしました(笑)
大学生のみんなからもらったメッセージカードは、
私が死んだらお棺に一緒に入れてもらいたいと思いました。
そのくらい、とても嬉しかったな。
お世話になった皆さん、
本当にありがとうございました!!
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